寺田克也のレビュー一覧
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前巻からの続きで、数千年にわたる、キマイラの血筋と雪蓮の一族の話。長くなるかなと思っていたら、序章で終わってしまった。大鳳や九鬼はキマイラの血筋で、それをあがめてきたのが雪蓮の一族の亜室健之達。しかし、どうやらキマイラは遺伝的ではないらしい。修行によってキマイラになったのが赤須子で、老子(耼)は一族の者だった。そして、故郷の天山が中国政府に見つかったり、ルシフェル教団(グルジェフ、ボック達)が動き出したり、日本には九鬼玄造がいることで、現在の状況に至っている。現在に戻るかと思いきや、今度は九鬼麗一が中学生、九十九三蔵との出会いから始まり、幼児期、母親とのエピソード、円空山、そして高校生。過去の全てを描くつもりなのか。空手部が「もののかい」という組織に支配されいて、阿久津元(下の名前が初めて出てきた)、九十九、九鬼が関わる事件が起こる。どこまで一人ひとりを掘り下げていく気なのか。次巻は、やっと現在に戻ってくる。完結するのが難しいのがわかる。『曼陀羅変』というタイトルは、最終巻に使われるはずだったのに。
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やっと物語が動く。キマイラ化した九鬼は、ツォギェルと巫炎の助けにより巫炎と共に天空へ去る。その後、復活を果たした龍王院弘、キマイラ化した九鬼を見たことから混乱している菊地、深雪への欲望から衝動を抑えようと肉体を酷使する九十九。そこへ深雪が連れ去られる事件が起こる。連れ去られる深雪を見かけ立ちはだかる菊地はボックに倒され、一緒に連れ去られてしまう。龍王院弘は、ボックの仲間に偶然関わり、深雪の事件を知る。深雪を探し海へ出た九十九は、菊地の隠剣を拾う。玄造の屋敷へ確かめに行った後、円空山に帰ると雲斎が戻っているという展開で。さあ、これから激しく物語は動いていくのだろうか。それにしても、今回も過去の話が…。心迷う菊地が、中学時代から一年前の西城学園入学時、空手部入部までを思い出し、九鬼の学園での強さも描かれる。主要人物を一人ずつ深く掘り下げようとする作者が今度は菊地の過去まで見せてしまう。だから長くなるのだと思うが、そこがキマイラという物語なのだと贔屓目に見てしまうのは、作者の術中にはまっているからでしょう。でも、大きく動く物語が見たい。
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寺田さんが描くモノは、一口に「美しい」とは言えない。
無精髭の生えたオジサン、シワだらけの老婆、たるんだお腹のお肉がエロティックな女性、妖しげで禍々しいクリーチャー…。
寺田さんの絵には、整然とした美しさと相反する、デコボコ・ザラザラとした質感、荒々しさがあり、熱気や湿り気、ニオイ、手触りが感じられる。キャラクターは人間くさい出で立ちで憎めず、醜い部分すら魅力的に見える。
私はそんな寺田さんの絵が大好きだ。憧れのイラストレーターは、絵だけではなく、話も上手なのだと知った。
タイトル通り「絵が上手くなるためには?」「絵を描くことを生業にするためには?」といった話題が多く取り上げられているが、イラストレーターを志す人や、寺田さんのファンでなくとも、本書は楽しめると思う。特に、何かを「表現」することに夢中になった経験がある人ならば、ハッとする言葉がたくさん見つかるのではないかと思う。
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〉トータルで十年のうちにこんな仕事をしたいなっていうのも目標で、そういう細かい単位でいっぱい目標を作っておいて更にその向こう側に、到達できない目標を設定しておく。「オレはいつかあそこに行きたいんだよね」ってちょっとずつ歩くんですよ。
〉うまく描こうと思わないで、絵に対して間違えないようにするっていうところに心を砕きます。うまく描こうとか、失敗しないようにというのは、全部余計なんです。そういうかっこつけとか、失敗を恐れる気持ちからは、どんどん距離を取っていく。
〉たとえ自分が突出した才能を持っていなかったとしても、それに近づこうとすること自体が大事だと思うし、そこを求めて想像力を使っていくことで突破口があったりするし。業界が厳しいとかじゃなくて、自分の持ってる武器がどの程度のものなのかということを常に客観的に見ることですね。
〉さっきの理屈で言うと、自分が面白いと思ったものを覆い隠しつつ、別のカタチに仕立てようとするのが娯楽表現の神髄だとすると、小手先でやったものは毎回同じような味付けになっちゃうと思う。それは飽きられるということでもあるので、常に覆い隠す努力をしないと。
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自分にしかできない表現とは何かを考え、試行錯誤しながらひたむきに磨き続けていく。楽ではない、大変な道のりだ。面倒くさくなったり嫌になったりして、投げ出してしまう人も居る。だけど、絵であっても文章であっても、「表現」することはやっぱり楽しい。
収入にはならなくても、私生活が忙しくても、歳をとってしまっても、気長に書き続けていたいな。
いくつになっても子供のようにラクガキを楽しむ寺田さんを見ていると、そんな風に思わされる。 -
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ネタバレ読み始めたのは、いったいいつだっただろうかというぐらいの昔の話であり、物語の中の時間の経過がほとんどなく、その間に時代が進んでおり、本来は登場しないはずの携帯電話が登場するなど、なんとなく今の当たり前のものが紛れ込んでしまっているが、まあそれは今の話に置き換わっているのだろう。本作はそういう時代の流れの中で、九鬼の高校時代のエピソードなど、物語が持っていた若い時代に戻りつつ、今の時代に即していこうという感があって良い。それにしても最後まで行き着くのか?多くのシリーズに結末をつけつつある作者ではあるが、これは終わらないほうが良いのかもしれない。
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わたしの六月はゾンビ月間。
ゾンビ作品を検索してたどり着いた一冊。
まぁそのまんまアンソロジー。
ちょっとサイズの大きい本なので、リアル書店で探すときには注意が必要。
アンソロジーなので、凝ったものから安直なものまでとりどり。
イラストや1ページだけの作家も並んでいるので、目当て作家がいる方は注意が必要かも。
極端につまらないものはなかったけれど、面白いと思えるものも多くはなかった印象。
アクションありスリラー的なものもあり。
読者がぞ何尾物に求める形も様々だから、すべてのゾンビファンが全ての話に喜べるつくりには絶対にならないわけで、こんな感じのものが一番なのであろう。
コメディよりのものはなかったかな。
ゾンビとコメディの相性はいいとは思うけれど、オブザデッドのゾンビはコメディではないのかもしれない。