庄野潤三のレビュー一覧
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昨日、帰りの電車にて読み終わった。ちょうど今任されている手紙入力の仕事と重なる、夏子さんからの手紙を題材にした作品集だったので、もしかしたらと思ったが、入力した手紙が作中に出てきたので嬉しく驚いた。「誕生日の祝い」「足柄山の春」あたり、何通か思い当たるものがあった。気づいていないだけで、あと何通もそういったものがあったように思う。夏子さんの歯槽膿漏の話(113頁)、猫を捕まえるための「すごい仕かけ」(130〜132頁)や、宝塚に行った日の思い出(142頁)など、読んでいて嬉しい気持ちになった。特に宝塚に行った日の思い出は、庄野潤三が脳出血で倒れ、リハビリを重ねて、大外出できるようになったこと -
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ネタバレ地元のアルバイトしていた書店の古本屋コーナーにあった。先生が解説を書いている!と思い、880円ですこし高いけど買った。
何回も声を出して笑ったなあ。明夫と良二のやり取りは兄と弟によくありそうな出来事ばかりなのに、つい笑ってしまう。ちょっかいをかける兄とそれに困る弟の姿をこんなに楽しく読ませることができるのすごい。今年読んだ小説のなかで三本の指に入るくらい好きだったかもしれない。
解説を早く読みたくて買ったところもあったのに、小説が好きすぎてむしろ落ち着いた気持ちで先生の解説を読めた。長女・夏子さんの文章も書かれていて、すごくよかった。 -
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はっきり言って何も起きない、筋書きがあるともいえない、ないないづくしの家族小説(大きな出来事は落雷くらい)。なのだけれど、この平凡な家族の生活をいつまでも見ていたいような、不思議な気分に浸ってしまった。そう思わせるのは、解説が指摘するように、結局はこの平凡な生活が永遠には続かないことへの切なさが、背後に流れているからだろうか。
本作は、1964年9月~65年1月の『日本経済新聞』夕刊連載小説。つまり、東京五輪とまさに同時期なわけで、五輪の「華やかさ」で印象付けられる年に、こうした静謐な作品が連載されていたことに、高度成長という時代の多面性も感じた。 -
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昭和39年に新聞に連載された小説
大阪から東京の丘の上の一軒家に越してきた
大浦一家
風除けの木の選定に悩む物書きの主人とその妻
3人の子供達の日常が主人の目線で語られていきます
ムカデに刺されたり雷が家の中に落ちたり
と事件らしいこともあるけれど
夏休みの宿題を子供達以上に必死に段取りをする両親 ぼんやりとなすがままの子供達の姿に既視感を覚え
父と息子がお昼ご飯の時一緒にお湯を沸かす一部始終が妙に可笑しかったり
家族以外の人達にはどうでも良い
平凡でつまらない家庭内の出来事や約束事が
何でこんなに面白いんだろう
読みながらずっとニヤニヤしていて
そして思い出した
気がついた
家族との