庄野潤三のレビュー一覧
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「絵合せ」の続編的作品。長女の結婚式前後の家族の生活が、いつもの筆致で綴られる。『昭夫と良二』というタイトルが表すように、結婚という一大事よりも、兄弟のふざけ合いやけんか(といっても、いつも弟が一方的にやられるのだが)の話題が目立つ内容になっていて、この辺りにも、日常を描くことへの作者のこだわりが感じられた。
もともと岩波書店の児童書シリーズの1冊とのことで、のちに少年文庫にも入っている。で、小学6年生以上を想定していることもあってか、文芸文庫版『絵合せ』収録の諸作品よりも、読みやすい。とはいえ、この淡々とした作品を当時の小中学生がどう受け止めていたのかを、知りたく思った。小学生の私には、読 -
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温かな家庭
本の根底に流れているものがとても丁寧な暮らしを営む温かな暮らし。読んでいるこちらまで善い人になって行くような貴重な暮らし。 昭和のとても丁寧な暮らしぶりが浮かびます。
家族のその後が知りたくなる本です。爽やかとは違う温かさを感じます。
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Posted by ブクログ
昭和39年9月から40年1月まで日経新聞夕刊に連載された家族の日常を描いた小説。
丘の上に家を建てた著者と家族を、大浦家の5人家族として表し、淡々と描いているが、家族のユーモラスな会話が散りばめられ、全体的に温かくほのぼのとしている。 四季の自然が詩情豊かに描かれているのも特徴。
長男で中学生の安雄が帰り道、毎日、梨売りの爺さんから梨を買う話、大浦の細君が刺されたことから広がっていくムカデの話、細君が、次男の正次郎の風邪を大根おろしと梅干し入りのお茶で治そうとする話など、興味深く面白かった。
今のように贅沢な物が溢れる時代ではないからこそ、生き物や自然に目が向き、素朴ながらも家族の団欒