【感想・ネタバレ】黄金の壺のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2013年02月18日

これまた名作でした!
とても詩的で情緒的、メルヘンなんだが、かなりグロテスクでもある。
そういう生々しくも詩的な世界、そこにある奇跡にあふれる自然というものを「信じる」者とそれを狂人とみる者。これは魯迅の狂人日記を思い出したんだが、自分の生活にも当て嵌めて考えられるだろうな。
うん。面白かった。

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Posted by ブクログ 2015年04月17日

ポー、カフカ、そして日本の作家への系譜
ドイツの作家ホフマンの1814年の作品。

とにかく不思議なお話で、とても詩的である。だいたい、ドレスデンの大学生アンゼルムスの恋の相手は緑の小蛇。でもおどろおどろしいような感じはなく、あくまでもおとぎ話風に幻想的である。人間が突然はげたかになって飛び去ったり...続きを読む、ドアのノブがおばあさんの顔になったりするような不思議なことが数多く起こる。また、パーティでかつらが飛び交うようなコミカルな場面や、火の精と悪魔の死闘の場面など、おもしろいエピソード満載である。

それでいて、作者がいつごろを想定して書いたかはわからないが、少なくとも1814年よりは前の、ドレスデンの街やエルベ川の風景、大学生や大学の先生やその家族の生活の様子、大学の教授の娘の考え方などが、リアルに生き生きと描かれている。

解説によると、ホフマンは、ドイツロマン派の流れと、怪奇・奇想文学の二つの系譜に属しているらしい。「彼の文学のロマン派的怪奇性はさらにポーへ、その超現実構成はカフカへと受け継がれ、現代に脈々と生きているのである。」(解説より)
もちろん、日本の作家にも影響を与えているだろう。

最後まで読むと、哲学的でもあり(特に最後の数行)、ページをめくるのが楽しい、新鮮な読書体験だった。

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Posted by ブクログ 2011年04月30日

魔法での戦闘、蛇に恋した青年、そしてアトランティスへ…なんでもありの世界。ホフマン大好きです。ホフマン短編集復刻希望。

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Posted by ブクログ 2011年07月19日

神品芳夫訳。ドイツロマン派の幻想と「匂うような叙情性とはるかなあこがれ」に満ちたこの作品、主人公アンゼルムス、あるいはこれを書いていた時期のホフマンに、わが身を重ねて読む人は、少なくないかもしれませんね。そう、ここに見られる叙情性と、そして俗世界と自分自身とを嗤うことのできる視点、それは一人の人の中...続きを読むに同時に必要なものではないでしょうか。訳者解説も見事です。

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Posted by ブクログ 2022年03月15日

華麗で幻想的な出来事が、複写を生業にする学生や、俗物的な教頭といった俗世一般の人間たちの生活の上に織りなされ、物語のまとまりと、美しい描写によって楽しい小品を作りあげている

ヴェロニカが可愛らしい
俗物的な欲求の虜になってしまう人間の弱さを見ると微笑ましなる。邪な手段に頼っても下心を成就させようと...続きを読むする姿を見ると愛らしいと思う
不思議なものだ。

しかし、この作品にあるような純朴な美しさというようなものは現代では書けないよな、と思う。書くとしたらたちまち詭弁くさくなってしまう気がする

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Posted by ブクログ 2014年05月01日

最初の章(第1夜話)は、なんとなく入り込めなかったが、その後はするすると本の世界に入り込み、さらさらと読み終わった。
今となっては、中世的なグロテスクさと最近の軽薄さが相まって、陳腐な内容な気がするが、この本も今書かれている幾多の本の源流の一つだったりするのかなと思うと、そのうちこの本を起点に遡って...続きを読むみたり、下ってみたりしたいなとか考えた。

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Posted by ブクログ 2010年10月16日

大学生のアンゼルムスが、蛇のゼルペンティーナに恋をして、精霊や悪魔の争いに巻き込まれていく。(何のこっちゃ)
登場するイメージはなかなか強烈で、怪奇的な趣味もちりばめられていて面白いが、話の筋がいささか単純だと思った。もうひと捻り、ややこしい話の展開があるほうが個人的には好みだが、ホフマン初期の作品...続きを読むだし、読みやすいので、ホフマン入門にはこれが最適だと思う。

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