ホフマンのレビュー一覧

  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    黄金の壺は、完全にファンタジー。こういう昔の小説って小難しいやらな問答というか語りというかで私生活がメインな気もするけど、でもはるか昔は聖書とかファンタジーだしな、珍しいってほどでもないかもだけど、ちょっと意外だー。
    なもんだから、表現が仰々しいとかを除けば今風に読めるんではないか。
    スキュデリさんの方も、いちいち表現が鬱陶しいというか、しょっちゅう感極まって大変だー、なんだけど、展開は面白いし、なにより結末への持っていき方もなかなか。人治主義がうまくまわることを示しているのか、にしても今どきの小説ではなかなか見られないぞな。
    最後の方の小品はちと難易度高めかな。

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    2022年10月12日
  • 黄金の壺

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    華麗で幻想的な出来事が、複写を生業にする学生や、俗物的な教頭といった俗世一般の人間たちの生活の上に織りなされ、物語のまとまりと、美しい描写によって楽しい小品を作りあげている

    ヴェロニカが可愛らしい
    俗物的な欲求の虜になってしまう人間の弱さを見ると微笑ましなる。邪な手段に頼っても下心を成就させようとする姿を見ると愛らしいと思う
    不思議なものだ。

    しかし、この作品にあるような純朴な美しさというようなものは現代では書けないよな、と思う。書くとしたらたちまち詭弁くさくなってしまう気がする

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    2022年03月15日
  • クルミわりとネズミの王さま

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     バレエで有名な原作とは知らず購入。あらすじもまったく知らなかったので、まっさらな気持ちで読めた。
     お菓子の国の描写など、可愛くてきらびやかな子どもの夢が詰まった物語だった。本書も幼少期に読んでいたら、ワクワクして夢がふくらんだだろうな。レモネードの川、コンポートの里、氷砂糖の牧場など名前を聞いただけでも楽しくなる。
     ドロッセルマイヤーさんは子ども心に理解のあるおじさまかと思っていたら、最後は両親たちと同じような厳しめの大人だったことに少し興ざめ。カエルの王子さまや美女と野獣の系譜的作品か。
     余談だが、フリッツという名前からは『終戦のローレライ』をどうしてもイメージしてしまい、本書のフリ

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    2021年12月24日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    どうせドイツ人なんて粗挽きウインナーに粒マスタードで黒ビールなんでしょう?→→!ウォ、ウォモシローイ!→→大学生が蛇に恋をします。夢うつつで何もやる気が起きません。学校の職員「そんでねー、ここに手伝いに行ってもらいたいわけー。お金も貰えるし皆が助かるの」依頼主「そんでねー、」学生「いやちょっと自分はこういう訳で、仕事をする気分では」主「あっごめえん。その蛇、私の娘ね!っていうっか、自分サラマンダーやし!」なんなのよドイツ。明るいじゃない。黒だけじゃなくて、白ビールも隠してるんじゃないのよ!出しなさいよ!

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    2020年12月26日
  • クルミわりとネズミの王さま

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    ジブリ美術館で数年前に買って積読になっていたもの。
    くるみ割り人形ってこういう話なのか〜。
    お城のキレイさったらない。かわいいし、夢のようだし、これを読んだ子どもは、きっとすごくわくわくするんだろうなあって感じた。
    ジブリ美術館のカバーと、購入した絵はがきも相まって楽しめたな♩

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    2020年12月07日
  • くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女

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    『くるみ割り人形とねずみの王さま』
    言わずと知れたクリスマスのメルヘン。
    こんな空想をしていたなあ、とか、こんなお菓子の町は憧れだったよね、とか、とにかく楽しい作品。
    深読みをすると、マリーは現実の世界からいなくなり、くるみ割り人形(若いドロセルマイヤーさん)と一緒にお菓子の国へ行って、二度と戻って来なかった、つまり、現実世界でマリーは死んでしまった、とも取れる。実際、マリーのモデルとなった女の子は、出版の数年後に幼くして亡くなったようだけど。

    『ブランビラ王女』
    一言で言うなら、自我の物語。
    誰と誰が同一人物で……、時間軸的には……、と考え始めるとドツボにはまる。物語が入れ子構造で(物語内

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    2018年12月09日
  • くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女

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    「くるみ割り人形」は言うまでもなく、有名なバレエ曲にもなったクリスマスの定番。「ブランビラ王女」は、恥ずかしながら題名も初めて聞いた。どちらも視点があちこちにさまよう凝った構成になっていて、とても楽しく読めた。物語を読む楽しさを改めて教えてもらえたような気がする。

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    2018年01月22日
  • 砂男/クレスペル顧問官

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    ホフマンの中編?が三編。どれも少し不可解な話なのだけれどその怪奇な中身がなかなかよい。幻想的欧州を感じさせる。どれもなかなかで、また読み返したい。

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    2017年12月18日
  • クルミわりとネズミの王さま

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    三鷹ジブリの森で購入。
    宮崎監督おすすめになってて、気になり購入。
    おんがくのくるみ割人形は、聴いたことあるけど、
    物語りを読んだのは、初めて。
    子供の頃に読んだら、もっと純粋に物語りに入り込んで、楽しめただろうな。それでも、大人でも楽しめる。
    アニメーション化されることがあれば、観てみたい。

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    2017年03月05日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    表題作の「黄金の壺」、冴えない男が二人の美女にもてる、日常の中に非日常が入り込むというのは一寸前のラノベの設定っぽい。いずれにせよ、予想していたよりも読みやすいので驚きました。他の出版社での訳と読み比べてみたい。

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    2015年06月13日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    ネタバレ

    『黄金の壺』

    『マドモワゼル・ド・スキュデリ』

    『ドン・ファン』

    『クライスレリアーナ』

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    2014年07月02日
  • クルミわりとネズミの王さま

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    チャイコフスキーの楽曲で有名な「くるみ割り人形」の原作です。少女の空想の中、くるみ割り人形はおもちゃの兵隊とともにネズミと戦い、お菓子の国へと少女を誘うのです。
    甘いお菓子のような幻想的な世界でありつつ、原色に彩られたような酩酊感をも催します。そして鮮やかな光を投射して出来る濃い影もそこにはあります。何とも面白い読後感でした。

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    2013年11月23日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    ホフマンの短篇集。物語の内包する物語の密度の濃さに圧倒される。幻想文学のリアリティとは描かれなかった物語の量に比例するのではないかと思われる。
    物語の長さにそぐわないほどのイマジネーションを内包した結果、本文自体はほとんど粗筋をなぞっているだけのようである。その語られない物語背景の過剰さ、それがまた物語の豊穣さを支えている関係。

    神は細部に宿るとはこういうことか。

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    2011年05月05日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    くるみ割り人形、カルディヤック等の原作で知られるE・T・A・ホフマンの作品集です。
    ホフマン"らしさ"あふれる作品である黄金の壺に対して、"らしさ"の少ない非常にきれいなマドモワゼル・ド・スキュデリ、その他の短い作品が収められています。
    黄金の壺は岩波文庫の方が雰囲気が出てて、私は好きですが、スキュデリも収録されているということで、こちらに。(残念ながら岩波のは絶版なのです。あと、古い文章なだけに読みにくいかも?)
    黄金の壺でホフマンの世界を、そして、スキュデリでホフマンが書くきれいな作品を味わってみてはいかがでしょうか?

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    2011年05月07日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    なんとなく読んだが、おばけ作家のホフマンさん。
    妄想の天才です。
    この光文社古典新訳文庫)シリーズは、どれも読みやすくて、好きだ。

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    2010年01月05日
  • 黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ

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    さて、満を持して(?)、E.T.A.ホフマン、いきます!というわけで、この新訳を買ってみました。手持ちの岩波文庫の「黄金の壷」と「スキュデリー嬢」と、頁ごとにつきあわせて読みました(また、なんと酔狂なことを……)。常体と敬体の文を、同じ地の文で混在させるのはどうでしょう、けれどもそのあたりは、「訳者あとがき」に詳しく述べられています。そこにあるとおり、「ほんとうに、古いか新しいかという問題は一筋縄ではいかないもの」なのですね。私には、昔なじみのホフマンのほうが、ホフマンらしい、とも思われますけれど。もちろん、この新訳を殊更に批判したいわけじゃないんです。そしてまたこのシリーズ全体の意図に関して

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    2011年07月19日
  • ネコのムル君の人生観(下)

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    本著(下)はムルは子どもから大人になり、社会に揉まれ精神的に成長する姿が読み取れる作品である。猫視点で描かれているが、その様は人間社会のようで、現代の私たちにも充分響く内容である。
    物語の後半でより顕著になり、幼さや理想主義から現実の複雑性との折り合いをつける知恵が表現されるようになることから、成熟描写が「経験を通じた内面の深化」として変化しているといえるだろう。
    『ネコのムル君の人生観 (下)』で示される「成熟」の描写は、主人公ムルの若さ特有の軽率さや衝動から、経験と内面の成長を経て、自己理解と他者との関係性の深まりへと変化しています。下巻では、結婚や浮気相手との決闘、上流階級での体験といっ

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    2025年08月27日
  • ネコのムル君の人生観(上)

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    ネコのムル君の幼少期から青年期までを描く。ネコの視点から人間観察をし、社会を通じて学び、学習し、失敗し、行動する姿は人間と同じであるように精神的にも大きく成長していく。
    「自由でありながらも社会的規範を持ち、自分らしく生きようとすること」この言葉に尽きるのではないかと私は思う。

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    2025年08月23日
  • クルミわりとネズミの王さま

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    タイトルが有名過ぎて読んだ気になっていたお話の1つ。ちゃんと読むと結構思ってた話と違った。
    ロマンス要素があると思ってなかった!結末がどうなるかワクワクしながら読めた。

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    2025年05月08日
  • 黄金の壺

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    ドイツ・ロマン派の異才と呼ばれるホフマンによる初期の傑作。1814年の作品です。ホフマンの作品には怪奇幻想小説の要素があり、超現実的小説の要素もあって、後年前者はポーへ、後者はカフカへと連なっていく。そういった系譜にある作家だと解説にありました。

    1974年の翻訳です。文字の小ささはしょうがないとしても、訳自体はとても読みやすかった。簡便で端的な言葉づかいによって小説世界がわかりやすく展開していきます。

    怪奇幻想・超現実のシーンが、クライマックスのみならず序盤から繰り広げられます。なんといっても、主人公の大学生・アンゼルムスがはなから外を歩いているだけなのに、老婆がリンゴを路上販売している

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    2025年04月09日