梅田望夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレウェブ時代をゆく
いかに働き、いかに学ぶか
前著「ウェブ進化論」の思索をブログという道具を駆使して深めています。これからの若い人にエールを送っているとても感銘を受ける本です。
ウェブが進化してもうひとつの地球となった時の職業、リーダーシップ、知の集積、組織論が、著者の経験や知見を交えながら語られます。著者が何度も書いているように、非常に楽観的でポジティブな論調です。しかし楽観的であることを意識しつつも新しい可能性を提示することによって若い人への頼もしいエールとなっています。
竹蔵が勤めている外資系の会社では、「どんな人でも、立派な仕事、創造的な仕事をしたいと望んでおり、適切な環境があれば、必ずそうなるものだ。」という理念で会社が運営されています。こういったシリコンバレーのマインドセットが本書の中でも語られ、進化したウェブの世界でのある種の共通のマインドとなるのではないかと著者は考えているようです。
いづれにしても、これからの半世紀くらいでもうひとつの地球に人類の叡智が整理・集積された時にどういった変化が起こるのか?WEB2.0という概念を超えた想像できないような新しい知性や組織によって全く新しい地平が開拓される可能性を思うとわくわくしてくると共に、これからの自分自身の働き方、目標設定の仕方に関してとても良い刺激になりました。
若い人(若いと思っている人)に是非読んでもらいたい一冊です。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
主にインターネットがどう世界を変え,ゆえにこれからどのようにインターネットを使って生きていくべきかが書かれているが,”インターネット”を”AI”に置き換えても概ね成立する内容.
・どんな分野でも学習の高速道路を進めばある程度のレベルまでは誰でもスッと進める.ただしそこで大渋滞が発生していることがあるので,そこで粘るか高速道路を降りてその知識を別で活用するかを選択すればよい.まずは好きな分野でどんどん進もう
・グーグルが成功した理由は,広告産業をどう変えるかという「経済のゲーム」ではなく世界の情報をどう整理すべきかという「知と情報のゲーム」を戦ったから.
・流しそうめん型情報処理.そうめん(情報)は無限なので,食べたいときに食べ,それ以外は流しておく.「無限の情報」と「自らの有限の志向性」を直感的にマッピングする感覚=膨大な情報を遮断せず大切な情報を探し続ける能力=パーソナルカミオカンデ
→信号をキャッチしたら行動に移す.①時間の使い方の優先順位を変えて勝負する②そのためにやめることを先に決める(時間は有限)③長期になりたい自分と短期になれる自分を意識する
・「in the right place at the right time(正しいときに正しい場所にいる)」が人生のすべて.突き詰めて言えば,誰かの心に印象を残し,大切なときにその誰かから誘われる力.そのためには,常識的に,少し積極的に日常を丁寧に生きることにほかならない. -
Posted by ブクログ
何と、15年強も前の本だったということにびっくり。たしかに、FacebookやTwitter、スマホが一般化する前の時代として語られている。当時でも十分にネット社会の到来を思わされていたけど、いまになってみれば隔世の感あり。特に梅田さんの予測的発言なんか、2022年のいまとなってはどうだろうなんて底意地悪く読んでみたんだけど、けっこう的を射たこと言ってたんだなという印象。
当時にしてどっぷりウェブ社会にハマっている梅田さんと、ちょっと懐疑的に見ている平野さんの対話が面白い。平野さんのほうがだいぶ頭カタいなあという印象。自分もどっちかというと、(いまでもなお)平野さん寄りだけどその自分ですらそう思う。
でもそれって、ウェブ社会のとらえ方しだいなんだなとも思った。あくまでもポジティブに楽観的に先を見てウェブ社会の台頭を歓迎する梅田さん。平野さんが懐疑を呈しても、その切り返しになるほどそうかも、と思わせてしまうものがある。なかなかの論客のはずの平野さんがちょっと形無しな感じ。それって、従来の枠を軽く凌駕してしまう……具体的にいえば、平野さんが誰であろうと忖度せず発言する梅田さんのような……ウェブ社会の人たちならではといえるとも思う。
みんなの良心で世のなかを変えていかなければ的に述べる平野さんと、自分の楽なほう、したいほうへ向かっていけばいいという梅田さんも一見対象的。でも、ポジティブに楽観的に考えれば、みんながそれぞれの望む方向へ進んだ先がみんなにとって居心地のいい世界になる可能性もわりとありそう。つまり、ウェブ社会って根底に悪意がない世界とみなすべきってことかなと思った。
ウェブ的な世界って敬遠傾向にあるんだけど、見方が変わったというか、ウェブ的な世界をポジティブに見る視点を知った。スター・ウォーズ信奉者の集まりだってこととかね。 -
Posted by ブクログ
Web2.0が何たるか?をGoogleという会社の方針とビジネスモデルの凄さを引用して紹介。自分が思っていた以上にインターネットの登場がIT業界全体をも巻き込んでいたことにあらためて驚きました。
IT業界の最前線にながら、この本を読んでいなかったことを恥じなければなりませんね。本当に衝撃的な作品であり、かつ著者の梅田さんの文章力によってぐんぐん引き込まれていった。Web2.0って、何なの?って、いまさら聞けないよ・・・っていう人には是非とも読んでもらいたい名著です。
これなら皆の評価が高いのも頷けます。
これから先、自分が生きていくドメインを考える良い機会にもなりました。
(追伸)
この本を読んでから、ネットと深く関わっていくことを誓い、Googlerになりました(笑) -
Posted by ブクログ
本書から学んだ点は、以下の三点。1.好きを貫く精神 好きなことを貫き通すことこそ、人生の目的。何かを探求し極めることこそ男(女)の本懐である。ネット社会はそれを実現する手段になりえる。Rubyの開発者まつもとゆきひろ氏はこれの実現者である。 この言葉は、論語の名言「それを知るものはそれを好むものに如かず、それを好むものはこれを楽しむものに如かず」に通じる人類不変の真理である。2.オープンソースの成功の陰に「人生をうずめている人」あり。 emacsの著者ストールマンからも高い評価を受ける日本を代表するハッカー石黒邦宏氏の言葉である。オープンソースプロジェクトを成功と失敗とに二分するファクターが、この「人生をうずめている人」がいるかどうかということ。ビジネスにおいても正にそうだろう。私が尊敬するビジネスパーソンもそういう人だった。3.Only the paranoid survive intelの元CEOアンディ・グローブの言葉。paranoidとは病的なまでの心配性。ゴルゴ13の「俺はラビットだから生き延びた。タイガーだったらここにはいない」を髣髴させる。グローブほどの頭脳の持ち主でさえ、こういうことをプラクティスにあげる。強い精神こそ、すべてに優先される最重要事項である。 本書は間違いなく一級品。ソフトウエア開発者のみならず、ネット社会に適応して、知的好奇心を満足させながら生きて行きたい人にお勧めしたい本である。
-
Posted by ブクログ
将棋の世界が ウエブの世界と共通している部分がある
という 梅田望夫の指摘は 結構おもしろい。
そのなかで なぜ 羽生善治が そんなに強いのか?
ということに 焦点を当てる。
情報化時代は オープン化されることで共有される。
知的所有権がないという世界は残されたものは、
『創造性』しかない。
その『創造性』はつねに模倣される。
つまり 進歩は加速度的にならざるを得ない。
そこからは モノ開発ではなく、仕組み開発でしか
生き残れないのかもしれない。
中国のことを考えると
知的所有権はないと同じ状態なので、
たしかに、モノマネで 高速道路を走ることができるが
結果として 創造性というところで
『渋滞』が起こっているのである。
この本の中心的なテーマは、ここにつきるかもしれない。
誰にも見えない未来をつくることこそが 求められている。
そういう前提の中で 羽生善治がなぜ強いのか?
を追及する。
『闘う相手の棋士としての本質を、
極めて抽象度の高いところで、掌握していることにある。
将棋に負けた以上に、
自らの人間としての本質を掌握されたうえで、
敗れたと感じ、
それがより深い痛手になるのではなかろうか?』
1 人間としての強さ。
複雑さを解明する日常を喜ぶ生活。
過去の圧倒的な実績。
森羅万象 複雑な事象の本質を抽出し、
シンプルにものごとを見る明晰さ
俯瞰的な視座をもつ合理主義。
2 将棋の神に対する忠誠度の強さ。渾身没頭。
一般化するならば、専門分野に没入する強さ。
苦労を苦労とおもわず
楽しみながらその苦労を続けている。
より複雑な局面に遭遇する時に
無上の喜びを感じている。
将棋の進化に身をゆだね、予期せぬ結論を真理として
受容する心構えを有し、
だからこそ 誰よりも真理の探究に情熱を燃やしている。
3 対戦相手との関係性において
盤上で棋士として発揮する強さ。
オールラウンドプレイヤー。
渡辺明、佐藤康光が いいポジションをもっている。
量から質に転化する瞬間が いつあるのだろうか。
人間と人間の戦いの中で
頭脳しか頼ることができない怖さ。
それを まざまざと見せながら、
羽生善治は切り開いていく。 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく面白い。
高校1年の娘が、高校から進路…大学選択、職業選択の参考にと紹介されていた本の一冊。
「好き」を見つけて育てるための思考法…
「ロールモデル思考法」
「好きなこと」「向いたこと」は何か漠然と自分に向けて問い続けても、すぐに煮詰まってしまう。その答えを外界に求める。
直感を信じて、外界の膨大な情報に身をさらし、「ロールモデル(お手本)」を選び続ける。「ある人の生き方のある部分」「ある仕事に流れるこんな時間」「誰かの時間の使い方」「誰かの生活の場面」など、人生のありとあらゆる局面に関するたくさんの情報から、自分と波長の合うロールモデルを丁寧に収集するのである。
自分の内から湧き出てくる何かが具体的に見えずとも、「ある対象に惹かれた」という直感にこだわり、なぜ自分がその対象に惹かれたのかを考え続ける。たくさんのロールモデルを発見することで、自分の志向性について外側の世界からはっきりとした形で顕われてくる。
↓
「生きるために水を飲むような読書」
「読書」は、「自分の志向性の発見」のための道具
「ブログ」を書く
「ネット上で面白かったサイトにリンクを張りつつ感想を書く」
人や本やニュースなどの情報との出会いの中で感じる「面白かった」という直感
「自分と波長の合う信号を探す」
ブログで記録し続けることは、ロールモデルの引き出しを増やしていく。
「人を褒める能力」=「ある対象の良いところを探す能力」
批判ばかりをすると、思考回路がネガティブになり、自己評価も低くなる。けなす対象は自分にとっての雑音。それにかかわり粗探ししている時間はもったいない。
上記に部分に、すごく共感した。
最近、読書本を読むと、一度の読書で内容を頭に入れるために、ラインを引いたり、メモしたりという方法の本を何冊か読んだが、ピンとこなかった。同じ本を読んでも、人それぞれ、引っかかるところが違う。自分発見のために読書している。本で読んで、「そうそう、そうだよね~」と思うと嬉しくなる。まさに、「生きるために水を飲むような読書」を私はしているのだと思った。 -
Posted by ブクログ
これは間違いなく「トンデモ本」だ。その爆笑性ゆえに5点満点である。2006年刊行であるため8年たって「トンデモ本」になってしまったともいえるが、何せ梅田何がしという「はしゃぐ猿」のはしゃぎっぷりがそもそもトンデモない。まず言っている事すべてが猿でもできる後知恵でしかない。刊行当時はそれこそ未知なものとしてのインターネットの権威としてかなりの人数をわかったような気にさせたことは想像できるが、8年たってのこのWEBを取り巻く世界がひとつも、本当にただのひとつも想像すらされていないところがともかくトンでもない。「10年から15年先のことは正確に予想できる」と自慢げに語り、グーグルのすべてを理解していると胸を張る梅田某が、次から次へと語るに落ちて、ボロボロと皮がはがれていくさまは爽快感すら覚える。平野はさすがの作家たる想像力で、LTEやスマホの普及や、形而上的な予想されうる「闇」について言及しているが、いちいちその鋭い洞察をわきに押しやって、おだてられるままに木にどこまでも登っていく「はしゃぐ猿」梅田。
声を出して突っ込みを入れながら、2014年の今こそ爆笑できる一冊である。 -
Posted by ブクログ
800字の中でレビューを書くのが難しい本である。
なので、思いつく事を箇条書きにすると・・・
�本書は、良書である。20代後半から30代で出会うといい。きっと何らかの人生や仕事に対する示唆を与えてくれる。(現代におけるスペシャリストとゼネラリストの岐路までとその後の生き方に自信を与えてくれるハズ)
�梅田流「知的生産のすすめ」は、「群集の叡智」への参加と関わりは、主体性と開放性を基本としているので他人事とするか自分事とするかにより自分の成長が規定されるという点が極めて明快である。
�これからの社会を情報共有を前提とした社会と規定することでナリッジマネジメントの手法論と決別した。ネット社会の向こう側に情報蓄積することを強く勧めることにより「群集の叡智」の円滑な推進を意図した。
�ヒトの善性にたって、ネット社会を論じている。(ポジティブなのがいい)
きっと、まだまだ読み込めばあるハズであるが思いつくままでも以上の如しである。
実は、「古い職業」に属する40代も読むといいと思った。
きっと力が出る。 -
Posted by ブクログ
シリコンバレーの流儀
第一に、事業の成功・失敗はあくまでもビジネスというある世界でのゲームで、
それを絶対に人生に反映させないこと。
第二に、事業というのは「失敗するのが普通、成功したら凄いぞ」という
ある種いい加減な遊び感覚を心の底から持つこと。
「成功するのが当たり前、失敗したら終わり」という
まじめな発想を一掃しなければならない。
第三に、失敗したときに、「投資家や従業員や取引先といった関係者に迷惑がかかる」という考え方を捨てること。皆、自己責任の原則で集まってきているのだと、自分勝手に都合良く思い込まなければならない。
成功するプロスポーツ選手が厳しい練習による自己研鑽を怠らないのと同じように、シリコンバレーの起業家たちも実によく頭を使い、実によく勉強する。
「アーリー・リタイアメントのゴール」とい概念は、
「若いときに勢いで稼ぐ金」を頼りに「老いの不安」を払拭しようとする
精神安定剤のような意味もあり、長い目で見れば
「両刃の剣」のような性格を併せ持っているのだ
「シリコンバレー精神」の根底に流れる「好きで好きで仕方ない」こととは、
自分にとって何なのか。どうせ一生仕事を続けていくのなら、
そのことを突き詰めていくしかないんおではないか。