大瀧啓裕のレビュー一覧
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媒介、夢に。身近な場所や未知の地にも現れる恐怖の存在。
宇宙からの色・・・始まりは隕石。妖しい色彩に浸食されたモノたち。
眠りの壁の彼方・・・眠りの中に現れる壮絶な風景は記憶か?
故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実・・・祖先の秘密。
冷気・・・冷気を求めるあの男の正体は?そして、その死。
彼方より・・・機械に触発された未知の感覚器官で観た無限の果て。
ピックマンのモデル・・・画家が描いた醜悪な生き物は実在するのか?
狂気の山脈にて・・・南極探検隊が到達した未知の山脈で見たモノ。
資料:怪奇小説の執筆について・・・ラブクラフト自身の考察。
不可解な存在、憑かれた人々、そして異形の存在。
観てはいけない。出会ってはいけない。
でも好奇心に導かれ、行き着く先にあるのは、悍ましい恐怖。
ホラーに宇宙の未知なる存在を加味した効果が効いた作品、多し。
「狂気の山脈にて」は長編でラブクラフトらしさ炸裂の作品。
執筆の1931年頃は飛行機による探検や南極大陸の調査が盛んに
行われるようになった時期でもあり、まだ未知な場所であったのも
事実。当時としての情報から、創造豊かに南極探検を描き、
飛行機や無線をうまく利用して物語を進行しています。
じわじわと正体を現してくる恐怖感。驚愕の古代建築物への侵入。
そして、ネクロノミコン!
冒険&SF&ファンタジー、ホラーが混在しています。
それにしても、目の無いペンギンは怖いなぁ。 -
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ネタバレ・イラノンの探究
頭の中にあるものとごっちゃになった不老不死の人
さいご沼自殺はかわいそす
・木
しょうみよくわかんない、カロース幻覚見過ぎ
ムーシデスまじで、いいやつ。とか思うけどこれは毒殺
・北極星
天体に見つめられがち嫌われがち。受肉したときから人間関係あるの強すぎ。現実と夢と妄想とあるん?
・月の湿原
完全に夢遊病。開拓するときはやっぱり迷信にも気を使おう。火災報知器なったときに寝てたら多分こんな感じ
・緑の草原
結局手紙として送れたんかい、てかそれを読んでたなんで判読不能で判読できたわ。めちゃめちゃ疲れとるよこの人
・眠りの神
朝がくるのが怖いんじゃなくて、朝起きたときに夢のことを思い出すことが怖い。病んどるやんけ。トリップしてるときに世界の深淵を学ぶとかまじで頭おかしい。ヒュプノスが私を取り込もうとしていた?
・あの男
知らない人にはついて行ったはいけません。は、全世代共通。好奇心やばすぎ。時間と空間に制限されてない旅行は悲鳴上げるのも仕方なくね。腰抜けの愚か者めとか唾吐くとかしょうみ、しんどい。死体に連れてかれるのはかわいそうやけど
・忌み嫌われる家
頑張って建てた家の下にそんな病的で名状しがたいものが埋まっててなおかつ家族めちゃ死ぬのはがちでしんどそう。土壌検査てか前に何があったのか調べよぜ。墓の近くてか上?に建てるのはやばくね
・霊廟
魅せられて子孫だったのが運の尽き、と思ってしまうのが凡人の極み。境目がなくなれば通れ、見ることができ、あまつさえ飲みあえる。別に狂気に陥ってるわけでなくてただ横たわりたかっただけなんよ。
・ファラオとともに幽閉されて
現地ガイド怖すぎんか。やっぱ他の神話との組み合わせはガチおもろい。
・恐ろしい老人
きちがいはほっといて、手出すなや
・霧の高みの不思議な家
きれぎれに振りまかれた夢の出どころと繋がれてる橋が場所のわかる家なら若く好奇心のある人、疲れた哲学者を魅了するのは至極当然。碧い暗礁のような底知れぬ海の秘密なんて記憶には留めれない。
・洞窟の獣
よく生き延びた
・錬金術師
祖先の愚行はくそだお
・フアン・ロメロの変容
結局どー変化したのかよくわからん。まーわからなくていいんやけど
・通り
比喩すごいんご
・詩と神々
違和感を信じ、天上に繋がる詩から真実を知った。ゼウスの娘はやばみ。神々にふさわしいものかしら、なんてイケメンすぎんか
・夢書簡.初期設定
断片すぎるのが多いけどまぁまぁおもしろかった -
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久々に読んだら、すごく時間がかかってしまった。
ラブクラフトの創作活動の各時期の
代表作を集めた作品集。
短編七作、中編1作、本人による履歴書が収録。
偶然、或いは自ら深い謎を探求して、
名状し難き者に出会ってしまい錯乱するという定型は、
初期から始まっています。
・ダゴン・・・初期の作品。
短編ながら、その原型となる特色があります。
・家のなかの絵・・・最後が尻切れトンボな感。
・無名都市・・・あの狂える詩人の名が初出。幻想的。
・潜み棲む恐怖・・・邪悪な一族は主人公と何か繋がりが
ありそうだけど、わからぬままで終わり(^^;
・アウトサイダー・・・囚われの主人公が戒めの館から出て
見たものは?描写とクライマックスが秀逸。
・戸口にあらわれたもの・・・インスマウス出身ですか~。
「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」とも類似。
・闇をさまようもの・・・ラブクラフト最後の作品。
雷鳴と停電、群衆が恐怖を掻き立てる。
・時間からの影・・・定型の、SF的&幻想的な集大成。
でも冗漫。読み進めるのが大変でした。
・履歴書・・・ラブクラフトの本質を知る一端になります。 -
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クトゥルフ神話の開祖ラヴクラフト全集6巻。探究者ランドルフ・カーターが夢に見た夕映の都カダスを求めドリームランドを冒険する「未知なるカダスを夢に求めて」を大部分にすえ、「銀の鍵」「銀の鍵の門を越えて」「ウルタールの猫」「蕃神」「名状しがたいもの」ほか読み逃せない作品を全9作収録。
クトゥルフに本格的に興味持ったのはLiarsoftのスチームパンクシリーズからだったので、それだったらドリームランドものだから6巻読むといいよというアドバイスに従い、本当は2巻を読みたかったのですがこちらを先に読んでみましたらこれがなかなか! 面白かった! セレナリアをプレイした人なら「セラニアン」 インガノックなら「インクアノク」 ソナーニルなら「ソナ=ニル」に反応できるはず、そして何よりランドルフカーターにね!
6巻の半分は実は「未知なるカダスを夢に求めて」で、他の8編は銀の鍵の門を越えてがちょっと長いくらいであとは掌編ばかりですごく読みやすかったです。ウルタールの猫は猫好きにはたまらないでしょうね~猫自体がランドルフの味方で、にゃんこに助けてもらいたくなります。にゃん。「名状しがたきもの」もなかなかですが「ランドルフ・カーターの陳述」がホラーとして傑作だと思います。
「未知なるカダスを夢に求めて」は面白いのだけど会話文とかの起伏が無いに等しいので想像力で補わなくちゃいけないのがつらいですねー淡々としてます。まあ翻訳だから仕方ないけど… 最後の展開に一気に惹きこまれましたね~ナイアルラトホテップに騙されてからノーデンスに救われるまでの宇宙的な描写にただただ圧倒されました。ネタバレになっちゃうんですが、求め続けた夢の場所が幼き日の故郷の風景ってのがすごく真理だなぁ…なんて思いました。
次読むなら二巻!ちょこちょこ読んでいきたいからやっぱり買った方がいいかしら。 -
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先に読んだ『ラヴクラフト全集2』から,少し間が空いてしまいました。時間がかかったのは,このところ仕事が忙しくて読むヒマがなかったせいもありますが,難解な文章があって同じ場所を何度も読み返していたせいでもあります。例えば「時間からの影」最初の一文は,「ある種の印象は神話に源を発しているのだと,そうむりやり納得する以外救いようのない,悪夢と恐怖に満ちた二十二年間の歳月を思えば,わたしは,一九三五年七月十七日から十八日にかけての夜,オーストラリア西部で発見したと思うものが,事実であると断言したい気持にはなれない。」──何を言おうとしてるの?と初手から引っかかってしまいました。
文が難しくてなかなかスラスラとは読めませんでしたが,なかでも怖かったのは「潜み棲む恐怖」。雷の轟く嵐の夜に限って村々を襲う謎の化物と,丘の上に建つ不気味な館の廃墟のお話です。かつてその館に住み,村々とは交流もなく,いつの間にかどこかへ消えたマーテンス家の人々は,実は……ということが全て明らかになる結末部分で鳥肌が立ちました。
読みごたえのある分量と内容なのが「時間からの影」。この本の3分の1がこの作品で占められています。5年にわたって記憶喪失となった後もとに戻った大学教授の物語です。記憶がない5年間,奇妙に人格の変わった教授は何をしていたのか,また元々の教授の人格はどこで何をしていたのかが,徐々に明らかになっていくのですが,この感じは怪奇小説というよりSFっぽい感じがしました。結末も,これは気が狂った教授の妄想ではないということが明らかになる証拠がバーンと提示されて終わり,その時に受ける印象は,怖いというよりも面白いというか不思議というか,センス・オブ・ワンダーを感じました。その辺もSFっぽい印象です。
最後に「履歴書」と題して,ラヴクラフトが自分の生い立ちや性質を書いた書簡が収められていますが,これが意外に面白いです。「絵が描けない」と書いているすぐそばにラヴクラフトのかなり残念な自画像が掲載されていて,小説の作風とはあまりにもイメージの違うタッチが笑いを誘います。海産物が大嫌いなのは小説を読めば何となく想像ができますが,チョコレートとアイスクリームが大好物だというのは意外でした。
ほかに,同時代のヒトラーとムッソリーニについて書いている部分と,それに関連して彼が人種と国家をどう考えていたかがわかる部分があって,興味深いです。ラヴクラフトがムッソリーニを「敬服している」と評価しているのは,恐らく彼の大好きな古代ローマの伝統をムッソリーニが復活させようとしていたことと関係があるのでしょうが,一方でヒトラーに対しては「(ムッソリーニの)きわめて劣悪なコピー」と厳しい評価。この辺,両大戦間期の人々がムッソリーニとヒトラーをどう受け止めていたのか知る上でのヒントがあります。「ヒットラーの人種的優越感に基づく政策は莫迦げたグロテスクなものです」と書く一方で,「生物学的に劣っていると考えるのは,黒人とアウストラロイドだけです」と,思いっきり差別的な人種観をさも当然のようにさらっと吐露しています。当時の知識人が人種差別ということに関してどういう考えを持っていたのか,興味をひかれる書簡でした。本題とは離れますけど。 -
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隕石が落ちた農場でじわじわと広がっていく恐ろしい変化を描いた「宇宙からの色」や,いつも部屋を閉め切って強力な冷房をかけている風変わりな医師の正体を描いた「冷気」,そしてラヴクラフト最大の長編作「狂気の山脈にて」などが収められています。ラヴクラフトの怪奇小説は,幽霊や妖怪が出てくるような類のものではなくて,むしろ科学的なアプローチから描かれたSFっぽい感じの作品が多いなと感じていましたが,この『全集4』はまさにSFそのもの。と思ったら訳者あとがきに「科学に比重の置かれた作品を中心に構成した」と書かれていたので,あえて全集の中でも特にSFっぽい巻にしたようです。
翻訳は相変わらず重厚で,私のように軽く本を読みたいと思う者には大きな壁にぶちあたったように感じられます。しかし苦闘した甲斐はあったように思いました。特に「狂気の山脈にて」は,南極探検の話から数千万年前の文明の話になり,しかもそれを築いた種族が宇宙からやってきたということで時間的にも空間的にもものすごい広がりを持った物語になります。怖いというよりSFとして面白いと思いました。
今回の全集にもラヴクラフトの書簡が収められていて,これがまた興味深いです。ラヴクラフトは,怪奇小説を書く時は「最大の力点は微妙な暗示に置かれるべきです」と書いていて,なるほどなと思わせます。彼の作品はどれも,恐怖の実体がなかなか姿を現さず,結局最後まで何だったのかわからないこともしばしばで,作品の語り手となる登場人物も「言葉に言い表せない」とか「口にする気も起きない」とか言ってはっきりとは語ってくれないことが多いです。それまでに明らかにされた様々なヒントから,想像力をたくましくしないと何が怖いのかわからないという仕組みで,彼の怪奇小説を読むには彼の説明していることを十分に理解する言語能力と,それを組み立てて空白を補う理性的な想像力が不可欠になります。
「SFとして面白い」とか言ってる私は,想像力が足りないのかもしれません。 -
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1巻目を読んだのは、大学時代に郵便局でアルバイトしていたときという記憶があるので、少なくとも15年以上はたっているということです。
その間に、クトゥルー神話も、だいぶんメジャーな存在になってきたなぁと、ちょっと感慨深いです。
さて、恐怖ものというか、コズミックホラーから読み出したラブクラフトですが、実は、わたしが1番、性にあったというかしっくりきたのは、実は、夢の国の物語群でした。
この7巻は、その夢の国の物語や、ホラーの習作という感じの作品が集まっています。
有名どころは訳し終わっていて、小粒な作品です。
ただ、夢の国の物語とホラーとを繋ぐような作品も、けっこう収録されていて、それなりに楽しめました。 -
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この巻にはクトゥルー神話の「体系」が形成される以前の、萌芽のような作品が集められるということらしい。
相変わらず会話文がほとんど無い上に地の文も妙に読みづらいラヴクラフトの書法だが、印象的な作品が2つはあった。
「死体蘇生者ハーバート・ウエスト」(1922)は、確かに以前スカパーで見た映画の原作だ。何という映画だったかは忘れた。ホラー小説として優れたストーリーではあるが、雑誌連載であったためか、後続の章でまえの章の内容がくどく反復される箇所が沢山あって少々呆れてしまった。これが無ければ傑出した短編と思う。
「ダニッチの怪」(1929)は新潮文庫版の「新訳」アンソロジーにも収められており、記憶によく残っている印象の濃い優れたホラー。
本書を通して例の架空の本、アブドゥル・アルハザード著『ネクロノミコン』が何度も言及される。ラヴクラフトはよほどこれが気に入っていたらしい。このような複数作品を渡り歩く要素は体系というより執着的なライトモティーフのように思える。手塚治虫のマンガで同一の人物(ヒゲオヤジ、ロック等)がたびたび起用される俳優であるかのように、異なる作品で再登場してくるシステムにも似ている。
そのように反復された執着が積もりに積もって、ラヴクラフトは晩年に至ってクトゥルー神話と呼ばれる「体系」に近いようなものを記述するのだが、私はその「体系」の内容には興味は無いものの、強迫的に反復されるイメージへの固執が循環し続ける、心的システムのありようには惹き付けられるものがある。