大瀧啓裕のレビュー一覧

  • ラヴクラフト全集3

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    ラヴクラフトの代表である「クトゥルフ神話体系」が恐らく全集の3巻に集約されていると思われます。
    ただ、ラヴクラフトにはパターンがあります。不気味さを出すための工夫ではあるんですが、このパターンがとてもわかりにくくしているので、要注意です。以下の3つにパターン分けします。

    1.副詞の多用と唐突な自動詞。
    →「名状し難い」などから始まる、修飾語やら副詞、形容詞の乱発が始まったら、固有名だけ見つけて読み飛ばしても大丈夫です。ただし、唐突に自動詞で終わったら、いったん読み返すのもありです。完了系は重要な要素である場合がほとんどです。
    2.クトゥルフ神話に代表される名称は眷族が言う
    →明確にアザトース

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    2025年11月29日
  • ラヴクラフト全集6

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    なんか、スッカスッカの脳内空間に
    薬液付けた指をソロリソロリとねじ込まれていく感じだ
    しかも抵抗出来ない。
    堪能せよ、無限地獄を。

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    2021年07月03日
  • エヴァンゲリオンの夢 使徒進化論の幻影

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    翻訳家が読み解くエヴァンゲリオン。翻訳家といっても、使徒の名前の元ネタと言われるゴドウィン『天使の世界』を翻訳しているような人なので、その知識量にはひたすら圧倒されるばかり。対象はTV版から旧劇場版まで。内容としては実に誠実にアニメの描写を読み解こうとしており、全てとは言わないものの納得できる解釈は多い。正直すべてを理解できたとは言い難い。エヴァに真剣に向き合ってみたいなら読んで見る価値があるだろう。

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    2021年04月11日
  • センター18

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    うーん。とても好きだなあ。あとがきで「この本の読み方注意点」みたいなのが大袈裟に記載してあるけど、意味あるかなあ。軍人ばかりが収容された施設。ある時精神科医が配属されてくる。将校たちは懸命に妄想を語る。あれは仮病なんですよ。うーん、素晴らしい。非常にいきいきと演じている。こういう、売れるため、関係者を喜ばせるためでなく、訴える物が根底にあって、それを表現するために文章を書くって素晴らしいことだなあ。ずーっとこういう本を読んでいたい。

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    2020年01月04日
  • ラヴクラフト全集4

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    久しぶりにラブクラフト全集の続き。これは当たりの巻。

    訳者による解説にも書かれているが、「ピックマンのモデル」以外は、科学的な話というか、分析がキーとなる話になっており、出てくる物質の名前が古いのを除いて、全く現代でも通用するような話ばかりだ。

    名作「インスマウスの影」を彷彿とさせつつ、得体のしれない謎の物質(生物?)の恐怖「宇宙からの色」、何故か体を冷やし続けないといけない「冷気」と、南極に氷漬けになっていた宇宙からの生物をめぐる「狂気の山脈にて」そして超名作で怪談風の「ピックマンのモデル」など、硬い文章ながら、読書なれしていない人でもゆっくり読めば映画のように脳内で映像化されてくるはず

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    2015年12月04日
  • エヴァンゲリオンの夢 使徒進化論の幻影

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    著者はキリスト教やユダヤ教に詳しい翻訳家。その訳書も魔法や天使・悪魔や錬金術などが多い。そんなアニメには全く興味が無かった著者は、友人から勧められた、新世紀エヴァンゲリオンに第壱話から虜にされてしまう。そして2年かけて430頁二段組でテレビ版から劇場版まで全話の詳細な解説本を書いてしまった。エヴァの解説本は数多出ているが、これが最上級ではないだろうか。この本は10年前に一度読んではいるが、すっかり忘れてしまったので、2ヵ月後に迫る新劇場版3.0公開前に再読したのである。しかし、その宗教的な事項の解説はとても難解であり、すんなりと理解できるものではない。セフィーロート体系図ひとつとっても詳しく解

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    2015年01月27日
  • ラヴクラフト全集3

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    ダゴン、読みやすくて良いですね。名作。最後の一編「時間からの影」はちょっと冗長かな。それ以外は、面白かったです。アーカムやインスマス、それにミスカトニック大学の名前が出てくると、なんか安心しますね。魚臭や魚顔の人間とか^^

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    2013年10月06日
  • ラヴクラフト全集5

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     あとがきに書いてあるとおり本作は後にダーレスがクトゥルー神話作る際に大いに参考にしたと思われる作品を集めたものとなっている。面白いのは、冒頭そのように書き始めたのにもかかわらず本書のあとがきの主題は「ラヴクラフトの作品とクトゥルー神話との相違点」であるという点だ。
     ラヴクラフトの作品のみを愛し、クトゥルー神話は否定的な人が少なからずいる。本書のあとがきを読めば理由がわかるはずだ。
     本作品集には、下手に首を突っ込んでえらい目に合うという話が非常に多い、相変わらず緻密な情景描写でありながらも肝心な異世界のもの達に関しては曖昧としてうまく表現できないという手法で書かれている。
     とはいえ、「イ

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    2013年08月02日
  • ラヴクラフト全集4

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     ラヴクラフト全集1巻を読み終わった時、ラヴクラフト氏の作品は、情景を推理小説が如く性格に描いているにもかかわらず、肝心な恐怖をもたらすそのものについては曖昧にしか書かれていないという話の構成であると感じた。つまり、都市伝説のように嘘にきまっているが、もしかして・・・と思わせる一人称的恐怖感があった。
     現在のところ3巻とこの4巻を読み終わったが、その認識を変える必要がある。3巻もそうだが特にこの4巻では、もう個人の幻覚や幻聴として片付けられないほどに、異型の者達を描写しているのである。科学的に判別不能な物質が出てきたり、公式な記録として異世界人らしきものが見つかったと記録されていたりである。

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    2013年06月16日
  • ラヴクラフト全集3

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    ネタバレ

    1989年6月23日発行の11版。
    訳者の大瀧啓裕氏はダーレスのことが嫌いなのか……。
    「不肖の弟子」扱いなど個人的感情がくどいほどにじみ出ている。
    あなたのエッセイじゃないのだから解説に個人的感情を入れるべきではないだろうに。

    「ダゴン」
    窓に! 窓に!

    「家のなかの絵」
    人肉食で無限のパワーを。

    「無名都市」
    狂える詩人アブドゥル・アルハザード。

    「潜み棲む恐怖」
    この巻で一番好きなお話。
    怪奇!土竜男!

    「アウトサイダー」
    寓話的。
    新たな物語の話型となっている点ですばらしい。

    「戸口にあらわれたもの」
    ほんとインスマウスの住人はろくなことをしない……。
    結末を冒頭に持ってき

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    2012年11月11日
  • ラヴクラフト全集6

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    クトゥルーの世界観が、テクストの平原を越えて自在に暴れまくる秀作「未知なるカダスを夢に求めて」収録。ペルシア神秘主義詩の最高峰アッタールの「鳥の会議」や、ボルヘスの「創造者」に、類似するオマージュが発見できる。国境と言語を越えてあらわれる神的存在は、旧態の神的なるものなのか否か…幻想文学の観点からも興味深いテクストのひとつ。

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    2012年04月13日
  • ラヴクラフト全集5

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    ホラー小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトは73年前の1937年3月15日に死んだ。本来的には、恐怖というものは民族(俗)特有の原基に依存せざるを得ない訳ですが、つまり

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    2011年07月19日
  • エヴァンゲリオンの夢 使徒進化論の幻影

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    これを買ってしまった自分は負け組

    なかなかのボリュームですがアニメに縁のなかった学者がここまでしたのか、といった緻密な内容です

    巷の解説本、謎本が退屈でたまらなくなる

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    2009年10月04日
  • ラヴクラフト全集6

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    今までのラヴクラフト全集と違い、全ての話が繋がっているように思える一冊。
    「未知なるカダスを夢に求めて」はかなり有名な一作ですが、他の「セレファイス」や「蕃神」なども面白いですよ。

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    2009年10月04日
  • ラヴクラフト全集7

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    ラスト!一本一本短くってさみしい!でもおなかいっぱい!このまだるっこしさに、いつの間にかグイグイやられてるのです。

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    2009年10月04日
  • ラヴクラフト全集4

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    [宇宙からの色]
     今考えると、これってラヴォスかな。「インスマウスの影」なんかと比べるとあまり恐いという気はしない(実体が出てこないからか? 挿し絵は恐いものなあ)。ラヴクラフトの宇宙的恐怖というやつは、恐さという面では実は大したことないのかもしれない。

    [眠りの壁の彼方]
     これはホラーなのかなあ。どちらかというとファンタジーじゃないかという気がする。恐くはないけど、眠っていたときに見たことを、現実では新聞で超新星の爆発として確認するというラストは結構いい。

    [故アーサ・ジャーミンとその家系に関する事実]
     これもあまり恐くはない。まあ最後にちゃんと落としてくれるから、そこのところは安

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    2025年09月06日
  • ラヴクラフト全集7

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    ネタバレ

    『イラノンの探求』
    好き!夢を追い続けている間は肉体も意識も若々しいままなの、若さの持つエネルギーとか愚かさを象徴しているようだし、全てが水の泡になった後の急なわびしさ、むなしさも味わいがあって好ましい。
    イラノンのことを知っている人がいなくなる前に夢から覚めることができてよかったのかもしれない。

    『眠りの神』
    分かりやすいオチがある分かりやすい話だった。薬物乱用者に寛容な時代だったんだなあとかあんまり関係ないことを考えたり。
    しかし友人の声を音楽と評するのはすごい。喋る全てが旋律であり詩であるように感じられるなんてこれ以上の褒め言葉ある?熱烈だなあ。

    『忌み嫌われる家』
    家の来歴をとんで

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    2024年11月09日
  • ラヴクラフト全集3

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    初期の作品から最後の作品まで収められた一冊。街並みや教会の描写が、なんとも言えない凄みがあって引き込まれる。読んでいくと現れる、闇に蠢く奇怪な生物。何かわからないまま終わるのに、読むのをやめられない。

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    2024年08月11日
  • ラヴクラフト全集5

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    ネタバレ

    これまでの巻でも時折登場したが、今作では"ネクロノミコン"が頻繁に登場し、巻末に"ネクロノミコンの歴史"があるが、読みずらい笑

    "死体蘇生者ハーバード・ウェスト"は珍しく連載だったようで、話が切り替わるごとに前回のあらすじが展開される。
    やはり後半の、"魔女の家の夢"と"ダニッチの怪"は臨場感があって面白かった。
    "魔女の家の夢"では、主人公がおかしなことに直面しても、きっとこれはこうゆうことだろうと自分自身に適当な理由を言い聞かせることが多々あり、無理があるだろう笑と思い

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    2024年01月01日
  • ラヴクラフト全集4

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    媒介、夢に。身近な場所や未知の地にも現れる恐怖の存在。
    宇宙からの色・・・始まりは隕石。妖しい色彩に浸食されたモノたち。
    眠りの壁の彼方・・・眠りの中に現れる壮絶な風景は記憶か?
    故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実・・・祖先の秘密。
    冷気・・・冷気を求めるあの男の正体は?そして、その死。
    彼方より・・・機械に触発された未知の感覚器官で観た無限の果て。
    ピックマンのモデル・・・画家が描いた醜悪な生き物は実在するのか?
    狂気の山脈にて・・・南極探検隊が到達した未知の山脈で見たモノ。
    資料:怪奇小説の執筆について・・・ラブクラフト自身の考察。
    不可解な存在、憑かれた人々、そして異形の存在。

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    2020年05月20日