大島かおりのレビュー一覧

  • 砂男/クレスペル顧問官

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    『砂男』を再読。
    近代文学におけるジャンル小説の先駆けでありながら、まごうことなき傑作怪奇小説。
    好きな小説10個挙げろって言われたら絶対挙げる。
    恐怖の積み上げ方が上品。
    ナターナエルと作者ホフマンの距離感が絶妙。
    主観的な物語を描きながらも、客観的にロマン派を脱構築する。
    ホフマンにとっての至上への希求は、狂気への道筋。
    ヒッチコックの『めまい』は絶対これを元にしてる。

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    2023年09月19日
  • 全体主義の起原2 新版――帝国主義

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    第三部、第一部と読み進めてきて第二部が最後となるけれども、とんでもなく面白かった。帝国主義がもともと経済的な事情に由来すること、その特徴が膨張の運動それ自体にあること、それが国民国家の在り方とはそぐわないこと、人種思想の経緯、海外帝国主義と大陸帝国主義の違い、法を軽視する官僚制、人権という概念のもつ問題など、どの議論をとってもほんとうに面白く、それぞれが全体主義への架け橋として描き出されるので、たしかにこれは第三部から読んでおいてよかったなあと思った。自然とか人工世界とか循環あたりの話は『人間の条件』を彷彿とさせる。カフカの官僚制の話もうれしい。あいだに寄り道していたせいもあって全部を読むのに

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    2022年12月16日
  • 全体主義の起原3 新版――全体主義

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    ヤスパースの助言通り第三部から読んだ、全体主義の特徴として挙げられる首尾一貫した偽りの現実とかテロルの意義とかもすごく面白いのだけれど、そもそもそういったものに溺れてしまう大衆の弱さとか収容所に入れられたひとびとが存在しなかったことになってしまう残酷さとか、人間の孤独や存在の脆さが浮かびあがってくるあたりで泣きそうになってしまう、アーレントの冷徹さの奥には限りない愛の眼差しがあると思う、あと大事なことは何度も言ってくれるのでわかりやすい。

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    2022年10月20日
  • モモ

    ネタバレ 購入済み

    時間どろぼうを倒せ!

    「時間どろぼう」なる怪人の秘密結社と浮浪児モモの戦い。70年代ドイツの児童文学として、なかなかの傑作だと思う。
    モモは直接戦うすべを持たないが、超常的な能力を持つ存在が手を貸すことにより逆転への道が開ける。
    時間の人生哲学を優しくレクチャーしてくれる内容。

    #深い

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    2022年09月29日
  • 砂男/クレスペル顧問官

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    すごい面白かった。ホフマンはドイツ人の法律家だから、難しい言葉が並んだ長々とした小説なのかと思っていたら、とんでもない。
    怪奇で、幻想的で、狂気的で、少しの哀しみがある小説。
    小さい頃読んだ不思議で恐ろしい御伽の世界に迷い込んだよう。

    3遍の小説で、1番好きなのはクレスペル顧問官。
    気が狂っているようだけど実は中の芯がしっかりした人で、好きになるキャラ。
    〝ふつう自分に奇矯なところがあっても、人に気づかれないように包み隠しておきますがね。その覆いを引き剥がされてしまっている人がいる。”
    まさにそんな感じのキャラ。

    砂男は怖い。ぞくっとする。若い青年(お金持ちで許嫁もいて、幸せそのものにみえ

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    2022年01月12日
  • モモ

    購入済み

    良かった

    時間に追われた現代人の皆さんに、ぜひおすすめです。

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    2021年12月25日
  • モモ

    モモがんばれ

    童話ではありますが 、いろいろ考えさせられました。作者はドイツ人だということで、同じヨーロッパでもスラブ系からは出て来ない話だと感じます。疲れていっぱいいっぱいになったときに、思い出して心の余裕を取り戻したいと思います。

    #タメになる #深い #感動する

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    2021年04月24日
  • 砂男/クレスペル顧問官

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    何度読んでも素晴らしい。長いと言われても私は言いたい!200年前ホフマンが怖さのあまり妻の手を握りながら書いたと言われるこの小説がどれだけ後世に影響を与えたか。美しいほどの不気味さはこれまで幾度と映像化されたが表現しきれなかった。畳み掛ける不条理は狂気なのか現実なのか。夜更かしする子供のところにやって来て目玉をえぐり取る砂男の話を聞いた幼少のナターナエルは夜になると父の書斎に来る砂男の足音に怯えていた。ある夜書斎を覗き見して砂男に襲われ父に助けられる。砂男の正体は弁護士のコッペリウスだった。父は惨殺されコッペリウスは姿を消し行方不明となる。十数年後、結婚し大学に通うナターナエルの前に再び砂男は

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    2022年03月21日
  • モモ

    購入済み

    良質なファンタジー。

    児童文学とはいうものの、内容も深いですし、大人が読んでも充分楽しめる作品だと思います。
    とても良かったです。

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    2020年05月08日
  • モモ

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    名著とは聞いていたが手に取ることがなかった一冊。知人が「子どもが小学生の間に読んで欲しい」と言ったことをきっかけに読むことに。コスパタイパ、似たような街並み‥本当の豊かさとは何か?ラストは鮮やかなアニメーションを見ているかのよう。いろいろな作品にも影響を与えているのだろう。

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    2026年04月25日
  • モモ

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    誰もが知っているような小説だけど、今まで読んだことがなかった。
    50年以上読み続けられているだけあり、ストーリーも表現も風刺も完璧だと思った。そして古さをほとんど感じさせない。
    やはり時の洗礼を受けてなお残っているものには価値がある。

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    2026年04月24日
  • モモ

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    子どもの時に読んで以来だったかな。言わずと知れた、エンデの「モモ」。そっか、こういう話だったのか。
    これが今から50年以上前の1973年に出版されたお話だなんて信じられないくらい、今の世界の姿と重ね合わせて読むことができるお話だった。そうか、人間はどの時代でも、やはり時間に追われて生きてきたのか…。

    今はデジタル化が進んで、すごいスピードで世界は動いているけど、人間がそのスピードについていこうとすると、やっぱり色んなものが失われているのかもしれない。灰色の男たちは、現代のテレビやスマホの存在に大喜びしながら、人間から時間を奪っているのかも。タイパっていく言葉も、彼らが知らないうちに浸透させた

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    2026年04月23日
  • モモ

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    ネタバレ

    名作枠、「時間」を主軸に人間としての在り方を問うてくる
    50年以上も前に、「急かされる社会」を描いていて、便利な機械の登場以前から、今みたいな悩みや懸念があったんだなと。予見できていたんだなと。

    当時の受け止められ方が気になりますね

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    2026年04月17日
  • モモ

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    対象が小学5・6年生とのことで、普段読む大人向け(?)の作品と比較すると情景描写の不足や、ご都合主義な展開は否めないが、それでも普遍的なテーマや、核心を突くような登場人物たちのセリフにはっとさせられる場面があった。

    モモの持つ力が「人の話をよく聞く」という点だけ、というのが秀逸で、昨今失われつつある見習うべき点かもしれない。
    また、敵対組織である灰色の男たち(men in grey)が、日本語訳で「灰」色と表現されているのは実態を捉えていて、「灰」にならないためにはどう生きるべきかという問題提起を、無意識に読者に投げかけているものと推察する。

    本作品が書かれたのは1973年頃とのことで、作

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    2026年04月11日
  • モモ

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    借りた本
    ファンタジーに挑戦
    ひらがなが多く、最初は読むのが大変だったけど、話が進むにつれて世界観に入ることができてスラスラ読めた
    効率性を求めて時間を節約するあまり、大切な人とふれあい想い合う時間を自ら排除してしまうという、現代社会を風刺している作品で面白かった
    カシオペイアかわいい

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    2026年04月06日
  • モモ

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    時間を金銭にリソース変換する資本主義社会を諷刺している。真面目というか説教臭さが前面に出過ぎていて物語としての面白さにやや欠けている印象。

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    2026年04月05日
  • モモ

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    モモは、養老孟司さんが以前何かの書籍で紹介していたことをきっかけに読んだ。

    素晴らしい作品だった。生きることとは、という核心に触れ、深く刺さる内容である。小学校高学年向けの児童文学ということもあり、全体的に平易で読みやすい表現が多い。しかしその一方で、物語の厚みや本質の深さは、むしろ大人にこそ向けられているように感じた。自分が小学生だった頃、この意味をどこまで掴み取れただろうかと考えさせられる。

    時間を盗まれた大人たちは、客観的に見れば余裕を失い、「何のために生きているのか」と思わされる存在になっている。本作は、効率的に動くことが必ずしも正義ではないと教えてくれる。

    現代では、AIの発達

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    2026年04月05日
  • モモ

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    読書をしたことのない子供だったので、
    読んでみました。時間とは?という問いかけは
    現代社会でもあてはまります。
    子供の時に読みたかったです。

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    2026年03月09日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    津村記久子さんの「やりなおし世界文学」の中で1番気になってた作品をやっと読んだ。黄金の壺はドタバタロマコメ。日常の中に入り込んだ魔術に人間が翻弄される感じは巨匠とマルガリータにも似た面白さ。2作めは推理小説的な面白さでこちらも完成度高い。

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    2023年06月27日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    黄金の壺は、完全にファンタジー。こういう昔の小説って小難しいやらな問答というか語りというかで私生活がメインな気もするけど、でもはるか昔は聖書とかファンタジーだしな、珍しいってほどでもないかもだけど、ちょっと意外だー。
    なもんだから、表現が仰々しいとかを除けば今風に読めるんではないか。
    スキュデリさんの方も、いちいち表現が鬱陶しいというか、しょっちゅう感極まって大変だー、なんだけど、展開は面白いし、なにより結末への持っていき方もなかなか。人治主義がうまくまわることを示しているのか、にしても今どきの小説ではなかなか見られないぞな。
    最後の方の小品はちと難易度高めかな。

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    2022年10月12日