朝丘戻。のレビュー一覧
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購入済み
良かった。とても良かったです。切なくて、悲しくて泣きました。アメの記憶が戻っても戻らなくてもこの二人はこれから幸せでしょうね。よかった。
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ネタバレ 購入済み
眩しい
色々と初々しい心の躍動が伝わる描写が多くて、切ない思いにさせられました。
身を売ることになった経緯が気になりましたが最後はハッピーエンドで良かったです。
携帯電話が普及してない時期のお話だったらしく、なんだか懐かしくもありました…。
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Posted by ブクログ
ネタバレカラス、アカノイト、とシャレードから出ている朝丘作品にはお気に入りが続いたので気になって読みました。新たなお気に入りがまたひとつ。
温かい家庭ですくすくと育った一と、家族の温もりを知らないまま、『家族』を求める気持ちから一の姉、真と結婚するも、自分の『病気』を捨てきれず、一度は手にした家族を自ら手放し、自らを攻め続けながら生きる逸人。
密かに許されない思いを抱いてしまった相手にあれだけ無邪気に無自覚に懐かれたら無碍にはあしらえないよね、辛いよね……。
空や海の青、二人の想い出の朝顔の色、成長過程の一と、未だ物憂げな想いに囚われたままでいる逸人を縛り続ける青い想い。
移ろいゆく日々の風景と心の -
Posted by ブクログ
能登先生の奔放なキャラクターに戸惑いつつ、真っ直ぐで柔らかで純粋な二人の気持ちの重なり合いが丁寧に穏やかに描かれていく描写にするする引き込まれました。心の内側の柔らかな部分をそっと掬い上げるような言葉のきらめきの一つ一つに包み込まれるよう。
触れて欲しくない、目をそらして向き合おうとしないでいた痛みに手を差し伸べられて、そのままそっと包み込まれるみたいな愛おしさと苦しさが溢れていて、読んでいる間中、揺さぶりをかけられてどうしようもなかった。
行き場のない感情に寄り添う優しさと温もりが溢れていて、こういった感情に出会える事こそが物語に出会う喜びなのかな、とも思ったり。
愛おしいと思える人に出会 -
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Posted by ブクログ
私はつい最近朝丘さんの作品に当って読み出したばかりなので、見つけ次第、手に当たる次第という読み方をしていて、発表年代を追わずに読んでいると、技巧的な違いがふと気になったりすることがある。
この本も読み始めは文章の小さな拙さが気にかかって、キャラクターも好きになれなくて、これで何冊目かの朝丘さんの本になるのだけど、はじめて低い評価になるかも、、と思いつつ読んでいました。
前半は甘々な展開に、この先このままどうやって話が転ぶんだろう?とそろそろ期待をやめてもいいかなと思いながら、後半に入ってあまりに使い古された展開にかなりがっかりしたのです。。。
、、、が、それが、、
その後の展開にはまさかの -
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Posted by ブクログ
だいすき、って言葉が似合う前半。
お互いに少しずつ理解を深めて、キラキラとした思い出が増えていく。
ただ、二人の気持ちさえ変わらなければ、続いていくはずの未来。
でも、「あめちゃん」はいなくなった。
二人だけの秘密や思い出は、語る相手がいなければ、無かったに等しい。
「ちいさん」には、あめちゃんの欠片が残っているのかもしれない。
頭の記憶がなくても、心とか体とか五感的な部分で。
理由は分からなくても、一緒にいたくて、離れたくなくて、先生を欲する心を止められないちいさん。
でも、先生が見ているのは今の自分ではなく、「あめちゃん」…。
それが苦しい。思い出せない自分が、先生を、苦しめている -
Posted by ブクログ
ネタバレ朝丘戻が好きかと言われたら、即座に『違う』と言ってしまうと思う。
主だった作品は読んでいるし、新刊が出たらいそいそと買いに行ってしまうにも関わらずだ。
随分と上から目線で、何様?だけれど、『同族嫌悪』って言葉が一番しっくりくる。
朝丘さんの作品を読んだ時に味わう。〝痛さ〟みたいなもの。
それは木原音瀬作品とは全く別の種類の痛さで、普通、人はそれを切なさと呼ぶのかもしれない。
人には知られたくないものを、言い当てられるような。
心の中に手を突っ込まれて、痛いところを探られるような。
心の一番脆い部分にクリティカルヒットして、思わず血を流してしまうような、そんな痛さ。
よく小説の中でも出てくる表現 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ泣きすぎて目が腫れた。
前半の『先生へ』は、あめちゃんがあめちゃんであれた章。
そこには、これでもか、これでもか、と後半への前振りのごとく、
ひたすらに優しく柔らかく、愛しい交際の模様が描かれます。
それはまるで、アルバムのページをめくるかのごとく、すべてが
尊く慈しみに溢れた優しい記憶。
後半の『きみの中、飴がなく』では、能登先生視点。
あんなに優しい『先生へ』のくだりはどこへやら。
全てがリセットされて、世界にひとり取り残された先生の絶望が
胸を掻きむしります。
この後半はラストに至るまでずっと泣きっぱなしでした…。
もう、ヤバイ勢いで涙が出てきてしようがない。
どんなセリフにも泣けて、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ君に降る白、じゃなくて、私の中では『覆い尽くす白』のような。
作品全体に漂う、寂寥。降り積もる白に全ての音が消される。
埃の色、光の色、目に映る世界、心の中、流れる風。
その全てが白く、ただしんしんと降り積もってゆく。
そんな、そこはかとなく優しく、柔らかく、切なく、心を
揺さぶられる『白』に、惹きずりこまれたら最後、涙が
止まらなくなりました。
別に、ここが泣ける、ここで泣いた、ここが凄いとかそういう
ドラマチックな展開なんてない。物語は静かに、ただただ静かに
淡々と進んでいくのに、ふたりの『想い』がひしひしと読み手に
伝わってきて、どうってことのない、日常の風景の中にすら
瞼の裏が熱くなり -