白川貴子のレビュー一覧
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ネタバレサッチャーとブレヒトの言葉で幕をあけカミュの言葉で閉じるこの物語は、暗黒時代に生きる人たちのための寓話、ということなんですが、2013年に書かれたものなんですよね。もう明るい時代なんてくるんですかね?
とにかく真っ暗いお話です。兄弟ふたりが深い穴の中に落ちちゃって、そこで這いあがれずに木くずやイモ虫なんかを食べて過ごすんです。章立ては素数。散りばめられた暗号たち。そしてまさかの結末。す、救いがない……。
ネタバレしちゃいますが、これは革命のお話ですね。深い穴ぼこをクルッとひっくり返さない限り俺たちに明日はない。しかし問題はこの「明日」ってなに? ってところ。なまじ明るい電気のもとで暮らしち -
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YOU ARE HERE ニコラスクレイン 早川書房
地理学を散歩する
地球誕生から46億年の中で人類が発生して以来の記録が地理学
人類の活動が地球に影響を及ぼす時代をアントロポセン人真世という
最終的にこの本で言うアントロポセンは温暖化問題にたどり着くが
その解決を知識のみに頼っているように見える
しかし今回の問題は意識なしに解決することはないだろう
なぜなら手段でしかない物的な欲望という部分的な切り口で
解決する見込みがないからだ
著者も最後の望みに一つに挙げているのが
無条件によるベーシックインカムだ
この体験で人間の意識を劇的に向上させる可能性があるという
同感だ
表紙をめくる -
Posted by ブクログ
うーん、難しい(苦笑)。
寓話なので、何がしかの教訓めいたものを提示しているし、書かれている文章や内容はそれ程には難しくないのだけれど、それをどう受け止めていいのか混乱してしまう。
兄と弟が穴に落ちて、虫や雨水で飢えや乾きを凌ぎながら数か月を共に生活する。
その間に弟が錯乱状態になり、哲学的とも宗教的とも預言者的とも言えるような言葉を発する。
最終的にどうなるかはネタばれになっちゃうので書かないけれど、いやはややはり読み手としては混乱する。
穴そのものがピラミッドのような空洞になっているので、穴の底に落ちた二人は社会の底辺で苦しむ、といったヒエラルキー的な教訓ともとれる。
事実、「上の連中には -
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著者である脳神経外科医自身が大腸菌による髄膜炎を発症し、その自らの生死を彷徨う状況から見事復活を果たし、その際の臨死体験を記録したもの。
他のさまざまな臨死体験者よる、その体験談と自らの体験自体の類似性を見つけ、いままで自らの超現実主義的考え方自体を見直すに至る。
人の精神とはコンピューターの電子信号の伝達に類似したような物という単純な例えは間違っており、より高度な機能を持った臓器ということになるのだろう。
『臨死体験を通して、人にはこの世界で体験していることをつぶさに記録している未知の部分があり、記録作業はきわめて幼いうちから行われていることが違いないことがわかった』まさに、『三つ子の魂百ま -
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ネタバレ久しぶりにすごい本にあたった感じ。
深い穴に落ちてしまった2人の兄弟が
力を合わせて地上に出るおとぎ話的な
イメージで読み進めると、とんでもない。
非常に生々しい描写で、ある意味
非現実的な物語だった。
文中には謎めいた部分や意味不明な表現が
出てきて、なんなんだろう?と思っていたら
あとがきで訳者が見解やヒントを載せていた。
それを読んでもわからなかった部分は
グーグル先生に聞いて答えを知ったりした。
オチとしてはありがちな感じであったが、
大人の寓話と謳われるだけあって、
作品が描かれた時代背景に重ねると
見えてくる裏のメッセージがあったりして
凝った作品なのだな、と感じた。 -
Posted by ブクログ
20170425
森の中のすり鉢状の深い穴に落ちてしまった兄と小さな弟。
極限状態の中、気が狂ったように?変わってしまう弟と、弟への愛を抱えながら状況を解決しようとする兄。
なんとも不安になる文章、深読みを誘う不気味な感じ。実際あとがきにも謎解きのヒントが書かれている。
気持ち悪くなるし読みたくない、でも最後まで一気に読んでしまった。
原作の国であるスペインの経済状況、社会情勢が背景にあるようだが、私はそこまで深く考えずにただただこの本の不気味さを気持ち悪いと思いながらもそれを超えた快感を味わいながら一気に読むのでもいいんじゃないかと思う。
でも今余韻でなんとも言えないモヤモヤしてる -
Posted by ブクログ
ネタバレなぜマドリードが舞台の小説本の表紙がエゴン・シーレなのか…?
本編より、主人公がバルザックの『シャベール大佐』文中の一文、"最初の子にやがて命を落とすような性向を植え付けた女“ について考察するところが面白い…と思っていたら、ガッツリ本筋に絡んできた。
ハビエルの殺人疑惑を盗み聞きしたマリア。こんな面倒臭く自己弁明する男と分かっていたら寝たふりしとけばよかったのにな〜と思ってたら、あら、そう来るか⁉︎
でも結局、真実は解明されず。でもここ、ホントかどうかの調査になってたら結構白けてたかも。
ググったら、ディグニタスが実在するのに驚いたわ〜 -
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ネタバレあなたは永遠に深く愛されています
恐れることはなにもありません
あなたのすることには、ひとつも間違いはありません。
あらゆることは、愛。
愛が最も純粋で力強いかたちをとればら妬みや利己的な感情のない、無私の愛になる。
脳に支配された物理的な存在でいる間は、背後の広大無辺さを脳が遮断してしまう。
愛と思いやり。受容。
神様は言葉を介さずにメッセージを伝える。それはそよ風のように。質問と答えはワンセットになっていて、無言の質問をする度に電光石火の答えが返ってくる。人は脳で処理をするからわからない。
今まで見聞きしたことがひとつに成り、読後には背後に温かさを感じた。
自分の中心の愛を信じよう