大島かおりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ子どもの時に読み、20歳前後で読み、そして30年近くを経て3度目の再読。驚いている。まるで、今の日本の話ではないか。いや、世界の話か。
時短という言葉がもてはやされ、効率的なこと、コスパが常に重視される世界。子どもたちは、放課後には児童館や放課後デイなどに預けられている。もちろん、物語と全く同じではないけれど、ある見方をすれば大人たちの事情で、一つの所に押し込められている、とみられないこともない。
灰色の男たちが今もこの世界で活動を広げている。
一時期モモが話題になった時よりも、もっと事態は深刻になっている。スマホ一つで何でもできる時間。待ち合わせも時間の無駄、手紙どころかメールやLINEです -
Posted by ブクログ
読みにくかったけど、
時間どろぼうが現代におけるスマホなのかなと思う。
タイパタイパと騒がれる世の中だけど、
人間らしい生き方ってなんだ?と思った時に
ただ意味もないショート動画を見てだらだら
過ごす時間よりも、
本を読んだり、編み物をしたり、
家族とお喋りしたり、美味しい物を味わったり
自分の幸せの価値観の軸をしっかりと持ちたいし
そんな幸せな時間を送るために毎日生きていたい
モモはやや資本主義批判寄りで書かれているようだけど
たしかに時間どろぼうに時間を奪われた人たちは
ただ働くために生きている感じがして気味悪かった
生活するために働くのが理想だよね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ時間どろぼうの灰色の男たちと、浮浪児の女の子のモモの話。小学生の頃に読書感想文で読みました。大人になった今読んでも、沁みる言葉たちがたくさんあり、コスパ・タイパ重視をしすぎると「生きた時間」を過ごすことができなくなってくる、ということに気付かされました。
数分後の未来がわかるカメさん、カシオペイアが冒険の手助けをたくさんしてくれています。物語の中で、「サキコトハワカリマス。」「アトノコトハカンガエマセン!」と伝えてくる場面がありました。未来に対して不安を抱えすぎてしまうことがある自分にとって、この言葉は肩の力を抜いてくれるような気がしました。今、この瞬間、目の前の時間を大切にする生き方をしたい -
Posted by ブクログ
日常のなかで、ふと立ち止まる。『モモ』を読み終えて、本当の「時間」の豊かさってこういうことなんだろうな、としばらく余韻に浸っていました。
「ただ、相手の心の声に耳を傾ける」
小さな女の子・モモに話を聴いてもらうと、誰もが自分を取り戻して悩みを解決していくんです。どんなアドバイスよりも誠実に話を聴くこと。それって思っている以上にすごい力なのかな、って思います。
だけど、時間を盗む「灰色の男たち」のせいで世界は一変。「時間は貴重だ!時は金なり!」という作中の標語は、今の日常にもグサッと刺さりました。効率ばかりの画一化された世の中になったら、誇りも、愛着も幸せも全部消えてしまうかもしれないと、想 -
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人間らしく生きるには
初めての、ミヒャエル・エンデさん。
突如現れた灰色の男たちが現れ、町人たちの時間を奪い
町人たちと仲の良いモモは、彼らの持ってた時間を戻しに行く物語。
最初は『時はカネなり』と言いたいのかなと解釈してたけど、自分の時間の使い方や自分らしさがより深く追求する物語なのかと気づいた。
特に大人になってから読むと、視点が一気に変わる。
灰色の男たちが奪う時間は自分たちの生きるための時間。
その時間は『人間らしい行動』を指している。
「ちっとばかりいいくらしをするために、
いのちもたましいも売りわたしちまったやつらを見てみろよ!
おれはいやだな、そんなやり方は。」
とジジが -
Posted by ブクログ
灰色の男たちが活動する第二部になった瞬間、第一部までの交流と空想の暖かさが急に消えて、数字と現実の冷たさを感じた。
時間を大切に。寿命は短い。少年老い易く学成り難し。意味のある人生を。一日過ごせば一日死に近づく。光陰矢の如し。時間を無駄にするな。生産性を上げよう。急げ。待たせるな。間に合わない!
……時間を大切にしようとすると、時間を大切にしてしまう。その結果、不機嫌な人ばかりになる。子供の相手もできない。時間がないから。
そして「時間を無駄にしないように」この本を読んでいる皮肉。でも読まないと進まない。その思考こそが罠なのだけど、抜け出す方法が見つからない。つける薬がない。
思うに、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ友人からこの本のことを聞いたり、ネットで話題になっていて前々から気になっていた。頭の端の方で読みたいなぁとずっと思っていたところ、日本出版から五十周年を記念したオレンジ色の装丁が出ていて、それに惹かれてついに購入。
とても良かった。時間貯蓄銀行により、無駄な時間を削り、余暇もなくやるべきことに追われてしまう思考になってしまった人々と、主人公モモの意志を持ち続けて悪の組織に立ち向かう姿。
「無駄な時間を削ることは、人の心を狭め、廃れさせてしまう」ということをファンタジーの中で鮮やかに描いている。無駄な時間にこそ、自分に帰れるし、自由だよね、思った。
カシオペアのキャラが個人的に結構好きだった。 -
Posted by ブクログ
二巻目も骨太な内容。
20世紀における西洋の難民は生存圏を奪取された以降、法的保護の適用が希薄になるためより経済的、政治的、民族的なアイデンティティの喪失が過大となる。
国外へと追放された人種の足場のない不安定な状態をルソーの言葉で持って「自然状態」として再定義する。
強固な官僚制を保持していたドイツ、ロシアの両国において全体主義的傾向を帯びたシステムが基盤となって、現代のファシズムに繋がる。
帝国主義の分析は非常に面白い。イギリスが特に。
もはや法では囲い込むのできない難民たちの台頭は民族主義的排外主義的な思想のナチ=ドイツの組織によっても先鋭化される運びとなる。