ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズのレビュー一覧
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サイバーパンクと忍者を掛け合わせるという斬新な設定だが、しっかり世界観ができていれば問題なかった!ヤッター!
ネタにされがちだが内容はとても濃く、個人的にはSFジャンルとしてもアクションとしても面白い。「イヤーッ!」「グワーッ!」で終わるけど、何となく映像が浮かぶ。それくらい物語と人物など世界設定で
...続きを読むきてる。
ニンジャ語が初めから出てきて戸惑うかもしれないが、ここは日本語のいいところでニュアンスもしっかり伝わる。
息子からの借り物で4巻まで今のところある。続きが楽しみ。
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『ニンジャスレイヤー』第3部第9巻にして第3部完結巻。第1巻から21巻にも渡った、“ニンジャスレイヤー トリロジー”の最終巻でもあり、感慨深い。
ニンジャスレイヤーはアガメムノンと共に月面へと飛び立ち、ザイバツ・シャドーギルドはカスミガセキ・ジグラットへ侵攻、ソウカイヤとサヴァイヴァー・ドージョー
...続きを読むはまさかの一時共同戦線を張り、そしてついにネオサイタマ市民たちが管理社会へ反旗を翻す。
多くの登場人物たちが再登場を果たし、シリーズの総決算にふさわしい巻。
どの陣営の闘いも熱いけれど、特にユンコ・スズキの闘いぶりが印象深い。自らのあり方を見据え、アイデンティティの揺らぎをこそ力に変える台詞は熱かった。
人間社会の不条理や人間存在の根源的な弱さによって打ちのめされた人々が、それでも這い進もうとする姿は、シリーズ全体を通して、物語の底や側面や(場合によっては)表面にまで見ることができるものだった。
ユンコの吐いた気炎は、ユンコをはじめとしたモータルだけでなく、ニンジャたちをも含めた、ディストピアに生きる全ての人々の生き様へと鳴らされた福音めいた響きを持って聴こえてくる。
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ニンジャスレイヤー第3部第8巻。
アマクダリ・セクトの陰謀を砕く連作エピソード「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」の終幕と、その後に続くアマクダリ幹部〈十二人〉のひとり、スパルタカスの撃破までを描く。
「ロンゲスト・デイ・オブアマクダリ」の最後のエピソードは「ネオサイタマ・プライド」だが、自らを
...続きを読むひとりの復讐鬼であり、いわば“死人”であると規定していたニンジャスレイヤーが、「ネオサイタマに生きる一人の市民」としてアマクダリの圧政への怒りを持つことは許されるのか、と想うシーンは熱い。
エピソード名はそもそも、ネオサイタマ市民をコントロールするために作られたテレビ番組の欺瞞に満ちたタイトルだが、それを真の意味でのネオサイタマ市民の誇りとして再定義する構成は圧巻。また、亡き子・トチノキの年齢に関する描写も、感情を抑えた筆致がむしろほろ苦く、涙を誘う。
戦いの総決算である「ニチョーム・ウォー」は戦闘描写の面白さだけに留まらず、実験的な手法に驚かされる。紙面を二段、または三段に分割し、多方面で同時発生する戦いを、時間軸だけでなく、文字としても同じページに同時に現し、臨場感を演出している。
同エピソードでは再びDJゼン・ストームの革命レディオが活躍する。戦いに散った息子・ニスイのシャウトがサンプリングされるトラックは悲しくも雄々しく、美しい。
キョート共和国側では、シルバーキーやシャドウウィーヴの復活は喜ばしいものの、タカギ・ガンドーの行方が気にかかるところ。
全体を通し、コメディめいた言葉回しの中に、隠れた熱と美、そして実験的かつ緻密な構成が垣間見え、いつもながらのニンジャスレイヤー節が謳いあげられている。
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『ニンジャスレイヤー』第3部第7巻。アマクダリ・セクト中枢との直接対決が始まり、この部の終わりも見えてきた印象。
「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド後編」は、物語半ばでデリヴァラーが退場してしまったのは残念だったけれど、「ブルタル・ショウギ・サイボーグ・ヴァーサス・アングリー・タナカ・メイ
...続きを読むジン」の再結成と、そこで行われた父子初めてのセッションがリフレインされる展開はやはり熱かった。
ニンジャスレイヤーの侵攻により次々と〈12 人〉が欠けていく中、特にメフィストフェレスの最後の戦い(「デス・オブ・アキレス」)は、名前に恥じない心理戦を見せてくれて面白かった。
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『ニンジャスレイヤー』第3部第6巻。
ニンジャスレイヤーが新たな境地へと達する「リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ」、ジェノサイドとエルドリッチの因縁が明かされる「ウィアード・ワンダラー・アンド・ワイアード・ウィッチ」、アガメムノンの目的や背景、そして対抗勢力が描かれる「レガシーズ・
...続きを読むオブ・メガトリイ」など、第3部終幕に向けて意義深いエピソードが続く巻だけれど、白眉は巻末の「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド 前編」だと思う。
社会の抑圧に対して音楽の力で対抗する、タニグチことDJゼン・ストームが、非力なモータルながら実にタフ。リスナーたちが体制側に逮捕拘束されないようにと、命を賭して行うラジオ放送での台詞も、いちいちクールで格好良い。
前編の最後では、デリヴァラーという名のニンジャとして蘇った息子・ニスイに救出され、ただ一人生き延びる場面が描かれるけれど、それは単なるハッピーエンドではなく、今後の葛藤を思うと難しさも感じさせる。
暴力でなく音楽を、とマイクロフォンに叫びながら殺されていたとしたら、それはそれで物語としては美しい結末だったろうけれど、生き延びてしまったことで、暴力の化身となった息子との関係性をどのように再構築するかという問題が生まれる。それがどのように描かれるのか、後編を読んで確かめたい。
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妻子を「ニンジャ」に殺された「サラリマン」が自らも「ニンジャ」となり、「ニンジャ」を全滅するための「ニンジャスレイヤー」(ニンジャを殺す者)として世に蔓延るニンジャたちを殲滅していく復讐譚。
本書はその各エピソードを時系列に関係なく、順不同で収録。なお、著者は米国人二人組。
サブタイトルにある「ア
...続きを読むマクダリ」や、しょっぱなのエピソードに出てくる「マルノウチ・スゴイタカイビル」、「セプク」(切腹)等の語や、殺しあう敵同士、ボスと部下の支配関係、あるいは親友同士であっても「サン」付けで呼び合う風習(?)、ニンジャ同士は闘いの前にお互いが「オジギ」をして「ドーモ、XX=サン、YYです。」と「アイサツ」を「決める」、等々、誤解、曲解、勘違いの日本語と日本文化のオンパレードに痺れっぱなしの一冊だった。
あと、「ニンジャ」は本書では平安時代の「リアルニンジャ」の魂が現代によみがえり、人間に憑依したもので、基本的には人間に害悪をなす者という設定だったり、「アイエエエエエ!」という独特の悲鳴や、闘いの最中の「イヤーッ!」、「グワーッ!」などの叫び声が2~3行にわたって続くなどもかなり魅力的。
続巻もあるようなので、そちらも楽しみ!アイエエエエエ!
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『ニンジャスレイヤー』第3部第5巻。
エピソード「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」においても、また「ステイ・アライヴ・フォー・ユア・カラテ」においても、アマクダリ・セクトに目的を達せられてしまい、そして副題どおりに、ネオサイタマとキョート共和国との戦争が始まる。
シリアスな展開が目立つ中で、バランス
...続きを読むを取るように挟まる爽やかな短編が良い。「ファスト・アズ・ライトニング、コールド・アズ・ウインター」のスシ対決はファニーながらも熱い。
「ステイ・アライヴ〜」にて、ブラックヘイズとフェイタルが久しぶりに参戦したのも読んでいて嬉しくなるところ。
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『ニンジャスレイヤー』第3部「不滅のニンジャソウル」編第4巻。
「ブラックメイルド・バイ・ニンジャ」「マグロ・サンダーボルト」など、悪党同士の絆や別れが描かれるエピソードが渋い。本筋としても、キョート城の新体制や、ニンジャスレイヤーと因縁を持つソルスティスが登場し、動きの多い巻。
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『ニンジャスレイヤー』シリーズ第3部第3巻。
遠くキョート・リパブリックでタカギ・ガンドーが活躍する「ザ・ブラック・ハイク・マーダー」、チーム・シマナガシがニンジャスレイヤーと邂逅する「ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード」、いまいち締まらない、けれど憎めないニンジャ、スカラムーシュが
...続きを読む登場する「トゥー・レイト・フォー・インガオホー」など、バラエティ豊かなエピソードと多彩な顔ぶれが楽しい巻。
消費主義への批判や支配体制への反抗などがメタファーに包まれているけれど、それらはことさらに言い立てられず、相変わらず淡々とハードボイルドに語られる物語が心地良い。
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『ニンジャスレイヤー』第3部第2巻。ザイバツ戦後、抜け殻のようになったニンジャスレイヤーが復活する様を描く「フー・キルド・ニンジャスレイヤー?」、バイオニューロンチップによる死者再生を取り扱った「レプリカ・ミッシング・リンク」が読み応えがある(バイオニューロンチップのエピソードについては、今後ディテ
...続きを読むクティヴとも関わりが出てくるかもしれない)。その他にも多彩なキャラクターが登場する短編が続き、賑やかな巻。
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『ニンジャスレイヤー』第3部第1巻。舞台はキョート共和国から再びネオサイタマに戻り、アマクダリ・セクトとの戦いが描かれる。
アマクダリの中枢を構成する登場人物(ラオモト・チバ、ネヴァーモア、アガメムノン)が何れも濃いキャラクターで読んでいて楽しい。
第3部になった今巻、ようやく巻末に用語解説が載
...続きを読むったのは、今更感がむしろ面白かった。
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サイバーパンクディストピアハードボイルドニンジャ活劇、第2部最終巻。
アクションも豊富だが、最終巻に相応しく、描写に技巧が凝らされている。メンタリスト戦での、本文を登場人物紹介や漫画、記事の中へ強引に埋め込む手法や、二色刷りの本だからできる、台詞が赤色で差し込まれるザ・ヴァーティゴの再登場シーンな
...続きを読むど、見所が多い。
結末までが長かった第2部は、キャラクターたちの描写も濃密だったから、主要人物たちの多くが生き延びて迎えた大団円は、甘い展開ながらもやはり嬉しく感じる。
第3部はアマクダリを相手取り、ニンジャスレイヤーが再びネオサイタマで戦うよう。アマクダリの若き首魁ラオモト・チバが味のあるキャラクターなので、今から読むのが楽しみ。
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ニンジャスレイヤー第2部第7巻。ニンジャスレイヤー、ザイバツ、ダークニンジャ、三つ巴の戦いはザイバツ優位に進むけれど、ブラックヘイズとフェイタルが参戦し、戦線に変化の兆しを見せて上巻は幕を閉じる。
第2部最終戦であり、遊びの少ない巻かと思いきや、ラストエピソードに「ザ・ヴァーティゴVS地底科学世界
...続きを読む」と題し、異世界バトルSFをねじ込んできたのは笑った。
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シュールなディストピアの中で蠢く巨悪とそれに抗う人々を描く、ハードボイルドSFニンジャ活劇、第2部第6巻。
ニンジャスレイヤー陣営はガンドーに加えてナンシーも参戦、ザイバツ・シャドーギルドはマッポーカリプスへと向かう儀式を始めんとし、デスドレイン陣営はランペイジを失うもアズールがニンジャとして覚醒
...続きを読む、また、単身キョート城に囚われたユカノは押し籠めてきた自身の記憶と幾らかの同一化を果たす。
それぞれの陣営が活発化し、また地歩を固め、次巻から始まる最終章「キョート・ヘル・オン・アース」で起こるであろう交錯への期待が高まる巻。
今巻のエピソード「オペレイション・レスキュー」で活躍したフォレスト・サワタリのサヴァイヴァー・ドージョー陣営も好きなのだけど、最終戦には関わってこなさそうな感触。むしろ戦いを上手くかわして、第3部以降にも出てきてほしいところ。
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ハードボイルドディストピア忍者活劇、第2部第5巻。
今巻は、表紙にも登場している私立探偵タカギ・ガンドーが主役を張るエピソード「リブート・レイヴン」の存在感が強く「探偵小説めいたアトモスフィア」も感じさせる。カラス・ニンジャのソウルに憑依され非人間に成り果てても、その名に「ディテクディヴ」を背負う
...続きを読むガンドーの強さと弱さに痺れる。脇役が突如、劇的に力を得る展開は陳腐になりがちだけれど、物語が丁寧に描かれているからか、必然性と説得力をなお感じる。
フェイタル、ナンシー・リー、シキベ・タカコといった女性陣の見せ場も多く、特に「ビガー・ケイジズ、ロンガー・チェインズ」でのフェイタルはハードボイルドで格好良く、またそのヒロイン力が凄まじい。
同エピソードでは、謎の多いキャラクター、革命組織イッキ・ウチコワシの首領バスター・テツオも珍しく主役級の活躍を見せる。底の見えない登場人物だけに、今後の物語への介入も気になる。
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『ニンジャスレイヤー』第2部第4巻。コミカルな道具立ての底流に流れるのは、相変わらずディストピアの閉塞感なのだけれど、ニンジャスレイヤー側だけでなく、ダークニンジャ側にも協力者や崇拝者が現れたことで、全体に虚無感は和らいだ感覚。
今巻で印象的なエピソードは、ザ・ヴァーティゴが本編に初登場する「ディフ
...続きを読むュージョン・アキュミュレイション・リボーン・ディストラクション」。読者からのお便りコーナーにのみ登場していたニンジャなのだけれど、ノンブル(ページ番号部分)や地の余白部分まで使って、本編と本編外を繋ぐ演出はメタ的で楽しい。
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『ニンジャスレイヤー』第2部第3巻。
表題作の「スリー・ダーティー・ニンジャボンド」は普段と趣向を変えた用心棒もの。ニンジャスレイヤー、ジェノサイド、フォレスト・サワタリ、三人のニンジャが共闘する展開は王道で熱い。いつものハードボイルドでドライな文体でなく、叙情的な結びが印象的。
他にも、ユニークな
...続きを読む自我を得たクローンヤクザ・ケジメニンジャの登場や、若きザイバツニンジャ・シャドウウィーヴの過去編など、見どころの多い巻。
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『ニンジャスレイヤー』第2部第2巻。
ラオモト・カンの末子、ラオモト・チバの戦いの始まりが描かれる「ライズ・オブ・アマクダリ」が面白い。チバの脇に控えるオニヤス・カネコ(ニンジャネーム:ネヴァーモア)、とアガメムノンのキャラクターが良い。3人を描いた扉絵にも雰囲気がある。
「ウェイティング・フォー・
...続きを読むマイ・ニンジャ」に搭乗するネザークイーンも素敵。(セクシャル・マイノリティの描き方としては古風だけども)
各人の再登場が楽しみ。
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第1部「ネオサイタマ炎上」の完結。といえど、復讐者の葛藤は解消されることはなく、第2部「キョート殺伐都市」への引きを残しながら、余韻を持って第1部が閉じる。
相変わらずのハードボイルドだけれど、最終章「ダークダスク・ダーカードーン」で、フジキドとナラクとのバディ戦が描かれる展開もまた熱い。
キャラ
...続きを読むクター造形も面白く、今巻では「ライク・ア・ブラッドアロー・ストレイト」扉絵にて描かれたニンジャ・“ラオモトの声”のデザインが怪しげで好き。
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