【感想・ネタバレ】鼻/外套/査察官のレビュー

あらすじ

自分の鼻が一人歩きをして物議をかもす「鼻」。貧しい官吏が思い切って新調した外套を奪われ幽霊となって徘徊する「外套」。戯曲「査察官」では、ある地方都市にお忍びの査察官がくるという噂が広まり、市長をはじめ小役人たちがあわてふためく――増殖する妄想と虚言の世界を新しい感覚で訳出し、従来の深刻、生真面目な作家像を完全払拭。代表作3篇を収録した、これぞゴーゴリの真骨頂。

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『鼻』、何度読んでも意味がわからない。不条理で不気味、得体の知れなさ故に人はやれ何かの皮肉だ風刺だと意味を付けをしようと奮闘するのだろうなと思うと面白い。

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2024年07月04日

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楽語調で訳されたゴーゴリの代表作3作品。
意見・好みは分かれるだろうけれど、ゴーゴリの入り口としてはとても面白い選択肢になると思う。
とはいえ、この本の中で最も興味深いのは巻末の解説かもしれない。
ゴーゴリに対する容赦のなさがあまりにも痛快。
どの物語も「滅茶苦茶」な展開が面白い一方、どこか平面的な、マネキンを動かしているような、無機質さのようなものを感じた。
確かに「彼は外形的フォルムを描く天才的な画家」であり、「外形を描き出すことしかなしえなかった」のだろう。

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2023年05月16日

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昔、岩波文庫で読んだのですが、あの時は「ダメだ、こりゃ」と思ったのです。だが、今回、新訳で読むと「まったく違う」。不思議だなぁと思った。生き生きしている。テンポがいい。査察官は、とくに笑えた。古典文学で、ここまで笑えたのは初めてだと思う。というのも落語風に翻訳していて、リズムがよく少し軽い感じで話しが展開していくので、古典という違和感を感じることなく読めたのが良かったのかもしれない。おもしろいですよ。コメディであり風刺なのかな。でも、当時のロシアがよくわかんないから、何となく風刺しているという風?。

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2020年01月11日

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新訳版ではべらんめえ口調となっているようです。
これ岩波版と対比で読んでみたいなぁ。
どう違う印象を受けるのでしょうね。

3つの作品どれもが好きです。
2つはまあありえないよ的な
非日常物語。
何せ最初の作品は鼻ディサピアードですので。
しかも移動しよるから恐ろしい。

でも、一番の傑作は
滑稽さ前回の「査察官」
悪いことしなければごまかしの連続なんかに
ならなかったのにね。
最後のあの場面は「頭にこびりつく」ことでしょう。

賛否両論あるでしょうが
この口調もわるかない。

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2013年08月19日

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2月にバーゲンで、定価の1/3で外套を購入。
ロシアで着ても大丈夫な位暖かいですが、でーじ重い。
1.5kgもあります。

この外套に身に包んだ瞬間、何故か、ゴーゴリの『外套』を読みたくなりました。

この作品は、悲喜劇なんですが、プロレタリア兼人望の無い、しがない安サラリーマンには、身につまされて笑えませんでした。
昨日も、永年勤続で賞金を貰いましたが、お偉いさんから、会社に返せとかチクチク嫌がらせを受けたし。。。

これって、パワハラじゃないかと憤りながらも、しっかり返しませんでした。
そこで一句、やせ蛙、負けるなまるま(○ま=一色の碧い彗星の略称)、ここにあり。パクリ。

感動したっ!以上!!(毎度お馴染み、小泉元総理のパクリ)

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2011年04月06日

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ロシアが産んだ新感覚な笑いのエンターテイナー作家、ニコライ・ワシーリエヴィッチ・ゴーゴリの代表作3本を落語調で翻訳。

やっぱり「鼻」は何度読んでも訳が分からない。でも、クセになるおもしろさ。巻末解説の「4次元的創造力」という言葉に納得。「鼻」のあまりのシュールさに慣れてしまうと、続く「外套」、「査察官」の世界観が当たり前すぎて、物足りなくなる。

よって、ゴーゴリ初体験の方は「鼻」を後回しにして読むべし。

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2011年01月07日

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想像以上におもしろかった。古典だが全然古さを感じない。こんな奇抜な設定のコミカルな話だなんて・・。
岩波文庫と迷い、「鼻」の出だしを読み比べたがどちらも読みやすいと思えた。この文庫を選んだのは3編収録だったから。

ところが、訳者解説に「「落語調」で訳した」、あとがきに「むこうみずとも思える落語調ゴーゴリを快諾いただいた・・・」と書いてあった。もし落語調でない原作を落語調に訳したものなら、出版社は購入者にわかるように裏表紙等に明記すべき。裏表紙の「新しい感覚で訳出した」という表現は曖昧過ぎる。

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2025年07月07日

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▼ゴーゴリさんというのも、「いつか読んでみよう」と思っているうちに、「あれ?読んだのでは?」という気になってしまったいましたが、読んだことはありませんでした(笑)。

▼19世紀のかなり前半の人であり作であるはずなので、つまりはトルストイとかドストエフスキーの「ひとつ前の時代」。そう考えると、18世紀という間に、「産業革命」「資本主義」「ブルジョワジー」「都市」「現金貨幣経済」みたいなものがモスクワまで行きわたっていたんだな、という感慨。そういうものがないと、「ブルジョワジー向けの物語商品」というのは生まれないので。

▼「鼻」は、自分の「鼻」が独立した人格として活動をはじめてしまうというスラップスティックかつ不条理ファンタジーな風刺的一篇。 「外套」 は立派な外套を調達すること、に、自分の社会の構成員としてのメンツやプライドがすべてかかってしまった小役人?の悲喜こもごものドタバタコメディ。
 いずれも「形式的な同調圧力社会」 と 「お金に支配される人生」が交錯して生まれる物語。
 という主題性をおいておいても、かなり面白いし、訳も(恐らく)面白く読ませることに割り切った感じで好きでした。

▼「査察官」は、要は偽物役人が田舎で好き放題をする。田舎のひとたちは中央の役人にへつらってなんぼなのでだまされる。これは戯曲でした。確か手塚治虫の七色いんこで取り上げられていたような。今の自分が楽しんだかと言われると、やや口説かったかなあ。

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2025年06月01日

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 光文社古典新訳文庫のこちらには、浦雅春さんによって落語調で翻訳されたゴーゴリの三作品が収録されている。ゴーゴリはおろかロシア文学のロの字も知らない私だが、落語調、というのが気になって手に取った。
 『鼻』がいきなりすごく面白い。ある朝床屋が焼きたてのパンを食べようと半分に切ったら、そこになんとお得意さんのお役人の鼻が入っている(のっけから、不気味とか不穏とかを通り越し、あらゆるルールを無視した世界であることが提示され、むしろ安心して読んでいける)。おかみさんに捨ててこいとどなられて捨てに行く。当のお役人の方も、起きたら鼻がないことに気づいてたまげている。町に出ると、馬車から自分より身分の高い役人の制服を着た紳士が降りてくるのだが、それがなんと自分の鼻。勇気を出してへりくだってお声掛けするも「私はあなたのことなんて知りませんが」などと鼻であしらわれる始末(鼻だけに)。どうしよう…というような素っ頓狂な話が、江戸落語調で、語られる(「ってやんでい!」という台詞もあったから江戸で合ってると思う)。私自身は落語に明るいわけではないが、夫が落語好きで、家や車でよく落語の音源をかけている。いろいろ聞くが、圧倒的に古今亭志ん朝が多く、私もかなり耳馴染みになっている。だからこういった江戸落語調の文章を読むと完全に志ん朝さんの声で再生される。好きな落語家さんのおられる方はぜひこの作品を読んでいただきたい。一席聞けた気分になれてお得ですよ。この話の終わり方も、そこは落語とは違ってちょっと考えさせるような、いや考えても結局なんにもならないような、絶妙な語りで締められており、この文庫六十頁の短編一作を読んだだけで、爆風に晒されたような心地。
 『外套』は鼻に比べたらずっとずっとセンチメンタルで、相変わらず落語調ではあるが、ゲラゲラ笑うような噺ではなく、人情噺や怪談噺のような風情。哀切に満ちたバイオリンの伴奏をバックに白黒無声映画を見ているような感覚もあった。ゴーゴリの力なのか浦雅春さんの力なのかわからないが、なにかこちらの演出ごころを刺激してくるところがある。
 『査察官』、これは五幕の喜劇の戯曲。三作の中では最も分量も多いのだが、筋はシンプルな勘違いモノ。各人物の本音と建前のギャップや、長台詞で滔々と語られどんどん壮大になっていく虚言、そして最後の場面の演出効果(冒頭で作者から俳優諸氏への注意としてコメントが添えられている)が見どころ。機会があれば一度舞台で見てみたい!
 おかしな感想かもしれないが、三作全体を通してのむちゃくちゃさ、揺さぶられ感、饒舌ぶりといった感覚が、最近読んだものだと井上ひさしの『吉里吉里人』を読んだときと似ていた。
 浦雅春さんによる解説、あとがきも興味深く、といっても解説の内容をきちんと理解するには色々と基礎知識が足りていないとは感じたが、ウクライナ。ロシアだロシア文学だと思っていたが、ゴーゴリはウクライナ生まれの作家だった。

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2023年02月04日

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一年位前に読んだ「死せる魂」は
つかみどころなく不完全燃焼のままだった。
その後、自分が興味を持った作家がファボっていたり、他者を説明する喩えに使用されていたり、何だかんだと名前は目にしていた。


今回のタイトルも全部漢字だよ。孤高の、寄せ付けない、雪降ってる感じ、出てるう。


これがアータ、とっても愉快で楽しかった。

訳がいい。床屋さんがパン食べようとしたら鼻が出てきて驚くんですが「鼻ッ!やっぱり鼻ッ。どうしたって鼻ッ!」「査察官」の市長の奥さん「あたしはあとじゃいやなんですゥ」小文字に悶えた。

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2018年07月13日

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「なんだよう、これ・・・・面白いじゃんかよう・・・。」と呟きながら読んだ『鼻』。なんかこういう夢見たことある気がしてくる支離滅裂っぷり。『外套』は、あぁきっとこの後酷い目に遭うんだろうなぁって思ってたらほんとにその通りになってしまい「あぁぁぁ( ;∀;)」と声が出た(笑)そこから先のもうひと押しが良いね。『査察官』は、前2作の方が好きだな、と思ってたけど、終盤にかけてシニカルな笑いが止まらなかった。解説でゴーゴリめっちゃ悪口書かれてて笑ってしまったが、おバカな天才だったんだろうか。他の作品も読みたい。

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2016年08月21日

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「鼻」「外套」と戯曲「査察官」の三編入り。
ゴーゴリ初めて読んだんだけど、声に出して笑ってしまう。ザ・ロシアのユーモアという感じ。
「鼻」は飛びきり明るいダリといった感じの映像が思い浮かぶ。ロシアの文学って極端だよなぁ。

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2015年03月15日

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恥ずかしながら名前は知っているがいつの時代の人も分かっていない。ただポップで、ドフトエフスキーが「我々は皆ゴーゴリの『外套』から生まれ出でたのだ」が気になったのと、『鼻』がどんな話なのか異常に気になったので、がちがちの訳の岩波文庫でなく、なんとなくライトな訳本のイメージのある光文社版を購入して読んでみた。
一言で言えばなんとも不思議な世界。決してすごくこった話でもないし、派手でもない。それなのになんだろうこの読後感。『鼻』にいたっては何ともいえず笑えてくる。しかも結末としてなんともすっきりしない。パンの中から出てきた鼻が服着て歩いて違和感がない。くすくす笑えるのになんだかぞっとするそんな作品だった。
『外套』に関しても、主人公の何とも言えない感情の浮き沈み、最後は幽霊と化すあたりまで含めてなんだかすごい。深くは理解できないが、圧倒的な存在感を感じる。
『査察官』はどたばた勘違い劇で、特別上手なトリックがある訳でもないのにおもしろい。単純で面白いのか。きっと本人たちの真剣さが笑えるのだ。そしてこれは最後の場面がといかく秀逸。なんとも言えない間と静かさに笑いがこみあげてくる。言い方が的確かどうか分からないが、ちびまる子ちゃんの「がーん」という場面を想像してします。
肩をはらず楽しい読書ができた。次はプーチキンを読んで、いよいよドフトエフスキーかトルストイだな。

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2014年07月19日

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『鼻』を新作落語にできないだろうか、などと考えながら読んだ。落語調に訳すという試みは、自分は面白いと思った。でも、あくまでも「調」なのであって、本寸法の落語ではない。だからこれを元にして、プロの落語家や落語評論家が手直しすれば、新作落語に「改作」できるのではなかろうか。それを白鳥師匠が演じたら…などと、妄想が尽きなかった。

いわゆる「古典」だからといって、肩肘張って読まなくてもよい。このことに気づけたのは大きな収穫だった。

作品自体のレビューも忘れずに書きたい。喜劇『査察官』も面白かった。皮肉の利いた言い回しとドタバタっぷりが、面白い。そして、幕切れの前衛的な雰囲気に息を呑んだ。このシーンだけでも必見です。

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2012年10月15日

Posted by ブクログ

岩波文庫『外套・鼻』を積読状態にしていた折に、
古典新訳文庫で新訳が出てたので買ってみたら、
ゴーゴリが落語調に面白く訳されていたので、
すぐに読み終わってしまった。
落語の語り口がゴーゴリと相性がよく、
無理のない自然な訳文になっていて、非常に読みやすかった。
こういう面白い翻訳の試みは積極的にやってほしいと思うけど、
同じく古典新訳文庫の『歎異抄』の関西弁の方は失敗だと思います。

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2010年09月23日

Posted by ブクログ

訳者の訳がおもしろい。
ロシアの文化、地理、歴史について浅学のため
理解に苦しむ箇所も多々あったけど、
こう、風刺的でかつユーモアがあり短編なので結構好きなタイプでした。

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2010年09月22日

Posted by ブクログ

鼻、外套の二作品は、落語調。
落語には興味はないが、読みやすかった。

査察官は、滑稽だ。
騙される方も面白いが、騙す方もバカバカしい。
お前はバカなのかとツッコミたくなる。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

「鼻」が読みたくて手に取った作品。
ひとつの体のパーツに過ぎない鼻が自我を持ち、
まるで一人の人間のように振舞っている様子がシュールすぎて強烈に印象に残る。
特に祈りの場面は最高にシュール。

鼻とは何を象徴しているのだろうか。
権力、プライド、憧れ、美意識、世間体・・・?

日本の「鼻」(芥川)はコンプレックスを描いたが
どちらも「他人からの目」というものが共通して重要なキーワードと
なっているのだろう。
自身にとっての「鼻」とは何を象徴するものだろうか?
考えてみたくなる。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

鼻→ある朝、起きたら鼻がなかった…から始まる奇妙なお話。何かの皮肉なのかもしれないが、それが何かわからないので、ただ単に奇妙なお話。

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2023年12月27日

Posted by ブクログ

ところどころでちょっとクスリとくる感じ。鼻ッなどとあるので何だかラノベみたいだなぁと思った。あえて落語調にしているらしい。鼻ははとにかく不条理でカフカの変身を何となく思い出した。外套は主人公が愛おしくなる。下級官吏は今で言う何に相当するのかいまいちつかめず。ロシア文学はあまり経験がないが、名前が長いところにはロシアっぽさを感じた。

一般にあまり馴染みがないのもあってか解説が充実。『死せる魂』もいつか読んでみたい。

査察官だけ未読

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2023年06月18日

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・『鼻』、場面が奇妙すぎて、ちょいちょい誤読してるのかと思った。「鼻が制服を着て歩いてる」って言われましても。想像力が追いつけないよ。
・『鼻』の締め方良すぎる。この話と同じくらいわけのわからんこと、現実でもたしかに起こるわ。
・『外套』、まじめな小心者が舞い上がった直後に落とされるの辛い。終盤の怪奇小説パートでなんだか救われた。世間を見返してやれてよかったね。
・『査察官』、フレスタコフのしょうもないクズっぷりが清々しくて好き。登場人物がみんな親近感の湧くクズ。慌てふためくクズを遠目に観察する感じのブラックコメディ。
・落語調の訳の主張が強すぎたな...。

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2023年01月03日

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この新訳は落語調になっているときいたのでどうなんだろうと多少心配しながら読んだが、話となかなかあっていて読みやすく面白かった。
別の訳で読んだことがある人はどうおもうかはわからないけど…私はこれがはじめてだったので違和感は感じなかった。

『鼻』は、ある日鼻が顔からなくなっていてその鼻が服を着てそのへんを歩き回っており…という話でシュール。
これは落語調じゃなければ余計意味わからん…って思いそうな話ではあった。

『外套』は、貧しい役人が頑張って新しい外套を手に入れるものの…という話。
これは語り口のおかげで笑える場面も多かったが、基本的にはロシアの下層民の憐れさ、それでも生きているし尊重すべきであるというのがえがかれているのかなとおもった。
そういうところがドストエフスキーにも影響を与えたのかな、と。
一番面白かった。

『査察官』は、ドタバタ勘違いコメディな戯曲。
査察官でもなんでもない男を査察官だと勘違いした村の人々は…という話。
想像してたのはもっと暗い話だったのでこんなギャグみたいな話だったのかとびっくり。
いままでは検察官と訳されてたらしいけど査察官のほうがあってるらしい?
たしかに読んでみるとこれは検察官ではないよな、とおもった。

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2021年09月10日

Posted by ブクログ

落語調で訳されているせいか、3作品とも日本の落語にありそうな内容に感じた。また、『査察官』に出てくる市長の、ハイテンションで一方的に撒き散らしながら話す様子は、ドストエフスキーの小説に出てくる登場人物を想起させる。ドストエフスキーとゴーゴリの作品しかロシア文学を読んだことがないが、もしかしてロシア文学に出てくる登場人物の共通点は、上記に挙げた特徴なのか?と思ってしまった。

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2019年06月02日

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ゴーゴリというと名前だけは聞いたことがあるけれど
全く読んだことがなかったロシアの文豪??
ドストエフスキーはゴーゴリがいたから
自分の小説が書けた、みたいなことを言っているくらいの
すごい偉い人なんだろうなぁという印象だけはあった。
で、今回初ゴーゴリだったわけですが
ぶっ飛びました。
なんだ、このバカバカしさは!!

これは凄い。笑えます。
今の作家でいうと町田康なんかは近いのかも。
でもぶっ飛び具合のスケールが違う。

「鼻」という短編なんかは
朝起きたら虫になっていたというカフカどころではなくて
鏡を見たら鼻がなくなっていて
探しに町へ出たらその鼻が偉そうな格好で
町で紳士然と闊歩しているという話ですからね、
鼻が服着て歩いてるんですよ(笑)
意味わかりません(笑)

「外套」という短編も面白い。
ストーリー的には小学生が作りそうなレベルなところが凄い。
でも、なんか響くんですね。
何の取り柄もなく新しい外套を買うことが
何よりも楽しみになる、という小市民な男の話が。
ロシアではドストエフスキーとかトルストイよりも
ゴーゴリが人気がある、ということですが
なんとなくわかる気がします。
ついでに翻訳が落語みたいで読みやすいのも良いです。

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2017年09月06日

Posted by ブクログ

えーっと。岩波版の方を読んでいないので良くわからないのだけど、私はこの落語調の翻訳が原典の魅力を損なっているように感じてならない。鼻がひとりでに歩き出すというおかしみをもうちょっと硬派な文体で読みたかったかも。岩波の方も読んでみようと思う。「査察官」は落語調の翻訳がピタッとはまってこの中で一番楽しく読めた。主人公がゴーゴリの投影なのか。ゴーゴリという人物に興味がわいてきた。この翻訳は賛否が分かれそうな感じがする。2012/082

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2013年11月13日

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ネタバレ

正直、まったく意味がわからなかった。
このテンションの高さ、ついていけません…。
ロシア文学って、あんまり読んだことないけど、「!」とか罵倒の言葉が多いイメージが。
熱いんですよね。
こういう喜劇的?な、ユーモアたっぷり的な作品って、苦手です…。
笑えないし、楽しめないし、疲れちゃう。

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2011年07月04日

Posted by ブクログ

摩訶不思議なできごとが起こるのですが、節々に風刺的なものをかんじるので、なんだかちぐはぐしています。でもその奇妙さや、まるで読者を嘲るかのような奇抜な展開や突飛な終わりかたがこの小説の癖になるところだとおもいました。『査察官』は展開は読めてしまうものの、すべてを知ったうえで登場人物たちの微妙に噛み合わないやりとりを読むのはおもしろかったです。落語調の訳というのが新鮮でしたが、違和感なく素直に楽しめました。

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2011年07月02日

Posted by ブクログ

これが19世紀の写実文学とすると、2世紀経った今も世界は変わらないな~と率直に感じた。翻訳を落語的に試みたところが良かったんだと思う。「査察官」については現代の私たちにっては、若干物足りなく展開はある程度読めてしまうが、当時は非常に斬新で、また物議を醸したのだろうと思う。外套は人間味が良かったが、最後の幽霊の展開は予想できなかった。

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2011年06月07日

Posted by ブクログ

課題で読みました。まずは落語調の訳にびっくりしたけど、いやな感じではなかった。どれも素直なコメディではなく、見栄や惨めさが巧妙に組み合わさった滑稽なお話。

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2011年07月15日

Posted by ブクログ

ジュンパ・ラヒリの『その名にちなんで』を読んで
ゴーゴリが気になったので読んでみる。
新訳だということで入り込めるかどうか心配ではあったが、おもしろい。

鼻は子どもに読み聞かせて一緒に笑いたいし、
外套は日本人に馴染み深い恨みつらみで化けて出る。
査察官のどたばたはなんとも滑稽。

れもどこかで出会ったことがあるようで
それでいて奇抜な話。
訳者の遊び心に引きずられながら、
ずんずん読める。
ロシア文学を敬遠している人はゴーゴリから入ってみるのもいいかもしれない。
ロシア文学をますます好きになるか、
あるいはその反対か。
道は2つに1つ。

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2010年01月08日

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