浦雅春のレビュー一覧

  • かもめ

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    誰もが現状に満足せず、不満を持って生きている群像劇。
    自由に空を飛べるかもめを夢見ながら、あるいはそうであるはずなのに、撃ち落されて地面に落ちてしまうかもめ。理想と現実のギャップを埋められない。
    2年後、そんなかもめたちは飛ぶことができるようになったのか? 飛ぶことができたのは誰なのか? それを決めるのは周囲の評価でもないし、客観的な現状でもない。ただ自分が自分を生き方を評価するのみなのだ。不幸せに見える人間が幸せであり、幸せに見える人間が不幸せであるのだ。

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    2017年11月17日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    新国立劇場での舞台を観ての記録。
    演出はケラリーノ・サンドロヴィッチ

    ロシアの閉塞的な片田舎、これといった事件が起こるわけでもなく、終始どんよりとした気配が漂う。結局幸せになった人は誰もいないのか。
    段田安則の渋い演技、黒木華の輝きがよかった。宮沢りえは、チェーホフのようなオーソドックスな芝居より個性的な役のほうが合う。

    まったくの余談だが、先月舞台で観た池田成志を発見。新宿駅のホームで見かけ、もしやと思ったら、やはり同じ劇場へ。長期にわたる鳥ドクロが終わって一息、芝居巡りかな。
    がんてつさい最高でした、と伝えたかったけれど、心の中でつぶやいただけで我慢した~。

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    2017年09月19日
  • 鼻/外套/査察官

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    ゴーゴリというと名前だけは聞いたことがあるけれど
    全く読んだことがなかったロシアの文豪??
    ドストエフスキーはゴーゴリがいたから
    自分の小説が書けた、みたいなことを言っているくらいの
    すごい偉い人なんだろうなぁという印象だけはあった。
    で、今回初ゴーゴリだったわけですが
    ぶっ飛びました。
    なんだ、このバカバカしさは!!

    これは凄い。笑えます。
    今の作家でいうと町田康なんかは近いのかも。
    でもぶっ飛び具合のスケールが違う。

    「鼻」という短編なんかは
    朝起きたら虫になっていたというカフカどころではなくて
    鏡を見たら鼻がなくなっていて
    探しに町へ出たらその鼻が偉そうな格好で
    町で紳士然と闊歩しているという話ですからね、
    鼻が服着て歩いてるんですよ(笑)
    意味わかりません(笑)

    「外套」という短編も面白い。
    ストーリー的には小学生が作りそうなレベルなところが凄い。
    でも、なんか響くんですね。
    何の取り柄もなく新しい外套を買うことが
    何よりも楽しみになる、という小市民な男の話が。
    ロシアではドストエフスキーとかトルストイよりも
    ゴーゴリが人気がある、ということですが
    なんとなくわかる気がします。
    ついでに翻訳が落語みたいで読みやすいのも良いです。

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    2017年09月06日
  • 桜の園/プロポーズ/熊

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    チェーホフは、かわいい女に続き2作目なのだけれど、戯曲だったのでおっと思った。

    桜の庭は名作とされてるらしいのだけれど、そうなの?という感じ。劇用だからか、所々、キャラクターのセリフが無視をされ、次の人が関係ない話をいきなりする個所が見られ、そこがよく分からなかった。

    プロポーズは面白かった。
    隣り合う2家が土地を巡っていがみ合うのだが、実は娘に求婚しにきたとしると、娘は彼を呼び戻す。呼び戻したところで、やっぱり言い争いになる。それでも、最後にはなぜか婚約することになる。なぜなぜでいっぱいだが、人間ってそんなもんかも?と思わせる奇妙な説得力あり(笑)

    熊もプロポーズと似たバタバタ劇。

    かわいい女ほど、心には残らなかった。

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    2016年05月29日
  • 桜の園/プロポーズ/熊

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    読書会の課題本。「桜の園」は神西訳に親しんできたが、他の2本は初めて読んだ。ところどころ出てくる、古臭い駄洒落が少し気になったが、まあまあ楽しく読めた。

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    2016年05月21日
  • 馬のような名字 チェーホフ傑作選

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    チェーホフの印象が変わった。とは言ってみたものの、そもそも読んだことあったっけ?桜の園とかワーニャおじさんとかが有名な作家さんやけど、読んでないかも知れない。それでも印象変わったのは確か。短編集だからなんかな。

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    2015年08月30日
  • 桜の園/プロポーズ/熊

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    人間ってかなしいのに、おかしい。

    「プロポーズ」は、普遍的にある話。はいはい、って言いたい。
    「桜の園」は、ところどころなんか変な人がいて、でも、まあ人間ってこんな感じかな、と思わせる。ちょっと変な人って、わりとどこにでもいるよね。
    「熊」も、どちらもめんどくさい人だった。こういうの、いろんなキャストで見てみたいなと思わされた。

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    2013年08月06日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    「女三人のシベリア鉄道」にチェーホフの話が出てきたので急に読みたくなったのだけど、やっぱりわたしは戯曲って苦手みたいだ。戯曲はセリフを言うように読み、行間を読まなくては、と思うんだけど、どうしても普段の癖でストーリーを追うようにざざーっと雑に読んでしまって。
    だから、単に、背景がよくわからず、登場人物の対話はかみ合わず、なんかわけわかんないなー、という。
    解説を読んで少しわかった。
    人生に意味はないけど生きなくてはー(大雑把すぎ)、みたいなチェーホフの非情さには共感したりするのだけれど。
    この年になると、もう人生やり直せないし、未来はむなしくても生きるしかない、っていうワーニャ伯父さんの気持ちもよくわかるのだけれど。
    それにしても、フツーに読むと、みんな勝手にぐだぐだめそめそ不満を言いすぎだ(笑)。

    関係ないけど、
    チェーホフの思い出。
    ・小学校高学年のころ、三人姉妹とか桜の園っていうかわいらしげな題名にまどわされて読んでみたら、まーーーったく意味わからなかった。でも、図書の先生だかなんだかに、もうこんな大人っぽいものを読むのね、とか言われて困った。
    ・25年くらいも前、芝居をさんざん見ていたころ、青山円形劇場で日本人の小劇場の俳優さんたちが出ていた(と思う)チェーホフのなにかを見て、すごくおもしろかった。

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    2012年07月18日
  • かもめ

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     偏食気味で良くないのですが、そもそも文学系の本を読むことは少ないですね。特に戯曲は、シェークスピアを除いてほとんど読んだことがありません。
     ということで、恥ずかしながらチェーホフははじめてです。この「かもめ」、後の「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」とともに四大戯曲と呼ばれたチェーホフの代表作のひとつです。
     終幕近くトレープレフとニーナの台詞の交換、ニーナは「私は、かもめ・・・」と何度もつぶやくのです。ニーナは忍耐に目覚め、トレープレフは絶望の淵へ。再び多くの人物が登場して一気に結末のシーンへと向かいます。

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    2012年03月31日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    『三人姉妹』のイリーナが、イタリア語で窓とか天井をなんていうのか思い出せない、人生は過ぎ去っていって二度と戻ってこないと嘆くところがやたら印象的で、あまりに気に入ってつい原文まで調べてしまった。『ワーニャ伯父さん』も、ワーニャが過去しなかったことについて悔やむシーンを、かなり強烈に思い出せる。どうにもならない現状と過去への後悔がひたすら目に付いて、今ですら気持ちは分かるんだけど、20年後こんなふうに閉塞感と悔恨を抱えて生きてたくはないなって思った。

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    2011年10月30日
  • 鼻/外套/査察官

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    ネタバレ

    正直、まったく意味がわからなかった。
    このテンションの高さ、ついていけません…。
    ロシア文学って、あんまり読んだことないけど、「!」とか罵倒の言葉が多いイメージが。
    熱いんですよね。
    こういう喜劇的?な、ユーモアたっぷり的な作品って、苦手です…。
    笑えないし、楽しめないし、疲れちゃう。

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    2011年07月04日
  • 鼻/外套/査察官

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    摩訶不思議なできごとが起こるのですが、節々に風刺的なものをかんじるので、なんだかちぐはぐしています。でもその奇妙さや、まるで読者を嘲るかのような奇抜な展開や突飛な終わりかたがこの小説の癖になるところだとおもいました。『査察官』は展開は読めてしまうものの、すべてを知ったうえで登場人物たちの微妙に噛み合わないやりとりを読むのはおもしろかったです。落語調の訳というのが新鮮でしたが、違和感なく素直に楽しめました。

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    2011年07月02日
  • 鼻/外套/査察官

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    これが19世紀の写実文学とすると、2世紀経った今も世界は変わらないな~と率直に感じた。翻訳を落語的に試みたところが良かったんだと思う。「査察官」については現代の私たちにっては、若干物足りなく展開はある程度読めてしまうが、当時は非常に斬新で、また物議を醸したのだろうと思う。外套は人間味が良かったが、最後の幽霊の展開は予想できなかった。

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    2011年06月07日
  • 鼻/外套/査察官

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    課題で読みました。まずは落語調の訳にびっくりしたけど、いやな感じではなかった。どれも素直なコメディではなく、見栄や惨めさが巧妙に組み合わさった滑稽なお話。

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    2011年07月15日
  • かもめ

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    噛みあわない言葉をかわす人びとの、滑稽でかなしい群像劇。
    劇中に散りばめられた恋する者と恋い慕われる者同士でさえ、なにひとつ分かりあえない。求めるものを追えば追うほど、それは遠のいていく。たとえば「夢」。たとえば「愛」。
    そんな子供っぽいたあいのない幻に裏切られたら、あとはただやり過ごすだけの日常を生きるか、あるいは
    死ぬか。

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    2009年10月04日