【感想・ネタバレ】ザボンの花のレビュー

あらすじ

家庭や生活のいとおしさ。生活を愛し慈しみ、多くの人の心をつかんだ庄野文学の「家庭小説」の始まりであり、のちに名作『夕べの雲』に発展していく魅力の長篇小説――『ザボンの花』から庄野潤三独特の家庭小説が始まる。これは、著者にとって最初の長篇小説であり、麦畑の中の矢牧家は、彼がまさに創りつつある、新しい家庭であり、生活を愛し育んでいく本質と主張を、完成度の高い文学作品にしあげている。一生のうち、書くべき一番いい時に書かれ、やがて『静物』『夕べの雲』へ続く作品群の起点でもある。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

郊外に越してきた、父、母、三人の子どもたち。
彼らの平凡な暮らしが、彩り豊かに描かれる。
雲雀を追いかけて、えびがにで大騒ぎして、ゴムだんで遊んで、はちみつをつまみ食いして、アフリカに思いを馳せて、花火して…。
何気ない日常が、これほど愛おしいものとは。
騒がしく、楽しく、すこしとぼけて、愛らしくて、ほんの少し寂しさを感じて。
ずっと彼らの暮らしを見ていたくなる。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

1955年に『日本経済新聞』に連載された長編家族小説。つまみ食い、子どもの留守番、ヤドカリ飼育など、日常的な話題でここまで展開する点に、庄野潤三らしさが表れている。同じく新聞連載で著名な『夕べの雲』と比べると、まだ試行錯誤といった部分も感じた。

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2024年07月24日

Posted by ブクログ

昭和30年頃に、大阪から東京の田舎に引っ越してきた矢牧家5人の物語。巻末の解説には平凡な家族の生活の底に渦巻く「不安」や「危機」といった難しいことが記されている。しかしそれらは重要なことではないのではないだろか。昔よりも今の方が民主的で平等でいい世の中になっていると思う。でも抑圧され閉塞された当時の時代の中で、貧しいがゆえに豊かで伸び伸びした人々の心が、時代を超えて伝わってくる。それが大事だと思う。

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2019年09月17日

Posted by ブクログ

かなり穏やかなサザエさんみたいな小説。

一つの家族の日常風景。
戦争を体験した人(多分)だから、当たり前の日常が非日常的幸せだと感じたりしたんだろうなと思った。

読んでいてほのぼのした気持ちになって、読書として楽しめたけど、私にはただそれだけの小説だった。

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2024年10月29日

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