大島かおりのレビュー一覧

  • モモ

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    わたしたちは現代社会を生きていく上で遭遇する「時間泥棒」とどう対峙していくべきなのか。

    現代はいたるところに灰色の男たちがいて、隙あらば私たちの時間を狙っている。一寸先は致死的退屈症である…と、資本主義への恨みつらみを述べた後に「とかくに人の世は住みにくい。」などと結ぶニヒルな感想が浮かんだがこれではあんまりだ。

    別のアプローチを取ろう。それはそれとして、現代社会を生きるために大切なのは生活に彩りを加える姿勢やそれを見逃さない視線といったものなのではないか。

    すなわち、どうしようもない現代を嘆き悲しんだり、時間の開放に思考を巡らすよりも、むしろ人生における「時間の花」と言える瞬間を見落と

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    2025年11月28日
  • モモ

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    ネタバレ

    灰色の男たちは現実にいて、知らぬ間に時間を奪われているとか、そんなことを想像した。時間、効率……技術発展の恩恵を受けて有り難く生活しているわけだが、技術の速さと人間の時間は比例せず、人間を機械は走り去っていく。
    忙しさは日に増して、ニノのレストランのような人たちで溢れかえる。
    そんな社会、都会の歯車の中に入れられている私たちに本当に必要なのは、モモのような存在。
    「モモのところに行ってごらん!」

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    2025年11月17日
  • モモ

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    時間は平等。
    なのに大人は時間が無いと言う。
    子供目線で今で言う学校や習い事が皮肉混じりで書かれている気がして、とても面白かった。
    時間は有限であり、Time is moneyを第1優先にした先に、家族の時間や人と人との繋がりを失ってしまうこともある。
    大切なものの為に今どう動くべきか1度立ち止まって考える大切さを教えてもらった気がします。

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    2025年11月14日
  • モモ

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    35歳にして初めて読み、衝撃を受けてしまった。面白すぎる。
    この世界観どうやって思いついたんだろ。

    文体は読み聞かせしてもらってるような不思議な感覚
    それでいて内容はハッとさせられるようなもので心に深く刺さる部分が多かった。

    自分は大人側になってしまっているのだろうかと怖くなった。
    この本の発行から50年くらい経ち、灰色の男たちによる世界はますます進んでいそうです。

    丁度最近読んだ『暇と退屈の倫理学』にも通じると思った。
    「暇な」時間を大切に生きたい。

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    2025年11月12日
  • モモ

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    当時まだ私が小学生の頃、分厚い単行本をこの本を初めて手に取った。初めは「こんなの読み切れるわけない」と思ったが、気づけば夢中になり、あっという間に読み終えていた。

    内容も当時の私が何を感じたかもすっかり忘れてしまったが、友人の勧めでまた読んでみようと思った。

    物語の大きなテーマは「時間の使い方」
    "時間泥棒"は、人々に時間の節約を迫り、余白をどんどん奪っていく。効率性や意義性に必要以上に囚われると、人は感情を失い、大切にしたかったものすら手放ていく。

    情報にあふれる現代は特に「正しそうなこと」が多く、またSNSの普及により「比較する相手」も増えたことにより、不安を駆り

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    2025年11月10日
  • モモ

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    ネタバレ

    本を読んだり、音楽を聞いたり、映画を見たり、友だちと話したり、、、速読、倍速視聴、効率が重視される世の中で時間が勿体無い!と思われるようなこと=たのしいと思うこと、むちゅうになること、夢見ることはなにより自分自身を充実させるものなんだね。忘れたくない気持ちがたくさん詰まった本だった。

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    2025年11月04日
  • モモ

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    「時間の節約?でも、だれのために?」
    このフレーズを見た時にハッとした。そういえば何のためなんだろう、と。生活や人生を豊かにするはずの節約に追われ苦しめられていたんじゃないかと。気づいたら私も時間貯蓄家になっていたようだ。

    AIも発達してより時間短縮が選ばれる時代になったけど、時間をかけて考えたり作ったりする楽しみを忘れないでいたいなと思った。物事の本質はそこじゃないものね。

    時間という概念を深く考え、ドキドキハラハラする展開もありつつとても楽しく読めた。
    一番好きなシーンは亀のカシオペイアが、
    「サキノコトハ、ワカリマス。アトノコトハ、カンガエマセン!」
    と言ったところ。最高!

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    2025年10月21日
  • モモ

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    夫が、激推ししてくるエンデ。児童文学な上に翻訳本。中々自分では手に取らない本だったが、うん、これは現代に生きる老若男女全員が読むべき物語かと思う。国語の教科書に載せるのはどうだろうか。1973年に世に出てきたものだけど、ここらでいっちょ本屋大賞に選ぶのがいいんじゃないか。

    育児中、『時間』に限らず、色んなことを考えている中での、今回のモモ。考えていた様々なことが物語とリンクし、再度思考することを促された感じがする。

    とりあえず、会った人全員にオススメしたい。

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    2025年10月15日
  • モモ

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    時間についてほんと考えさせられる本。どうしても生き急いでしまうから、時間をかけることの豊かさを忘れたくないなぁと思った。

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    2025年10月12日
  • モモ

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    大人になってから、1年があっという間にすぎていく。
    私も灰色の男たちに時間を盗まれているのかもしれないと思いました。
    小さい我が子と過ごすこの時間を
    何より大切にしたいと思えた作品でした。

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    2025年10月05日
  • モモ

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    傑作。時間とは?というテーマでこれだけの物語が作られたことに感動する。タイパや生産性といった事が重要視されるような現代で、この話のメッセージを理解し実行するには難しいが、それでも時間の持つ性質が人間にもたらす影響は普遍的で、実生活を積み重ねてきた今、改めてその重要性が身に染みて分かる。今の時代にこそモモちゃんが必要。

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    2025年09月12日
  • 砂男/クレスペル顧問官

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    表題の二作に加えて『大晦日の夜の冒険』が収録されています。全てに共通するのは、魅力的な女性に男性が夢中になり、その結果……という構造です。しかし説教くささは無く、文体も古めかしすぎず読みやすいと感じました。巻末に解説と著者の年譜も載っていて、著者が影響を受けた作品や親交のあった作家なども知ることができます。

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    2025年02月12日
  • モモ

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    ちいさなモモが時間どろぼうと戦う話。マイスターホラの家で食べる朝ごはん、ベッポの道路掃除の話、ごっこ遊びでモモザンになるところ。

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    2025年11月29日
  • モモ

    n

    購入済み

    何回か読んでいます

    自身が小学生時代に初めて読み、こどもにも読み聞かせしております。
    今回読書感想文を書くにあたり手元に本がなく図書館でも貸出中だったため、初めて電子書籍で読ませて頂きました。電子書籍には苦手意識がありましたが、嵩張らず、文字も見やすく、途中から読み始めるのも手軽に出来、電子書籍の良さを感じました。また繰り返し読みたいと思います。

    #タメになる #共感する

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    2024年08月16日
  • 砂男/クレスペル顧問官

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    『砂男』を再読。
    近代文学におけるジャンル小説の先駆けでありながら、まごうことなき傑作怪奇小説。
    好きな小説10個挙げろって言われたら絶対挙げる。
    恐怖の積み上げ方が上品。
    ナターナエルと作者ホフマンの距離感が絶妙。
    主観的な物語を描きながらも、客観的にロマン派を脱構築する。
    ホフマンにとっての至上への希求は、狂気への道筋。
    ヒッチコックの『めまい』は絶対これを元にしてる。

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    2023年09月19日
  • 全体主義の起原2 新版――帝国主義

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    第三部、第一部と読み進めてきて第二部が最後となるけれども、とんでもなく面白かった。帝国主義がもともと経済的な事情に由来すること、その特徴が膨張の運動それ自体にあること、それが国民国家の在り方とはそぐわないこと、人種思想の経緯、海外帝国主義と大陸帝国主義の違い、法を軽視する官僚制、人権という概念のもつ問題など、どの議論をとってもほんとうに面白く、それぞれが全体主義への架け橋として描き出されるので、たしかにこれは第三部から読んでおいてよかったなあと思った。自然とか人工世界とか循環あたりの話は『人間の条件』を彷彿とさせる。カフカの官僚制の話もうれしい。あいだに寄り道していたせいもあって全部を読むのに

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    2022年12月16日
  • 全体主義の起原3 新版――全体主義

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    ヤスパースの助言通り第三部から読んだ、全体主義の特徴として挙げられる首尾一貫した偽りの現実とかテロルの意義とかもすごく面白いのだけれど、そもそもそういったものに溺れてしまう大衆の弱さとか収容所に入れられたひとびとが存在しなかったことになってしまう残酷さとか、人間の孤独や存在の脆さが浮かびあがってくるあたりで泣きそうになってしまう、アーレントの冷徹さの奥には限りない愛の眼差しがあると思う、あと大事なことは何度も言ってくれるのでわかりやすい。

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    2022年10月20日
  • モモ

    ネタバレ 購入済み

    時間どろぼうを倒せ!

    「時間どろぼう」なる怪人の秘密結社と浮浪児モモの戦い。70年代ドイツの児童文学として、なかなかの傑作だと思う。
    モモは直接戦うすべを持たないが、超常的な能力を持つ存在が手を貸すことにより逆転への道が開ける。
    時間の人生哲学を優しくレクチャーしてくれる内容。

    #深い

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    2022年09月29日
  • 砂男/クレスペル顧問官

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    すごい面白かった。ホフマンはドイツ人の法律家だから、難しい言葉が並んだ長々とした小説なのかと思っていたら、とんでもない。
    怪奇で、幻想的で、狂気的で、少しの哀しみがある小説。
    小さい頃読んだ不思議で恐ろしい御伽の世界に迷い込んだよう。

    3遍の小説で、1番好きなのはクレスペル顧問官。
    気が狂っているようだけど実は中の芯がしっかりした人で、好きになるキャラ。
    〝ふつう自分に奇矯なところがあっても、人に気づかれないように包み隠しておきますがね。その覆いを引き剥がされてしまっている人がいる。”
    まさにそんな感じのキャラ。

    砂男は怖い。ぞくっとする。若い青年(お金持ちで許嫁もいて、幸せそのものにみえ

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    2022年01月12日
  • モモ

    購入済み

    良かった

    時間に追われた現代人の皆さんに、ぜひおすすめです。

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    2021年12月25日