白川貴子のレビュー一覧

  • テラ・アルタの憎悪
    獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪をやめ警察官となったメルチョールは、カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタで、富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。夫妻は拷問の末に惨殺されていた。メルチョールは夫妻の事業には裏があることを直感するが……。

    極めて猟奇的な場面で幕を開けるこの作品、単なる警察小説...続きを読む
  • ファシズム――警告の書
    現代の世界で起きていることを理解するための信頼できる知性は、同時に未来への指針でもある。

    「歴史が教えているとおり、自由というものは守ってやらなければ生き残れないし、嘘というものは暴かなければ止まらない。」p.259
  • 深い穴に落ちてしまった
    兄弟愛を感じさせられるシーンでは胸が熱くなりました。一つ一つの描写がとてもリアルで弟が狂っていく様子がすばらしかったです。
    自分の読解力が未熟で解けなかった謎もあるのでいつかまた挑戦したいです。
  • 執着
    ボブ・ディランがノーベル文学賞をとって話題になっているが、このハビエル・マリアスも候補に挙がっていた一人。ノーベル賞は政治的な意味合いが強いので、ボブ・ディランにいったのだろうが、今さらという気もする。それよりは、もっと読まれてしかるべきなのに、世界的にはあまり知られていない作家に光を当ててほしいも...続きを読む
  • プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界
     現代人らしい唯物主義よりな意識を持っていた脳神経外科医が、自身の臨死体験を赤裸々に綴ったのが本書である。
     自身の体験を盲信せず、医療従事者である友人知人や関連書籍を使って現代化学・現代医学に根ざした客観的視点も取り入れているのが新しく、また、その検証の結果、医学的・化学的に説明できる臨死体験と説...続きを読む
  • テラ・アルタの憎悪
    初めて読んだスペインのミステリー。
    ミステリーというよりは主人公の生き様がメインで、事件も捜査していく様子も特に斬新さがあるわけではないが、読みやすく主人公も魅力的だった。続編も読んでみたい。
  • テラ・アルタの憎悪
    スペインの中央とも揉めている曰く付きの街が舞台。レミゼラブルを読む事で更生した刑事が主人公。その地の富豪夫婦の惨殺死の謎を解明すると言うミステリだが、その要素は低い。むしろ主人公の過去や思いを描いてる。濃いイメージの作品だった。
  • テラ・アルタの憎悪
    スペインの田舎町、レ・ミゼラブルを愛する刑事が富豪夫婦の殺害事件に挑むが… #テラ・アルタの憎悪

    ■あらすじ
    スペインのテラアルタで発生した事件、村一番の富豪夫婦が拷問して殺害された。かつての投獄され、書籍『レ・ミゼラブル』と出会いによって刑事になった経緯があるメルチョールが捜査にあたる。
    しかし...続きを読む
  • テラ・アルタの憎悪
    2024年の3冊目は、スペイン産ミステリーです。
    スペインのミステリーを読むのは、もしかしたら初めてだったかもしれません。かなり良いです。
    主人公は、「レ・ミゼラブル」によって、人生が変わった男メルチョール。獄中で「レ・ミゼラブル」を読んだ事で、ジャベールに心酔し、母親を殺した犯人を捕まえる為に警察...続きを読む
  • 境界性パーソナリティ障害の世界 I HATE YOU DON’T LEAVE ME
    境界性パーソナリティ障害の現在を、コンパクトにわかりやすく事例を絡めてまとめられて、分かりやすい。治療も何か一つが優れているのではなく、目標に応じて使い分けることなど実用的だが、やはり何よりも治療者と患者の信頼関係が重要であり、治療には根気が必要と繰り返し述べている。納得。
  • 深い穴に落ちてしまった
    兄と弟が深い穴に落ちてしまった。そこからどうしても外へ出られない。これは比喩なのか、ダークファンタジーなのか。重苦しい雰囲気のまま、二人だけで物語は進行する。不気味な余韻が残る大人の童話である。
  • 深い穴に落ちてしまった
    森の奥深くにある、深い穴に落ちてしまった兄弟。脱出方法を考えるも見つからない。食料は虫たち、飲料は泥水という環境の中でどうやって生き延びていくのか。絶望的な日々と、幻覚、幻想のようなものが広がったりと、狭い穴の中でさまざまな感情に出会う。どうやって脱出するのか、二人が選んだ道は。その先には何があるの...続きを読む
  • 深い穴に落ちてしまった
    サッチャーとブレヒトの言葉で幕をあけカミュの言葉で閉じるこの物語は、暗黒時代に生きる人たちのための寓話、ということなんですが、2013年に書かれたものなんですよね。もう明るい時代なんてくるんですかね?

    とにかく真っ暗いお話です。兄弟ふたりが深い穴の中に落ちちゃって、そこで這いあがれずに木くずやイモ...続きを読む
  • マップ・オブ・ヘブン あなたのなかに眠る「天国」の記憶
     最近、科学の分野(量子力学・脳科学・生物学)の新しい発見を知ることで、その奥深さや新たに人間のイメージを更新されることに、驚く日々が続いていました。臨死体験やこの世だけではないスピリチュアルな世界にも興味を持っていたことを忘れていました。著者の臨死体験への冷静な分析と科学的知識の信頼感が感じられ、...続きを読む
  • 深い穴に落ちてしまった
    読みやすいが寓話の意味をあれこれ考えてしまい、悶々となる。簡単に正解がわからないのが、本の醍醐味ともいえるから、これはこれで個人的には結構気に入っている。

    映画化が決まっているらしいことが書いてあったが、もうできたのだろうか?どちらかというと舞台向きの内容なようにも思えるこの作品が、映画でどう描か...続きを読む
  • 天使のいる廃墟
    「自殺」がテーマでありながら、読みすすめると装幀画の世界が広がっていく。何処かに「パライソ・アルト」のような場所があるのかも知れない。と錯覚してしまうほどの不思議な感覚が読後も続く。
  • 深い穴に落ちてしまった
    とても、怖い。怖い、怖いと呟きながらぐいぐい読まされてしまう。そして時々、抉られるようなフレーズに声も出せずに泣く。これだけ限定的な設定で極限の状態だけを丹念に描写していくのが凄いと思った。叩きのめされたけど、読んで良かった。多分時々思い出してしまう作品になると思う。
  • プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界
    誰もが本当は知りたい。

    死んだらどうなるのか。

    生命は永遠か。

    唯物主義、機械的なものに過ぎず、まったくの無に帰するのか。

    その確固とした答えを科学的に立証しようとする全米トップの脳外科医。

    自らの臨死体験から、生命を司るのは脳ではなく、体を離れたエネルギー体としての意識だったと言う。
  • ユー・アー・ヒア あなたの住む「地球」の科学
    YOU ARE HERE ニコラスクレイン 早川書房

    地理学を散歩する
    地球誕生から46億年の中で人類が発生して以来の記録が地理学
    人類の活動が地球に影響を及ぼす時代をアントロポセン人真世という

    最終的にこの本で言うアントロポセンは温暖化問題にたどり着くが
    その解決を知識のみに頼っているように...続きを読む
  • ユー・アー・ヒア あなたの住む「地球」の科学
    地理学の入門書です。
    地理学の各々の分野のイントロダクションと、なぜ地理学が必要なのか、ということについて書いてあります。

    今、地球を取り巻く問題を考え、解決するには地理学を地球の民全員が学ぶことが必要であると、強く訴えています。