石黒浩のレビュー一覧
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ネタバレマツコロイドでも有名な石黒さんが、開発したロボットの亜話を交えながら、人間について考察した本。あえて、感情移入できるよう作られたテレノイド。アンドロイドに演劇させたり、米朝のアンドロイドを作ったり。コミューとソータは2体のロボットと会話することで自然な会話になるそうだ。「心とは観察する側の問題である」「今のロボットは1、2歳のアカチャンくらいだと思ってほしい」ジェームス・ランゲ説「悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」「75%の仕事がロボットに変わる」「中国の空港には上海ガにの自販機がある(人間より機械が信用される)「義手の人の義手を刺すと痛みを感じる」「将棋がAIに負けたとしても競技の面白さは変わらないだろう。自動車やロケットが発明されても100m走の素晴らしさが変わらないように」
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人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究の第一人者が、自らの研究開発の過程と、そこから生まれた「人間とロボット」についての考察をまとめたもの。2009年発刊。
著者が2006年に作成した、自身をモデルにした遠隔操作型アンドロイド「ジェミノイドHI-1」は世界中の注目を集め、2007年に著者は英コンサル会社による「生きている世界の天才100人」の26位(同順位には、ダライ・ラマ14世とスティーブン・スピルバーグ)に選出された。
著者はもともとコンピュータビジョン(カメラから得られた画像をコンピュータで解析し、その画像に何が写っているかをコンピュータに認識させる研究)を研究していたが、コンピュータが人間と同等の認識能力を持つためには、人間と同じように、環境の中で動き回り、物に触れる体が必要になるとの考えから、ロボットの世界に研究の範囲を広げたのだという。
そして、人間型ロボット「ロボビー」(1999年)、自分の娘(4歳)のアンドロイド「リプリーR1」(2001年)、NHK女性アナウンサーのアンドロイド「リプリーQ2」(2005年、愛知万博に出展)、「ジェミノイドHI-1」(2006年)等を次々と作成する過程で、著者の問題意識が、「人間らしさとは何か?どのようにロボットで再現するか?」から「ロボットは心を持てるか?」、「心とは何か?」という、認知科学や脳科学の研究領域である、より深いものに変わっていったことが綴られている。
具体的な研究実験の結果で興味深かったのは、周りの環境・反応に合わせて操作者が指令を送る、遠隔操作型の「ジェミノイドHI-1」を使った実験で、第三者にジェミノイドの頬を突かれると、操作者が顔を避けようとしたり、「やめてくれ」と叫んだり、ジェミノイドを自分の体と錯覚するような反応を示したということである。著者はそれを「人間の体と感覚は密につながっていない」からと分析している。
「心(意識)とは何か」、「心(意識)はどのようにして生じるのか」というテーマは、現代科学の究極のテーマのひとつである。そうした中、アンドロイドの人間らしさを向上させるためには、人間についての理解を深めなければならず、また、開発したアンドロイドの性能を人間社会で試した結果をフィードバックすることにより、認知科学や心理学が進化していくことも事実であり、今後、相互の研究領域オーバーラップは進んでいくのだろう。
(2015年7月了) -
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<目次>
プロローグ
第1章 日常活動型からアンドロイドへ
第2章 遠隔操作型アンドロイドを創る
第3章 サロゲートの世界
第4章 アンドロイドになる
第5章 ジェミノイドに適応する
第6章 ジェミノイドに恋をする
第7章 実体化するもう一人の自分
第8章 人を超えるアンドロイド
第9章 人間がアンドロイドに近づく
第10章 持ち運べるジェミノイド
第11章 人間のミニマルデザイン「テレノイド」
第12章 存在感を持つミニマルなメディア「ハグビー」
<内容>
ロボット工学の第一人者。しかし、「アシモ」などの二足歩行型よりも見た目に人間に似せた「アンドロイド」にこだわっている。この本で著者は、「知りたいのは「人間とは何か」「自分とは何か」だ」と言っている。なぜそんなことがロボットからわかるかが、この本の骨子だと思う。
したがって、なかなか意味深な言葉が出てくる。たとえば、「自分のことは自分が一番知らない」「鏡に映る顔は自分の顔ではない(鏡像なので、左右反対の顔を見ている)」「見かけのアイデンティティ(アンドロイドを自分に似せて作るとして、何歳の顔が一番自分なのか)」など。
したがって、この本はロボットについて興味を持つ人よりも、心理学に興味を持つ人が読むべきものであろう。心理学的な統計的解析は一切されていないが、そうしたものよりも真実に近い分析がされているかもしれない… -
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精神と肉体は切り離されているのか?という二元論的な問いを考えていた時に、先輩が貸してくれた本。
非常に面白かったです。
アンドロイドと言うと、ついつい内容的な部分(こんな新しいことができる!とか)に目がいってしまいますが、外見がこんなに重要だと思わなかったです。
面白かったのは、自分とそっくりなアンドロイドが、整備のために頭を開かれている時に衝撃を感じるとか、うっかり急停止ボタンを押してしまい、萎んで崩れて行く姿は「人の死」を感じさせるという話。
物質的には機械だし、自分ではないはずなのに。
あと、ロボットを遠隔操作している時に、ロボットが人に触れられると、自分が触れられたような妙な感覚になるという話。これに関しては実際に試してみたいなーと思わされましたw
それが事実なら、精神と肉体を接続するものって実に曖昧なんだなと。デカルトが考えたように、あくまで人間の本体は精神であって、身体はたまたまくっついているだけなのかも。
人間って、心って、不思議ですね。
石黒さんにとって、アンドロイドを開発する意義が、人間の存在を問うたり、心を解き明かしたりすることであるというのが、とてもすごいことだなと敬服しました。
研究していくうちに、そういう疑問に突き当たった部分も大きいのかもしれませんが、科学技術的な面だけに収まらないというのが面白いです。
その問いの答えは簡単には見つからないと思いますので、石黒さんにはこれからもアンドロイドを開発して、面白い本を書いてほしいなと思います。
最近、落語家のアンドロイドを開発した?とのニュースをみました。いつか本物のアンドロイドを見に行きたいな。 -
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ネタバレロボット研究の第一人者による新書。2009年刊。
より“人間らしい”ロボットを模索するうちに、「人間とは何か」という根源的な問いを意識するにいたった著者の、研究と思索が 明快に詰め込まれた書。
なぜ人間は、人型のロボットに対して飽くなき探求を続けるのか。そこには、技術開発を通じた“人間理解”への欲求があるのだと氏は論ずる。
ロボット研究における人間らしさ(特に見た目や動作を中心として、知覚・感情・発達といった部分まで)を追求する取り組みが興味深い。→ジェミノイド(人間もどき)、ロボット演劇、ロボット化社会予想
・体を持たないコンピュータに真の認識が可能か
・なぜ人間型ロボットなのか
・人間らしさとは何か(ロボット研究における切り口)
・感覚と体のつながりとは
・ロボットは人間を支配するか -
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≪目次≫
プロローグ ロボットは人の心の鏡
第1章 なぜ人間型ロボットを作るのか
第2章 人間とロボットの基本問題
第3章 子供と女性のアンドロイドー人間らしい見かけと仕草
第4章 自分のアンドロイドを作るー(人間らしい存在)とは
第5章 ジェノミノイドに人々はどう反応し、適応したか
-心と体の分離
第6章 「ロボット演劇」-人間らしい心
第7章 ロボットと情動
第8章 発達する子供ロボットと生体の原理
第9章 ロボットと人間の未来
エピローグ ロボット研究者の悩み
≪内容≫
人間型ロボット(アンドロイド・ジェノミノイド)の第一人者のもの。
ロボットを研究することで何がわかるか…わかるのは人間。そして、
今までのさまざまな学問・研究は、実は人間について何も分かって
いなかったこと。特に「心」の問題は、興味津々の内容。また、
子供ロボットが人間の子供と同じように、覚えながらロボットになっていく
(?)くだりは、小説よりも面白かった。 -
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[ 内容 ]
英国コンサルティング会社SYNECTICSの「生きている天才100人」調査で日本人最高位の26位に選出(2007年)。
石黒研究室が参加する「Team OSAKA」は、「ロボカップ世界大会」サッカー競技ヒューマノイドクラスで4連覇を達成(2004~2007年)。
自身のアンドロイド「ジェミノイド」とともに、欧州最大のメディアアートの祭典「アルスエレクトニカ2009」でフィーチャードアーティストとして展示を行う(2009年)。
[ 目次 ]
プロローグ ロボットは人の心の鏡
第1章 なぜ人間型ロボットを作るのか
第2章 人間とロボットの基本問題
第3章 子供と女性のアンドロイド
第4章 自分のアンドロイドを作る
第5章 ジェミノイドに人々はどう反応し、適応したか
第6章 「ロボット演劇」
第7章 ロボットと情動
第8章 発達する子供ロボットと生体の原理
第9章 ロボットと人間の未来
エピローグ ロボット研究者の悩み
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
自分そっくりのアンドロイドとよくメディアに登場するロボット工学者による本。副題にある「人間とは何か」というテーマを分かりやすく語る。技術的な話や哲学的領域の話も出てくるが、読みやすい。
数々の実験のうち、ロボットを使った演劇があることに驚いた。人間がロボットを演じることは多いが、アンドロイドに会話や動作をさせて「共演」したというもの。正常に作動しなければ話を台無しにしかねず、かなり緊張を強いられたようだ。
筆者は人間が技術を進歩させるのは「いずれ来る地球環境の激変に耐えられる肉体(機能)を手に入れるため」という見方をしている。肉体の一部(あるいは大半)が機械に置き換えられる未来を肯定的に見ていて、ちょっと恐ろしいと思いつつも「あり得ない話ではない」とも思えた。