白川貴子のレビュー一覧

  • 深い穴に落ちてしまった

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    兄と弟が深い穴に落ちてしまった。そこからどうしても外へ出られない。これは比喩なのか、ダークファンタジーなのか。重苦しい雰囲気のまま、二人だけで物語は進行する。不気味な余韻が残る大人の童話である。

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    2023年07月19日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    森の奥深くにある、深い穴に落ちてしまった兄弟。脱出方法を考えるも見つからない。食料は虫たち、飲料は泥水という環境の中でどうやって生き延びていくのか。絶望的な日々と、幻覚、幻想のようなものが広がったりと、狭い穴の中でさまざまな感情に出会う。どうやって脱出するのか、二人が選んだ道は。その先には何があるのか。ラストの余韻が読み終わった後も残り続ける。

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    2023年06月12日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    ネタバレ

    サッチャーとブレヒトの言葉で幕をあけカミュの言葉で閉じるこの物語は、暗黒時代に生きる人たちのための寓話、ということなんですが、2013年に書かれたものなんですよね。もう明るい時代なんてくるんですかね?

    とにかく真っ暗いお話です。兄弟ふたりが深い穴の中に落ちちゃって、そこで這いあがれずに木くずやイモ虫なんかを食べて過ごすんです。章立ては素数。散りばめられた暗号たち。そしてまさかの結末。す、救いがない……。

    ネタバレしちゃいますが、これは革命のお話ですね。深い穴ぼこをクルッとひっくり返さない限り俺たちに明日はない。しかし問題はこの「明日」ってなに? ってところ。なまじ明るい電気のもとで暮らしち

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    2021年09月27日
  • マップ・オブ・ヘブン あなたのなかに眠る「天国」の記憶

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     最近、科学の分野(量子力学・脳科学・生物学)の新しい発見を知ることで、その奥深さや新たに人間のイメージを更新されることに、驚く日々が続いていました。臨死体験やこの世だけではないスピリチュアルな世界にも興味を持っていたことを忘れていました。著者の臨死体験への冷静な分析と科学的知識の信頼感が感じられ、再度立ち止まって思いを巡らすべきかと感じました。

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    2021年05月03日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    読みやすいが寓話の意味をあれこれ考えてしまい、悶々となる。簡単に正解がわからないのが、本の醍醐味ともいえるから、これはこれで個人的には結構気に入っている。

    映画化が決まっているらしいことが書いてあったが、もうできたのだろうか?どちらかというと舞台向きの内容なようにも思えるこの作品が、映画でどう描かれているのか非常に興味がある。

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    2021年01月25日
  • 天使のいる廃墟

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    「自殺」がテーマでありながら、読みすすめると装幀画の世界が広がっていく。何処かに「パライソ・アルト」のような場所があるのかも知れない。と錯覚してしまうほどの不思議な感覚が読後も続く。

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    2020年10月28日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    ネタバレ

    とても、怖い。怖い、怖いと呟きながらぐいぐい読まされてしまう。そして時々、抉られるようなフレーズに声も出せずに泣く。これだけ限定的な設定で極限の状態だけを丹念に描写していくのが凄いと思った。叩きのめされたけど、読んで良かった。多分時々思い出してしまう作品になると思う。

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    2020年03月27日
  • プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界

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    誰もが本当は知りたい。

    死んだらどうなるのか。

    生命は永遠か。

    唯物主義、機械的なものに過ぎず、まったくの無に帰するのか。

    その確固とした答えを科学的に立証しようとする全米トップの脳外科医。

    自らの臨死体験から、生命を司るのは脳ではなく、体を離れたエネルギー体としての意識だったと言う。

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    2020年03月04日
  • ユー・アー・ヒア あなたの住む「地球」の科学

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    YOU ARE HERE ニコラスクレイン 早川書房

    地理学を散歩する
    地球誕生から46億年の中で人類が発生して以来の記録が地理学
    人類の活動が地球に影響を及ぼす時代をアントロポセン人真世という

    最終的にこの本で言うアントロポセンは温暖化問題にたどり着くが
    その解決を知識のみに頼っているように見える
    しかし今回の問題は意識なしに解決することはないだろう
    なぜなら手段でしかない物的な欲望という部分的な切り口で
    解決する見込みがないからだ
    著者も最後の望みに一つに挙げているのが
    無条件によるベーシックインカムだ
    この体験で人間の意識を劇的に向上させる可能性があるという
    同感だ

    表紙をめくる

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    2019年11月18日
  • ユー・アー・ヒア あなたの住む「地球」の科学

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    地理学の入門書です。
    地理学の各々の分野のイントロダクションと、なぜ地理学が必要なのか、ということについて書いてあります。

    今、地球を取り巻く問題を考え、解決するには地理学を地球の民全員が学ぶことが必要であると、強く訴えています。

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    2019年10月28日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    うーん、難しい(苦笑)。
    寓話なので、何がしかの教訓めいたものを提示しているし、書かれている文章や内容はそれ程には難しくないのだけれど、それをどう受け止めていいのか混乱してしまう。
    兄と弟が穴に落ちて、虫や雨水で飢えや乾きを凌ぎながら数か月を共に生活する。
    その間に弟が錯乱状態になり、哲学的とも宗教的とも預言者的とも言えるような言葉を発する。
    最終的にどうなるかはネタばれになっちゃうので書かないけれど、いやはややはり読み手としては混乱する。
    穴そのものがピラミッドのような空洞になっているので、穴の底に落ちた二人は社会の底辺で苦しむ、といったヒエラルキー的な教訓ともとれる。
    事実、「上の連中には

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    2019年08月20日
  • プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界

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    著者である脳神経外科医自身が大腸菌による髄膜炎を発症し、その自らの生死を彷徨う状況から見事復活を果たし、その際の臨死体験を記録したもの。
    他のさまざまな臨死体験者よる、その体験談と自らの体験自体の類似性を見つけ、いままで自らの超現実主義的考え方自体を見直すに至る。
    人の精神とはコンピューターの電子信号の伝達に類似したような物という単純な例えは間違っており、より高度な機能を持った臓器ということになるのだろう。
    『臨死体験を通して、人にはこの世界で体験していることをつぶさに記録している未知の部分があり、記録作業はきわめて幼いうちから行われていることが違いないことがわかった』まさに、『三つ子の魂百ま

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    2019年04月15日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    海外版の山椒魚?と思って購入しましたが、山椒魚とはまた違った暗澹とした物語でした。
    文章に仕掛けがあり、とても計算されて良く作り込んまれた作品だと思います。自分の能力では読み解けなかった部分も多いので、そこは自分に残念です。
    グロテスクな部分もありますが、個人的には嫌いではありません。自分にとって、時折ハッとするような美しい言葉回しや印象的なシーンがあります。
    先に太陽と痛みを読んでいたので、現代スペイン文学はこんなにもナイフの切っ先のような鋭さを持つのかと、偏見を持ってしまいそうです。

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    2018年07月26日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    ネタバレ

    久しぶりにすごい本にあたった感じ。

    深い穴に落ちてしまった2人の兄弟が
    力を合わせて地上に出るおとぎ話的な
    イメージで読み進めると、とんでもない。
    非常に生々しい描写で、ある意味
    非現実的な物語だった。

    文中には謎めいた部分や意味不明な表現が
    出てきて、なんなんだろう?と思っていたら
    あとがきで訳者が見解やヒントを載せていた。
    それを読んでもわからなかった部分は
    グーグル先生に聞いて答えを知ったりした。

    オチとしてはありがちな感じであったが、
    大人の寓話と謳われるだけあって、
    作品が描かれた時代背景に重ねると
    見えてくる裏のメッセージがあったりして
    凝った作品なのだな、と感じた。

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    2017年09月21日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    すごい本を読んでしまった。難しいことは語れないが、久々に読んでいて胸が苦しく、熱くなるような物語だった。読み終えた今、しばし放心状態である…。全くの予備知識なしに軽い気持ちで手に取ってしまったので、「ん?なんで穴に落ちたの?」など疑問を持ちつつもどんどん読むにつれ、瞬きの回数が減り、眼球が乾くほどに文章から目が離せないまま一気に最後まで読みきりました。この余韻、しばらく引きずりそうです。

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    2017年05月18日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    深く暗い寓話。読んでいくうちに読みとけてくる裏側に、思わずその都度調べたくなるのをこらえて物語にひたる。読み終えてから、調べて、考えて…この解釈であっているだろうか。

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    2017年05月02日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    20170425

    森の中のすり鉢状の深い穴に落ちてしまった兄と小さな弟。
    極限状態の中、気が狂ったように?変わってしまう弟と、弟への愛を抱えながら状況を解決しようとする兄。

    なんとも不安になる文章、深読みを誘う不気味な感じ。実際あとがきにも謎解きのヒントが書かれている。

    気持ち悪くなるし読みたくない、でも最後まで一気に読んでしまった。

    原作の国であるスペインの経済状況、社会情勢が背景にあるようだが、私はそこまで深く考えずにただただこの本の不気味さを気持ち悪いと思いながらもそれを超えた快感を味わいながら一気に読むのでもいいんじゃないかと思う。

    でも今余韻でなんとも言えないモヤモヤしてる

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    2017年04月26日
  • 執着

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    ネタバレ

    なぜマドリードが舞台の小説本の表紙がエゴン・シーレなのか…?

    本編より、主人公がバルザックの『シャベール大佐』文中の一文、"最初の子にやがて命を落とすような性向を植え付けた女“ について考察するところが面白い…と思っていたら、ガッツリ本筋に絡んできた。
    ハビエルの殺人疑惑を盗み聞きしたマリア。こんな面倒臭く自己弁明する男と分かっていたら寝たふりしとけばよかったのにな〜と思ってたら、あら、そう来るか⁉︎
    でも結局、真実は解明されず。でもここ、ホントかどうかの調査になってたら結構白けてたかも。

    ググったら、ディグニタスが実在するのに驚いたわ〜

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    2024年12月06日
  • 執着

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    濃厚で、濃密で、くらくらする。改行なしに続く文章、言い換え、綿密な描写、多くの可能性の羅列。情熱も疑心も諦めも、その全てを丁寧にたどる。

    しっかり酔いたい大人の恋、しっかり酔ってこそ大人の小説。

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    2016年07月28日
  • プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界

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    ネタバレ

    あなたは永遠に深く愛されています
    恐れることはなにもありません
    あなたのすることには、ひとつも間違いはありません。

    あらゆることは、愛。
    愛が最も純粋で力強いかたちをとればら妬みや利己的な感情のない、無私の愛になる。
    脳に支配された物理的な存在でいる間は、背後の広大無辺さを脳が遮断してしまう。
    愛と思いやり。受容。

    神様は言葉を介さずにメッセージを伝える。それはそよ風のように。質問と答えはワンセットになっていて、無言の質問をする度に電光石火の答えが返ってくる。人は脳で処理をするからわからない。

    今まで見聞きしたことがひとつに成り、読後には背後に温かさを感じた。

    自分の中心の愛を信じよう

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    2016年02月13日