大島かおりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
すごい面白かった。ホフマンはドイツ人の法律家だから、難しい言葉が並んだ長々とした小説なのかと思っていたら、とんでもない。
怪奇で、幻想的で、狂気的で、少しの哀しみがある小説。
小さい頃読んだ不思議で恐ろしい御伽の世界に迷い込んだよう。
3遍の小説で、1番好きなのはクレスペル顧問官。
気が狂っているようだけど実は中の芯がしっかりした人で、好きになるキャラ。
〝ふつう自分に奇矯なところがあっても、人に気づかれないように包み隠しておきますがね。その覆いを引き剥がされてしまっている人がいる。”
まさにそんな感じのキャラ。
砂男は怖い。ぞくっとする。若い青年(お金持ちで許嫁もいて、幸せそのものにみえ -
Posted by ブクログ
何度読んでも素晴らしい。長いと言われても私は言いたい!200年前ホフマンが怖さのあまり妻の手を握りながら書いたと言われるこの小説がどれだけ後世に影響を与えたか。美しいほどの不気味さはこれまで幾度と映像化されたが表現しきれなかった。畳み掛ける不条理は狂気なのか現実なのか。夜更かしする子供のところにやって来て目玉をえぐり取る砂男の話を聞いた幼少のナターナエルは夜になると父の書斎に来る砂男の足音に怯えていた。ある夜書斎を覗き見して砂男に襲われ父に助けられる。砂男の正体は弁護士のコッペリウスだった。父は惨殺されコッペリウスは姿を消し行方不明となる。十数年後、結婚し大学に通うナターナエルの前に再び砂男は
-
Posted by ブクログ
存在はもちろん知っていたけどどんな話かも知らなかったモモ。
あらすじを見たら、時間泥棒の話であることを知って、興味が湧き読み始めた。
イメージと違い、児童書ということもあってかなり読みやすかった(海外文学のこういう系は読みにくいと勝手に思ってた)。
今の生活に限らず、不可逆な時間を無駄にせず過ごせているか、、は事あるごとに思い返していた(いつも反省する)ことが多いけど、留めておきたいフレーズがいくつかあって、その意味を咀嚼しながら後悔のないように時間を過ごしていきたいなと思えた一冊。
何度も繰り返し読んで、心に残ったフレーズを深く深く理解したいとも思った本。
-
Posted by ブクログ
『モモ』を読み終えてまず感じたのは、これは「時間」の物語ではなく、「人生の豊かさとは何か」を問いかける物語なのだということだった。
物語の中で灰色の男たちは、人々に「時間を節約すれば人生はもっと豊かになる」と語りかける。その言葉を信じた人々は、家族との会話を減らし、友人と過ごす時間を惜しみ、遊びや趣味を切り捨てて働き続けるようになる。一見すると効率的で充実した生活に見えるが、町からは笑顔が消え、人々は心の余裕を失っていく。この展開は児童文学とは思えないほど現代社会を映し出していて、スマートフォンやSNS、仕事に追われる今の私たちにもそのまま当てはまるように感じた。
印象的だったのは、主人公 -
Posted by ブクログ
ネタバレ吉田篤弘さんのエッセイで紹介されていたので、読んだ作品。
児童文学としてかなり有名だが、これは本当に児童文学!?と驚くほど風刺が強く、70年代に書かれたとは思えないほど今の社会にぴったりと当てはまっていた。
時間を効率的に使おうと日々奔走し続けていると、心をすり減らして本来の豊かさを失ってしまう——という時間=心というメッセージがかなり深く響いた。
読んでいて「これは今の私たちの姿そのものでは?」と考えさせられる。
もう少し今この瞬間を生きてみよう、と自分の生き方を見つめ直すきっかけにもなった。
翻訳家のあとがきもとてもわかりやすく、作品のメタファーや想いを丁寧に解説してくれていて、もう一 -
Posted by ブクログ
SNSやショート動画が当たり前になり、「時間を短縮すること」が重視される現代だからこそ、多くの人に読んでほしいと思える作品だった。何十年も前に書かれた作品でありながら、現代にも通じるテーマが描かれている。
現代では子どもたちもゲームやスマートフォンに囲まれ、自分で考えて遊ぶ時間や、人とゆっくり向き合う時間が少なくなっているように感じる。「忙しい」「時間がない」と過ごす毎日の中で、本当に大切な時間とは何なのかを改めて考えさせられた。
時間に追われる人の行き着く先と、時間にとらわれない人が持つ心の余裕との対比を静かに描き出す。読み終えて、自分もゆとりを持てる人でありたいと強く思わされた。 -
Posted by ブクログ
50年以上前に書かれたというのが信じられないくらい、タイパ・コスパ重視な現代人にジワジワと染みる物語だと感じた。児童書だけど日々時間に追われてやるべきことに忙殺されているにこそ読んでほしい(そもそも本なんて読む時間がもったいないと思ってる可能性もあるけど)。私も途中挫折しそうになったけど、完読してよかった!と思えた。
私自身も、今でこそ読書や手帳やノートを書く時間は暮らしを豊かにする大切な余白の時間だと思ってるけど…数年前までは余白があると不安に感じたり、常に時間が足りない、お金も足りないという無力感に襲われることが多かったことを思い出した。←灰色の男たち(書籍の登場人物)を自分で作り上げて