石黒浩のレビュー一覧
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石黒先生の本2冊目。
こちらはかなりロボットと人間を比較して、ロボットを人間を映す鏡として考察した内容かなと思います。
構成的方法という言葉が何度も象徴的に出てきます。
人間の根源的な欲求や意図についての考察、ロボットと対話するということから考えるそもそも「対話」とは何かという話が非常に面白い。
『大事なことは、未来は幸せにならないかもしれないけど、それでも未来に向かって人間は生きていくということである』
小学五年生の時に大人に「人の気持ち」を考えなさいと言われ、どうしていいのか解らなかったというのが非常にいい。では人の「気持ち」とは何なのか、「考える」とは何なのか、この問いは根源的であ -
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じっくり読めば、更に個々に関して詳しいことが知りたくなる。或いは知らねばと言う気になる。
第1版は2007年で、第2版は、12年後の2019年。息の長い書籍といえる。
石黒さんの経歴も詳しく書いてある。
和歌山大学にも在籍していて、ここでプロフェッサーになったんだ。
運慶の番組にDr.石黒が自身を模したアンドロイドと一緒に出演しているのが、再放送されていた。
CGで顔を動かすのと、ハードウェアで動かすのとは、大分違う。いずれもソフトウェアを用いるにしろ微妙な表情を出すのは後者の方が難しい。
蛇足
島田太郎の経歴は、分からないまま。
日経にも出身校が出てなかった。 -
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ネタバレ新書なので箇条書き感は否めないけど面白いトピックばかり。
脳と身体の繋がりはかなり曖昧で、ロボットアームや羽を生やしても脳波で制御できるらしい。ピーター2.0もいるし可能なのか。
ロボットの演劇や詩の朗読はかなり感動的ということでいつか見てみたい。人間性は外面に表れている情報を受け取った人の中で処理して感じるもの、ロボットにも感じうる。
人はロボットに視覚、聴覚、触覚、嗅覚など様々な要素で人間らしさを感じるが、全てを人に似せなくても視覚と触覚など2つ程度の要素を感じられれば人のほうで補完して人気らしさを感じることができる。あまり似せすぎると却って機会らしさが目立つし、不気味の谷という現象もある -
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<目次>
プロローグ
第1章 ロボット研究から学ぶ人間の本質
第2章 対話ロボットとロボット社会
第3章 アンドロイドの役割
第4章 自律性とは何か
第5章 心とは何か
第6章 存在感とは何か
第7章 対話とは何か
第8章 体とは何か
第9章 進化とは何か
第10章 人間と共生するロボット
エピローグ
<内容>
ロボット工学者の研究の大成的な本。著者はロボットを研究しているが、そこに目的があるというより、「人間を知りたい」のでロボットを作っている感じ。この本でも、4章から9章まではそんな様子を描いている。エピローグではそれがさらに明らかになる。そして著 -
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池上先生と石黒先生による「生命感」の対談+記事。
正直難しくて、半分ぐらいわかったような、全然わかっていない様な気になる。
ただ、示唆にとんだキーワードが多く、大変刺激になった。
一番響いたのは
「自己意識は、記憶を参照する主体だ」という石黒先生の言葉だ。これはみた瞬間ビビビと来た。
確かに記憶がなければ意識は生まれない。
そして記憶を意識することで客体としての「自己意識」が生まれて来ている気がする。
(赤ちゃんや、認知症の方に自我を成人より感じないのは、そこに記憶が定着しておらず、それ故に自己意識をうまく立ち上げられないのだろう。ここでいう記憶は無意識、意識両方ありそうだ。)
生命は -
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「人間とは何か」「生命とは何か」を問い続けていくと、最後は(副題にあるとおり)「心とは何か」にたどりつくのだろう。これまでも多くの思想家がこの問いに取り組んできたが、本書の著者である二人は、それぞれ独自の実験により、その問いを検証してきた。石黒が、人間の心身をできる限り機械に置き換えようとする一方で、池上は、多くのセンサーを備えた自律的な装置に最小限の規則を与えることで、生命や心にあたるものを生み出そうとする。正反対のようにみえる両者の試みはしかし、そのどちらも、他者としての人間の存在なしには、心という現象はありえないことを示している。どちらの試みもおもしろいが、人間の思考力・計算能力を超えた
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心はどこにあるのか、ということで哲学的な問題を期待されたあなた。残念!メインではありません。ただ考え方としては沢山出てくるので読む価値ありです。
刺激を避けながら適当な行動を見つける、という機械人間(?)オルタの仕組みが非常に興味深かったです。また、生命は中間層にあるという考えも、なるほどと思わされました。
固有名が沢山出てくるので、何言ってるか分かんないところが沢山あります。雰囲気で読むのをお勧めします。ただ本当に面白い考え方が沢山載っていたので、もっと変にまとめようとせず、ぐだぐだでいいから言葉を紡いで欲しかった感はあります。スッキリまとまりすぎていて、自分の理解が不安になります。
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ネタバレ 購入済み
ロボットで考える人間の中身
「人に心はなく、人は互いに心を持っていると信じているだけである」生粋の科学者である石黒浩が切り出したるは、そんな哲学的な命題だ。普通の人ならば、少し本を読んだり思索にふけって「ふむ難しい」と投げ捨ててしまう話だろう。しかし彼は、人間を知りたいという欲求を工学的なフィールドで追い求めて続ける。見かけと動きを人間に似せたロボットは人間らしく見えるか。遠隔操作ロボットと会話したらどうか。そんな考えで作られた「人間らしい心の無い」ロボット達を見れば、自分に心はあるのだろうかと、そう感じること請け合いである。