【感想・ネタバレ】逆説の日本史2 古代怨霊編/聖徳太子の称号の謎のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

飛鳥時代の日本すっげぇ面白い!偽りの歴史が剥がれ落ち、覆われていた史実が表出する感じがたまらん。嘘ばっかり!

 天智天皇とか天武天皇とか持統天皇とか日本史の授業でもしっくりこなくてなかなか覚えられなかったのは、論理的にストーリー性が無かったからだと思っていたんだけれど、ようやっと歴史物語として理解できた感じがある。
 やっぱ嘘ついてたんだな。そりゃそうだ。現代だって政治家はいっぱい嘘をついて、ぎりぎりの国際関係を維持したりしているんだ、古代にやってないわけがない。

 天智天皇と天武天皇のところがやっぱ面白かったな。天皇の謚号の由来から二人の関係性を明らかにしていくところはシビレタ。
 壬申の乱とかこの辺の時代の歴史書はいくつか読んだことがあるが、つまんないなーとしか思えなかったけれど、この本を読んだことでいろんな情報がつながって、最高に知的興奮を覚えている。

 この本を読んだら、八木荘司の『遥かなる大和』とか永井路子の『美貌の女帝』とかを読むことをお勧めする。なるほどってなる。知識が深まること間違いない。

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2016年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

職場の上司からおススメされました。古代怨霊編です。

実はだいぶ前に1巻を読んでいました。
その後続かなかったのは、面白かったのだけど、著者の、史料至上主義である主流の歴史学者への批判が多すぎてちょっと疲れた・・・その間にマイブームが去ってしまった、という感じです。

この度久々に著者の本を読んだら、やっぱり主流の歴史学者たちへの批判が多かったのですが、今回は本来活字として残せないようなレアな講演会を聴いたような面白さを感じました。

この印象の差はなんだろう?
本書の扱った時代は聖徳太子から桓武天皇あたりの、私が歴史上一番好きな時代なので、既にたくさんの方が様々な説を唱えていることを知っていたので良くも悪くも衝撃が少なかったことが大きかったのかもしれません。

日本の政治とは突き詰めると怨霊を鎮魂すること、その最も有効な方法は祀ること、本書のテーマはこれに尽きます。

仔細は色々あるけどまずは聖徳太子。
梅原さんで初めて知った聖徳太子怨霊説はやっぱりワクワクしました。
聖徳太子の「徳」という文字の概念の需要の仕方はわかりやすかった、その割に「聖」の概念は1頁くらいでさらっとしか解説がなかったのが残念でしたけど。

衝撃的だったのは長屋王一族の怨霊鎮魂の為の奈良の大仏、というのはまあいいとして、日本最大級の一大事業だったのに結局仏教は怨霊に勝てなかったこと。あらためてそう言われて、聖武天皇や光明子の恐怖や落胆が気の毒過ぎました。。

天智・天武天皇の謎は、以前から興味があっていろいろ読んできたのですが、今回は天智他殺説、兄弟否定他人説、しまいには天武忍者説など、強引なものも含めて面白かった!
中でも、何の疑問もなく受け入れてきた天孫降臨は、普通、天子降臨じゃない?なぜ孫?というところから天武、持統の思惑まで語ってもらい、一番納得感がありました。面白かった~!!

30年近く前に執筆された古い本なので、最新の著者の主張と比べてみたいな。

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2024年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は聖徳太子と聖武天皇の時代。
「徳」という称号のついた天皇はいづれも不幸な星の下にあったという説。ほほう、だよ。これまた面白い。
そして天皇が二系統あったという説。天智系と天武系。実は血筋が全く違ったのではないかと。
私はこの人の言うことを考察できるほど知識はないが、この人の言うことは面白い。

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2017年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2011年の1冊目。
正月ダラダラしていたため、なかなか進まず…。

まだ2巻だけど、1巻同様、歴史に詳しいともっと面白いだろうなと思う。定説を知らないので、否定できない。
でも、出てくる歴史や場所を調べたり、巡ってみたくなる。

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2011年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

常識を以って定説を疑う。論証手法に些かの癖と難があるものの、目の付け所は面白い。本巻は建国から奈良時代あたりの、聖徳太子と天智天武天皇がメイン。テーマによって人それぞれ好き嫌いが分かれると思うが、本巻については私自身はあまり興味が持てなかった。この古代日本史に興味がある方にはおすすめだと思う。

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2013年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この巻に関しては面白い部分が多々ありつつも、KiKi にとってはかなり不満な内容でした。  それは目次を見た段階でもある程度予想はついていたことだったんですけどね。  因みにこの巻の目次はざっと以下のような感じです。

第1章:聖徳太子編 - 「徳」の諡号と怨霊信仰のメカニズム
第2章:天智天皇編 - 暗殺説を裏付ける朝鮮半島への軍事介入
第3章:天武天皇と持統女帝編 - 天皇家の血統と「日本書紀」の作為
第4章:平城京と奈良の大仏編 - 聖武天皇の後継者問題と大仏建立

あれ?  あれれ???  どうして「大化の改新」の章がないんだ???  あの権勢をふるった「蘇我氏」があれよあれよという間に歴史から姿を消していったあの一大事(乙巳の変)が抜けているというだけで、KiKi にとっては何となく中途半端感が漂っちゃったんですよね~。  特にそれまでの時代は天皇という存在が脈々と続いていたとは言えども、天皇を中心とした中央集権国家というよりは、飛鳥豪族を中心とした政治が行われていた(と学んできていた)だけに・・・・・。  

そしてね、なおさら感じるのは怨霊になることができるのは「天孫」たる「皇室の人間だけ」だったという前提条件があるのかもしれないけれど、(そんなことないよね??  だって彼の「怨霊説」の中には菅原道真がしょっちゅう出てきているぐらいだから)井沢氏の説の骨格を成しているといっても過言ではない「怨霊」、しかもかなり「パワフルな怨霊」になりそうな存在として、蘇我氏を忘れちゃいけないように思うんだけど・・・・・。  まあ、飛鳥寺が存続しているうえにあそこに鎮座している飛鳥大仏は日本最古という有り難~い誉れで伝わる仏像ということなので、あれが蘇我氏の「怨霊封じ」の象徴なのかもしれませんが・・・・・・。

「徳」という諡に秘められた考察にしろ、天智 vs. 天武の争い及び壬申の乱に関する考察にしろ、大仏開眼に秘められていたかもしれない聖武・光明夫妻の本当の狙い等々の話にしろ、一つ一つはそれなりに(と言うか、かなり)面白いと感じられたのですが、その話を語る上でそこかしこに挟まる学会批判が長い、長い、長い・・・・・・。  しかもいつも同じ文言なのでくどい、くどい、くどい・・・・・・。  これを「ここまでしなければ学会につぶされてしまうと感じている井沢氏の恐怖心」の為せる業と見るべきなのか、「彼固有のけんか腰(論調が議論調というより喧嘩調 ^^;)」と見るべきなのか??  古代黎明編であれだけ言い切っていた「和の精神」とやらはどこへいっちゃったんでしょうか??という感じです。

それにね、そういう話が出てくると「またか・・・・」と思って流し読みモードに入ってしまうので「閑話休題」となった時に肝心なテーマに乗りきれずに読み飛ばしちゃっているところがあるんでしょうか?  時にその学会批判とそれにまつわる余計な話に振り回されているうちに、何が論じられていた文章だったのか、焦点がぼけてしまって、挙句、結論が変わってしまっているような印象を受けた箇所もなきにしもあらず・・・・・だったんですよね~。

で、普通の本だったら「元い・・・」と読み返してみようと思うところが、ことこの本に関してはあのくどくて長い、それでなくても何度も同じような文章で繰り返されている学会批判を読み返すことにもつながると思うと、その意欲までなくなってしまうという負のスパイラルへ・・・・・。  結果、KiKi の印象としては「何となくご都合主義??」「論旨が一貫しているようで、意外と矛盾アリ??」となってしまい、「まあ、お説、承っておきましょう・・・・」でお茶を濁してしまう(苦笑)、そんな感じになってしまうんですよね~。

目の付け所は面白いと思うし、彼の設定した仮説に沿ってかなりの線までは考え抜かれ、調査もしているような印象を受けつつも、文章にする際にはそれを感情的に書き散らしているが故に、却って論旨がぼやけてしまう・・・・そんな印象なんですよね~。  もうちょっと整理して、あっちへいったりこっちへいったりせず、仮に別のところで述べたことがあるような話でも要点だけをちゃんと述べ直したうえで、きっちりと結論まで持って行ってくれたらいいのに・・・・・と感じること多々アリなのです。

最後に・・・・・

個人的には「まつりごと」という言葉を「祭政一致」という感覚で理解・納得していたんだけど、それが井沢氏が唱えるような説にもつながる(怨霊を祀る)というあたりがかなり面白かったです。  そして「さわらぬ神に祟りなし」のくだりも・・・・。  さて、次は第3巻。  平安建都と万葉集だそうです。  

(全文はブログにて)

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2012年06月20日

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