浦雅春のレビュー一覧

  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    映画『ドライブ・マイ・カー』を見て気になったので読んだ。長い劇の一部分を抜き出して映画に使用したと思っていたが、映画で使われた部分がほぼすべてで、本当に短い劇なんだなと感じた。

    ロシアに住まうことの絶望を語るシーンはロシア文学に通底する感情なのかなと感じた。

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    2025年06月28日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    三人姉妹
    労働する生活のつまらなさ、そうするしかない諦め。愛や理想だけでは生きていけない、見て見ぬふりをして生きていかなければどうしようもないことがたくさんある。人生とは辛く虚しいものだ。

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    2024年08月30日
  • 鼻/外套/査察官

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    『鼻』、何度読んでも意味がわからない。不条理で不気味、得体の知れなさ故に人はやれ何かの皮肉だ風刺だと意味を付けをしようと奮闘するのだろうなと思うと面白い。

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    2024年07月04日
  • ヴェーロチカ/六号室~チェーホフ傑作選~

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    ロシア文学の巨匠チェーホフの短編集。表題作「ヴェーロチカ」は世話になった場所を去る時に少女から「好きなんです、あなたが!」と告白される話。ところがこの主人公の青年は煩悶し告白を袖にします。この展開が読めば読むほど奇妙で、しかし分かるようで、読み返すたびに色々な読み方ができそうです。

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    2023年07月07日
  • 鼻/外套/査察官

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    楽語調で訳されたゴーゴリの代表作3作品。
    意見・好みは分かれるだろうけれど、ゴーゴリの入り口としてはとても面白い選択肢になると思う。
    とはいえ、この本の中で最も興味深いのは巻末の解説かもしれない。
    ゴーゴリに対する容赦のなさがあまりにも痛快。
    どの物語も「滅茶苦茶」な展開が面白い一方、どこか平面的な、マネキンを動かしているような、無機質さのようなものを感じた。
    確かに「彼は外形的フォルムを描く天才的な画家」であり、「外形を描き出すことしかなしえなかった」のだろう。

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    2023年05月16日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    4幕の劇である。ワーニャが仕えてきた教授をピストルで撃つ場面がクライマックスである。しかしけがはしない、ということであとはそのまま進行する。

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    2022年10月22日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    ワーニャ伯父さ/20221021

    老いの苦しみ
    時代の変遷、諸行無常による空虚感
    それでも、なお。

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    2022年10月21日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    私もワーニャとほぼ同じ四十六歳になった。この戯曲は、死ぬことが出来ず、それでも生きていかなくてはならない、中年の嘆きを取り上げた戯曲であり、中心人物のいない複数視点の同時立脚的なポリフォニー的な物語である。

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    2022年06月03日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    チェーホフは36歳で「ワーニャ伯父さん」を書き、40歳で「三人姉妹」を書き、そして44歳で亡くなった。何という老成だろう。「ワーニャ伯父さん」では自分の人生が絶望だったと知る。「三人姉妹」では夢が次々と押しつぶされていく。人生とはそもそも絶望なのだ、その冷徹な現実を淡々と描きだす。それでも人生を生きていくしかない。酸いも甘いも経験した、大人のドラマ。

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    2022年03月10日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    解説と訳者あとがきが素晴らしい。チェーホフ初心者に、その味わい方を丁寧に教えてくれる。再読したときの味わいが全く変わった。
    チェーホフ、良い。

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    2022年03月06日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    チェーホフの登場人物は、私が口にするのを躊躇い胸に閉じ込めている本音を、どうしてこうすんなりと口にしてしまうのか。現実に翻弄されて、自分がしがみついてきた美しい幻想を壊されても、生きていかねばならない人々の姿。終わりが来ることを救いにすれば、目の前の幸せを味わえるようになるのだろうか。

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    2021年12月31日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    ペシミスティックな美学?

    何かありそうで、結局何もなく、
    誰も幸せにならない。
    庶民の暮らしと悩み。
    中年ワーニャの文学には、死も許されず、
    未来は暗くそのまま続く。

    チェーホフなりのユーモアは、
    その『間』において、俳優により表現されそう。

    エレーナにはなかなか惹かれない。

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    2021年09月30日
  • 桜の園/プロポーズ/熊

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    はじめてのアントン.チェーホフ
    キンドル アンリミテッドで
    戯曲はじめて読みましたが140年以上も前の
    ボードビル一幕物「プロポーズ/熊」には抱腹絶倒。
    チェーホフ最期の作品4幕物「桜の園」は喜劇の中に哀愁漂う深いお話でした。桜はサクランボのことのようです。いろんな戯曲読んでみたいかも

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    2021年02月20日
  • 鼻/外套/査察官

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    昔、岩波文庫で読んだのですが、あの時は「ダメだ、こりゃ」と思ったのです。だが、今回、新訳で読むと「まったく違う」。不思議だなぁと思った。生き生きしている。テンポがいい。査察官は、とくに笑えた。古典文学で、ここまで笑えたのは初めてだと思う。というのも落語風に翻訳していて、リズムがよく少し軽い感じで話しが展開していくので、古典という違和感を感じることなく読めたのが良かったのかもしれない。おもしろいですよ。コメディであり風刺なのかな。でも、当時のロシアがよくわかんないから、何となく風刺しているという風?。

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    2020年01月11日
  • かもめ

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    久しぶりの再読。チェーホフの四大戯曲の中では最も完成度が低く、あちこちデコボコしたような印象を覚える作品だが、四作品の中で唯一「青春もの」と呼べる内容であり、チェーホフらしからぬ若々しさに溢れている。後の作品、とりわけ『三人姉妹』の萌芽が随所に見える点も興味深い。この作品でうまく表現しきれなかったモチーフを熟成させて、『三人姉妹』で用いたのだろうか。
    繰り返し読むことで、物語の構造やモチーフの反復など、作劇の技術がよく分かってくる。だが、そこには多くの謎も秘められている。たとえば全ての幕で冒頭にマーシャが出てくるのは面白い趣向だが、何故マーシャでなくてはならないのか?と考えても、答えはよく分か

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    2015年05月16日
  • 鼻/外套/査察官

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    新訳版ではべらんめえ口調となっているようです。
    これ岩波版と対比で読んでみたいなぁ。
    どう違う印象を受けるのでしょうね。

    3つの作品どれもが好きです。
    2つはまあありえないよ的な
    非日常物語。
    何せ最初の作品は鼻ディサピアードですので。
    しかも移動しよるから恐ろしい。

    でも、一番の傑作は
    滑稽さ前回の「査察官」
    悪いことしなければごまかしの連続なんかに
    ならなかったのにね。
    最後のあの場面は「頭にこびりつく」ことでしょう。

    賛否両論あるでしょうが
    この口調もわるかない。

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    2013年08月19日
  • 鼻/外套/査察官

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    2月にバーゲンで、定価の1/3で外套を購入。
    ロシアで着ても大丈夫な位暖かいですが、でーじ重い。
    1.5kgもあります。

    この外套に身に包んだ瞬間、何故か、ゴーゴリの『外套』を読みたくなりました。

    この作品は、悲喜劇なんですが、プロレタリア兼人望の無い、しがない安サラリーマンには、身につまされて笑えませんでした。
    昨日も、永年勤続で賞金を貰いましたが、お偉いさんから、会社に返せとかチクチク嫌がらせを受けたし。。。

    これって、パワハラじゃないかと憤りながらも、しっかり返しませんでした。
    そこで一句、やせ蛙、負けるなまるま(○ま=一色の碧い彗星の略称)、ここにあり。パクリ。

    感動したっ!以

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    2011年04月06日
  • 鼻/外套/査察官

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    ロシアが産んだ新感覚な笑いのエンターテイナー作家、ニコライ・ワシーリエヴィッチ・ゴーゴリの代表作3本を落語調で翻訳。

    やっぱり「鼻」は何度読んでも訳が分からない。でも、クセになるおもしろさ。巻末解説の「4次元的創造力」という言葉に納得。「鼻」のあまりのシュールさに慣れてしまうと、続く「外套」、「査察官」の世界観が当たり前すぎて、物足りなくなる。

    よって、ゴーゴリ初体験の方は「鼻」を後回しにして読むべし。

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    2011年01月07日
  • 鼻/外套/査察官

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    想像以上におもしろかった。古典だが全然古さを感じない。こんな奇抜な設定のコミカルな話だなんて・・。
    岩波文庫と迷い、「鼻」の出だしを読み比べたがどちらも読みやすいと思えた。この文庫を選んだのは3編収録だったから。

    ところが、訳者解説に「「落語調」で訳した」、あとがきに「むこうみずとも思える落語調ゴーゴリを快諾いただいた・・・」と書いてあった。もし落語調でない原作を落語調に訳したものなら、出版社は購入者にわかるように裏表紙等に明記すべき。裏表紙の「新しい感覚で訳出した」という表現は曖昧過ぎる。

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    2025年07月07日
  • 鼻/外套/査察官

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    ▼ゴーゴリさんというのも、「いつか読んでみよう」と思っているうちに、「あれ?読んだのでは?」という気になってしまったいましたが、読んだことはありませんでした(笑)。

    ▼19世紀のかなり前半の人であり作であるはずなので、つまりはトルストイとかドストエフスキーの「ひとつ前の時代」。そう考えると、18世紀という間に、「産業革命」「資本主義」「ブルジョワジー」「都市」「現金貨幣経済」みたいなものがモスクワまで行きわたっていたんだな、という感慨。そういうものがないと、「ブルジョワジー向けの物語商品」というのは生まれないので。

    ▼「鼻」は、自分の「鼻」が独立した人格として活動をはじめてしまうというスラ

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    2025年06月01日