庄野潤三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1967年から71年にかけて発表された、著者の短編作品10編を収録しています。
長女の和子と、明夫、良二という二人の息子とともに暮らす家族のすがたがえがかれています。最後に収録されている「絵合せ」では、和子が他家に嫁ぐことがきまっている家族の一コマがえがかれていますが、それ以外の諸編でも、二人の息子の成長していくようすがうかがわれます。いつまでも変わることのないように見える、何気ない家族のひとときのなかにも、意識に上ることのない無数の変化をはらんでいることに気づかされます。
「星空と三人の兄弟」や「さまよい歩く二人」では、家族の日常の出来事を、グリム童話の話になぞらえつつ語られているところ