大島かおりのレビュー一覧

  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    津村記久子さんの「やりなおし世界文学」の中で1番気になってた作品をやっと読んだ。黄金の壺はドタバタロマコメ。日常の中に入り込んだ魔術に人間が翻弄される感じは巨匠とマルガリータにも似た面白さ。2作めは推理小説的な面白さでこちらも完成度高い。

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    2023年06月27日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    黄金の壺は、完全にファンタジー。こういう昔の小説って小難しいやらな問答というか語りというかで私生活がメインな気もするけど、でもはるか昔は聖書とかファンタジーだしな、珍しいってほどでもないかもだけど、ちょっと意外だー。
    なもんだから、表現が仰々しいとかを除けば今風に読めるんではないか。
    スキュデリさんの方も、いちいち表現が鬱陶しいというか、しょっちゅう感極まって大変だー、なんだけど、展開は面白いし、なにより結末への持っていき方もなかなか。人治主義がうまくまわることを示しているのか、にしても今どきの小説ではなかなか見られないぞな。
    最後の方の小品はちと難易度高めかな。

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    2022年10月12日
  • 全体主義の起原3 新版――全体主義

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    国家は権威・忠誠を与える根源的な場(共同体)であり、個人はその外部においては無意味である。ジョヴァンニ・ジェンティーレGentile(1875-1944)

    全体主義。階級社会が崩壊して、根無し草の大衆が生まれた。量が多く、政治的に無関心・中立、階級意識を持たない、組織化されておらずバラバラ。公的な領域で他者と連帯して活動をしないで、孤立している。全体主義はこれら大衆を上手く動員した。全体主義は自由な行為の空間を限りなく減らして孤立している大衆をさらに孤立させ、それっぽい観念・イデオロギーを強制させる。大衆は自分で考える力を無くしてしまう。全体主義体制は大衆によって支えられている▼全体主義の特徴。独裁的な指導者に率いられた単一政党支配、人々に公定イデオロギーを強制、思想・文化・経済を強制的に画一化、市民の自由を極度に制限、意見・利害の多様性(議会政治)を否定。例)ナチスドイツ・ソ連スターリン時代。ハンナ・アレントArendt『全体主義の諸起源』1951 (97)

    全体主義の背景には伝統・権威の崩壊がある。教育は伝統・権威なしにはありえない。ハンナ・アレントArendt『過去と未来の間』1963

    全体主義の特徴。単一イデオロギーによる支配。単一の独裁政党による支配。秘密警察と恐怖政治。権力によるマスコミ独占。武器の独占。経済を中央が統制。カール・フリードリヒFriedrich&ズビグネフ・ブレジンスキーBrzezinski『全体主義的独裁と専制』1956

    全体主義の特徴。国家公認のイデオロギー。経済活動は国家に服従。経済活動は国家の活動であり、経済活動の誤りはイデオロギーによって判断される。単一の独裁政党による支配。マスコミ(強制と説得の手段)独占。レイモン・アロンAron『デモクラシーと全体主義』1968

    民主主義体制でも全体主義体制でもない。権威主義体制。多数の個人や団体が自由に活動できない(民主主義体制ではない)。かといって自発的な団体が禁止・抑圧されているわけではない(全体主義体制ではない)。国家によって認可された個人・団体に限り、限られた範囲で政治参加が認められる(権威主義体制)▼思想の自由はない(民主主義体制ではない)。かといって単一イデオロギーの宣伝・教化が行われるわけではない(全体主義体制ではない)。伝統で結び付く感情的な思考や心情によって体制が維持されている▼自発的な政治参加は求められない(民主主義体制ではない)。かといって体制への広範で徹底した政治動員が行われるわけではない(全体主義体制ではない)。限られた政治動員と民衆の脱政治化(無関心)に依存した体制(権威主義体制)。例) スペインのフランコ政権(1939-1975)。開発独裁(韓国の朴正熙、フィリピンのマルコス、インドネシアのスハルト)。フアン・リンスLinz『全体主義体制と権威主義体制』1975

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    2021年07月04日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    どうせドイツ人なんて粗挽きウインナーに粒マスタードで黒ビールなんでしょう?→→!ウォ、ウォモシローイ!→→大学生が蛇に恋をします。夢うつつで何もやる気が起きません。学校の職員「そんでねー、ここに手伝いに行ってもらいたいわけー。お金も貰えるし皆が助かるの」依頼主「そんでねー、」学生「いやちょっと自分はこういう訳で、仕事をする気分では」主「あっごめえん。その蛇、私の娘ね!っていうっか、自分サラマンダーやし!」なんなのよドイツ。明るいじゃない。黒だけじゃなくて、白ビールも隠してるんじゃないのよ!出しなさいよ!

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    2020年12月26日
  • くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女

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    『くるみ割り人形とねずみの王さま』
    言わずと知れたクリスマスのメルヘン。
    こんな空想をしていたなあ、とか、こんなお菓子の町は憧れだったよね、とか、とにかく楽しい作品。
    深読みをすると、マリーは現実の世界からいなくなり、くるみ割り人形(若いドロセルマイヤーさん)と一緒にお菓子の国へ行って、二度と戻って来なかった、つまり、現実世界でマリーは死んでしまった、とも取れる。実際、マリーのモデルとなった女の子は、出版の数年後に幼くして亡くなったようだけど。

    『ブランビラ王女』
    一言で言うなら、自我の物語。
    誰と誰が同一人物で……、時間軸的には……、と考え始めるとドツボにはまる。物語が入れ子構造で(物語内物語内物語、みたいな)、でも実は話は繋がっていて、登場人物自身も自分が誰なのか分かっていなくて。奇想天外、摩訶不思議、でもそれが楽しい。たゆたう物語の流れに身を任せれば、しかるべき場所まで連れて行ってくれる。

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    2018年12月09日
  • くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女

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    「くるみ割り人形」は言うまでもなく、有名なバレエ曲にもなったクリスマスの定番。「ブランビラ王女」は、恥ずかしながら題名も初めて聞いた。どちらも視点があちこちにさまよう凝った構成になっていて、とても楽しく読めた。物語を読む楽しさを改めて教えてもらえたような気がする。

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    2018年01月22日
  • 砂男/クレスペル顧問官

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    ホフマンの中編?が三編。どれも少し不可解な話なのだけれどその怪奇な中身がなかなかよい。幻想的欧州を感じさせる。どれもなかなかで、また読み返したい。

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    2017年12月18日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    表題作の「黄金の壺」、冴えない男が二人の美女にもてる、日常の中に非日常が入り込むというのは一寸前のラノベの設定っぽい。いずれにせよ、予想していたよりも読みやすいので驚きました。他の出版社での訳と読み比べてみたい。

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    2015年06月13日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    ネタバレ

    『黄金の壺』

    『マドモワゼル・ド・スキュデリ』

    『ドン・ファン』

    『クライスレリアーナ』

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    2014年07月02日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    ホフマンの短篇集。物語の内包する物語の密度の濃さに圧倒される。幻想文学のリアリティとは描かれなかった物語の量に比例するのではないかと思われる。
    物語の長さにそぐわないほどのイマジネーションを内包した結果、本文自体はほとんど粗筋をなぞっているだけのようである。その語られない物語背景の過剰さ、それがまた物語の豊穣さを支えている関係。

    神は細部に宿るとはこういうことか。

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    2011年05月05日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    くるみ割り人形、カルディヤック等の原作で知られるE・T・A・ホフマンの作品集です。
    ホフマン"らしさ"あふれる作品である黄金の壺に対して、"らしさ"の少ない非常にきれいなマドモワゼル・ド・スキュデリ、その他の短い作品が収められています。
    黄金の壺は岩波文庫の方が雰囲気が出てて、私は好きですが、スキュデリも収録されているということで、こちらに。(残念ながら岩波のは絶版なのです。あと、古い文章なだけに読みにくいかも?)
    黄金の壺でホフマンの世界を、そして、スキュデリでホフマンが書くきれいな作品を味わってみてはいかがでしょうか?

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    2011年05月07日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    なんとなく読んだが、おばけ作家のホフマンさん。
    妄想の天才です。
    この光文社古典新訳文庫)シリーズは、どれも読みやすくて、好きだ。

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    2010年01月05日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    さて、満を持して(?)、E.T.A.ホフマン、いきます!というわけで、この新訳を買ってみました。手持ちの岩波文庫の「黄金の壷」と「スキュデリー嬢」と、頁ごとにつきあわせて読みました(また、なんと酔狂なことを……)。常体と敬体の文を、同じ地の文で混在させるのはどうでしょう、けれどもそのあたりは、「訳者あとがき」に詳しく述べられています。そこにあるとおり、「ほんとうに、古いか新しいかという問題は一筋縄ではいかないもの」なのですね。私には、昔なじみのホフマンのほうが、ホフマンらしい、とも思われますけれど。もちろん、この新訳を殊更に批判したいわけじゃないんです。そしてまたこのシリーズ全体の意図に関して、「いま、息をしている言葉で。」という栞の文言どおりそれが成功しているなら、それには大賛成なのです。だから、これからホフマンを読もうかな、と思う方は、どうぞこれを手に取ってください。珠玉の4篇、表題2作の他に「ドン・ファン」と「クライスレリアーナ(小品を抜粋)」とが収められています。カヴァーの感じもいいし、誰かの愛読書になることを願います。もちろん、それに見合うだけの作品です。

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    2011年07月19日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    ネタバレ

    初めて小説を途中で断念しちゃった。
    古本屋で見つけて何も知らないまま買ってみたんだけどどうしても私には難しかった…。
    個人的に現実的でない本が得意ではなくて、。
    自分の想像力が劣っているせいで文字だけで夢のあるような出来事を想像するのが難しくて想像以上にエネルギーを使って断念してしまった。
    加えて、海外の文化も時代背景もわからないから定期的に???となっちゃって。。。

    小6のときに初めてハリーポッターを読んだ時はそんなことなかったのにな〜、映画も見たことがなくて百味ビーンズとかで何となく知っているだけだったのに楽しく読めたのは、想像力が豊かだったからなのかな。大人になって現実ばかりみてそんな力が乏しくなったのかな。

    ただ途中で読者に投げかけてくるのは初めてで面白かった
    なんか不思議な感覚だったな

    いつかまた再挑戦したい。

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    2026年10月02日
  • モモ

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    この物語が1970年代に書かれたことに驚き。人のあるべき時間の使い方、本来の生き方とは何かを考える良いきっかけになった。効率を極めれば生活は豊かになるが、精神面やりがいにおいては貧しくなってしまう。正直話はあまり深く入り込めず時間がかかった。でもこの本を通して気づきは多く得られたと思う。

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    2026年09月26日
  • モモ

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    楽しいお話しですが、時間を気にする現代人に対する風刺かなと思いました。
    時間泥棒はみんなの中にいて、ドンドンと先に行ってしまいます。それに待ったをかけたのがこの作品ではないでしょうか。
    途中まで中だるみはありますが、後半にかけては一気読みでした。

    時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。エンデの名作。

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    2026年09月16日
  • モモ

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    おばあちゃんの家にあった本をもらった。
    ファンタジーでいかにも小学校高学年向けって感じのストーリーではあったけど、最後の訳者からの言葉が心に響いたなあ。

    ファンタジーファンタジーしてるのがちょっと苦手だから☆3。小学生のときに読んでおけばよかったなあ。

    モモとジジのふたりだけの秘密の物語がとっても素敵で好き。

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    2026年09月12日
  • モモ

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    この手の本に慣れない私は、名作であっても、前半とっぴょうしもない内容に逆に退屈さを感じてしまった。私に想像力が足りないせいだと思う。
    後半から盛り上がり、一気に読む。子供が読むのと、大人になってから読むのと、感じ方に差の出る内容だと思う。日々の疲れを感じ、方向性を見失った大人のための本かもしれない。

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    2026年08月29日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    読んだはいいものの、何をきっかけにホフマンを知ったのかが思い出せない。ホフマンの作品一覧を見るかぎり、オペラとかその辺りっぽい。『黄金の壺』は素直に楽しめたし、他の作品も短編推理物語っぽくて良かった。

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    2026年04月16日
  • くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女

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    ヒップホップくるみ割り人形とくるみ割り人形と秘密の王国を続けて見たら、くるみ割り人形がなんだかわからなくなった気がして、よくよく考えてみると原作をちゃんと読んだこともなかったので読んでみた。

    このホフマンの原作をもとに、アレクサンドル・デュマがバレエのもとになったくるみ割り人形を書いたそうだ。

    くるみ割り人形が大体どんな話かは分かったけど、くるみ割り人形の前で最初に「ドロセルマイヤー」の名を口にした時の、「くるみ割り人形がおそろしく口をひんまげ、両目がみどり色の火花を発した」という反応の理由が、最後まで読んでもわからなかった。

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    2022年12月06日