大島かおりのレビュー一覧
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すごい面白かった。ホフマンはドイツ人の法律家だから、難しい言葉が並んだ長々とした小説なのかと思っていたら、とんでもない。
怪奇で、幻想的で、狂気的で、少しの哀しみがある小説。
小さい頃読んだ不思議で恐ろしい御伽の世界に迷い込んだよう。
3遍の小説で、1番好きなのはクレスペル顧問官。
気が狂っているようだけど実は中の芯がしっかりした人で、好きになるキャラ。
〝ふつう自分に奇矯なところがあっても、人に気づかれないように包み隠しておきますがね。その覆いを引き剥がされてしまっている人がいる。”
まさにそんな感じのキャラ。
砂男は怖い。ぞくっとする。若い青年(お金持ちで許嫁もいて、幸せそのものにみえ -
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何度読んでも素晴らしい。長いと言われても私は言いたい!200年前ホフマンが怖さのあまり妻の手を握りながら書いたと言われるこの小説がどれだけ後世に影響を与えたか。美しいほどの不気味さはこれまで幾度と映像化されたが表現しきれなかった。畳み掛ける不条理は狂気なのか現実なのか。夜更かしする子供のところにやって来て目玉をえぐり取る砂男の話を聞いた幼少のナターナエルは夜になると父の書斎に来る砂男の足音に怯えていた。ある夜書斎を覗き見して砂男に襲われ父に助けられる。砂男の正体は弁護士のコッペリウスだった。父は惨殺されコッペリウスは姿を消し行方不明となる。十数年後、結婚し大学に通うナターナエルの前に再び砂男は
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色々と考えるきっかけになりました。
僕たち、生き急ぎ過ぎているのかもしれませんね。だからこそ、本を読む事の大切さを感じました。
今は、YouTubeも倍速でみたり、ショート動画を流し見する様な時代。家事をしながら、運転しながら、オーディオブックを聞く時代。
時短、時短。忙しい、忙しい。そんな日々を僕たちは送っています。
本は、読み出したら他に何も出来ない。とても不便な趣味です。
小説なら、一冊読むのにも時間がかかります。
いわゆる「遅い」ですね。でも、だからこそ、今の僕たちには必要なのかもしれません。
余裕を持った生活は、もしかしたら人生を豊かにしてくれるかもしれない。
少し、長い -
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子どもの時に読んで以来だったかな。言わずと知れた、エンデの「モモ」。そっか、こういう話だったのか。
これが今から50年以上前の1973年に出版されたお話だなんて信じられないくらい、今の世界の姿と重ね合わせて読むことができるお話だった。そうか、人間はどの時代でも、やはり時間に追われて生きてきたのか…。
今はデジタル化が進んで、すごいスピードで世界は動いているけど、人間がそのスピードについていこうとすると、やっぱり色んなものが失われているのかもしれない。灰色の男たちは、現代のテレビやスマホの存在に大喜びしながら、人間から時間を奪っているのかも。タイパっていく言葉も、彼らが知らないうちに浸透させた -
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対象が小学5・6年生とのことで、普段読む大人向け(?)の作品と比較すると情景描写の不足や、ご都合主義な展開は否めないが、それでも普遍的なテーマや、核心を突くような登場人物たちのセリフにはっとさせられる場面があった。
モモの持つ力が「人の話をよく聞く」という点だけ、というのが秀逸で、昨今失われつつある見習うべき点かもしれない。
また、敵対組織である灰色の男たち(men in grey)が、日本語訳で「灰」色と表現されているのは実態を捉えていて、「灰」にならないためにはどう生きるべきかという問題提起を、無意識に読者に投げかけているものと推察する。
本作品が書かれたのは1973年頃とのことで、作 -
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黄金の壺は、完全にファンタジー。こういう昔の小説って小難しいやらな問答というか語りというかで私生活がメインな気もするけど、でもはるか昔は聖書とかファンタジーだしな、珍しいってほどでもないかもだけど、ちょっと意外だー。
なもんだから、表現が仰々しいとかを除けば今風に読めるんではないか。
スキュデリさんの方も、いちいち表現が鬱陶しいというか、しょっちゅう感極まって大変だー、なんだけど、展開は面白いし、なにより結末への持っていき方もなかなか。人治主義がうまくまわることを示しているのか、にしても今どきの小説ではなかなか見られないぞな。
最後の方の小品はちと難易度高めかな。 -
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国家は権威・忠誠を与える根源的な場(共同体)であり、個人はその外部においては無意味である。ジョヴァンニ・ジェンティーレGentile(1875-1944)
全体主義。階級社会が崩壊して、根無し草の大衆が生まれた。量が多く、政治的に無関心・中立、階級意識を持たない、組織化されておらずバラバラ。公的な領域で他者と連帯して活動をしないで、孤立している。全体主義はこれら大衆を上手く動員した。全体主義は自由な行為の空間を限りなく減らして孤立している大衆をさらに孤立させ、それっぽい観念・イデオロギーを強制させる。大衆は自分で考える力を無くしてしまう。全体主義体制は大衆によって支えられている。▼全体主義の