あらすじ
誕生から46億年、広さは5.1億k㎡。この星を記述しつくす、それが地理学――。ホモ・サピエンスは歴史を通じて地理を探求してきた。人類の活動が地球の姿を大きく変える未曽有の時代〈人新世(アントロポセン)〉に突入して以降、地理学のもつ全球規模の視座は、重要性を増し続けている。アルプス山脈などの絶景を生んだ水循環システム、東京など巨大都市の出現と人口移動のダイナミズム、AI(人工知能)を駆使した最先端の地図技術、世界最古の地理学者「禹王」……。英国の人気紀行家にして〈王立地理協会〉前会長が縦横無尽に説き語る、地理学のエッセンス。
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Posted by ブクログ
YOU ARE HERE ニコラスクレイン 早川書房
地理学を散歩する
地球誕生から46億年の中で人類が発生して以来の記録が地理学
人類の活動が地球に影響を及ぼす時代をアントロポセン人真世という
最終的にこの本で言うアントロポセンは温暖化問題にたどり着くが
その解決を知識のみに頼っているように見える
しかし今回の問題は意識なしに解決することはないだろう
なぜなら手段でしかない物的な欲望という部分的な切り口で
解決する見込みがないからだ
著者も最後の望みに一つに挙げているのが
無条件によるベーシックインカムだ
この体験で人間の意識を劇的に向上させる可能性があるという
同感だ
表紙をめくると宇宙と地球の関わりからゆっくりとスタートして
太陽と地球の重力均衡点の一つに浮かんでいる観測衛星から送られた
月をはさんでの地球の姿は雲を含んだ地球の見取り図へと案内する
宇宙はビッグバンで始まったと言われている
地獄絵図?と著者が表現するコロイド状の混沌なる姿から星雲となり
銀河系が発生し重力による秩序だった世界が誕生していく
その地球が38億年前になると硫化水素やメタンや二酸化炭素で覆われ
くぼみには水がたまり35億年前には生物らしきものが生まれている
20億年前になると待機に酸素が加わり藻類や軟体動物更には
植物に昆虫に魚類に両生類へ進み爬虫類も現れる
地球の生物は少なくとも土塊に渡り絶滅にひんしただろう
作者は西洋人らしく我々が善悪の分かれ道に直面しているという
東洋の思想で言えば道は大自然を解き明かすために歩いた跡であり
先にあるものではない
環境の調和を壊したならば全体を見据えて軌道修正していくのが
東洋思想であり
部分的な問題点を暴き出して早急に穴埋めを繰り返していくのが
一神教による依存的な善悪思想であると思うのだが