寺田寅彦のレビュー一覧

  • 科学と文学

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     ほとんどが昭和初頭に書かれたものであるのに、明晰で古さを感じさせない寅彦の文章である。
     連句について、音楽の楽章との対比で論じている「連句雑爼」は、その着想はとても面白いと思われるのだが、いかんせん連句の素養が全くないので、残念ながら文字面を追うだけになってしまった。

     「科学と文学」は、共通性もなく一見正反対の関係にあるように見える科学と文学の関係について、様々な角度からその共通性を論じていく、物理学者であり文学者であった寅彦の面目躍如たる文章である。

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    2020年11月17日
  • 漱石先生

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     こういう形で一冊を編んでもらえると、また違った角度から寅彦の文章を味わえる。

     何よりも感じられるのは、師漱石に対する敬愛の念である。漱石だからということもあるのだろうが、当時の濃密でいて、だからと言ってベタついたところのない関係が偲ばれる。  

     特に本書からは、漱石の句作について、いろいろと教えられるところが多かった。 

     また、『根岸庵を訪う記」他子規に関する文章も多く収められているが、その跡家に最近行ったばかりなので、当時とは地形なども変わってしまったのだろうが、しみじみしたものを感じる。

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    2020年07月27日
  • 科学歳時記

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    久々に寺田寅彦に触れた気がする。
    読んでいると、小学生の頃に感じていたような、季節の匂いや、人の家のよそよそしさ、祭の時の変な賑わいと一体感なんかが蘇ったのだった。

    この一冊を読んでいると、色んな人が現れる。
    いや、まあ、そんなことは当たり前なのだけど、腕のない人、足のない人、病んだ人、商いをする人。
    それぞれにどこか、不整合な感じのする人たちが現れることに、逆説的な生を感じる。

    また、家の中が見えて、声が聞こえてくる。
    どんな暮らしを営み、表情をし、道端で物を売る声が響いているかが、よく分かる。

    今の日本は、誰も彼も同じなのだ。
    サラリーマンなんて言葉がいけないのかもしれないが、誰と誰

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    2020年07月13日
  • 柿の種

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    「学者であって、しかも同時に人間であることがいかにむつかしいものかということをつくづく考えさせられ」たりする、情緒ある科学者の随筆。蟹を持つ男の息子や島田を結う娘、庭の花壇の栄枯盛衰などなど、日常に思いを寄せている。「なるべく心の忙しくない、ゆっくりとした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読んでもらいたい」という著者の願いがしみじみ伝わってくる。昭和初期(1933年)に書いているというのも、歴史を振り返れば皮肉でもあり、また永遠でもある。

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    2019年09月09日
  • 天災と日本人 寺田寅彦随筆選

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    100年前に描かれた今日 東日本大震災を機に注目が集まっている寺田寅彦の随筆集。実際、この書籍も震災後に発売されたものである。
    時代がもう100年前近いのであるから、所々おかしく感じるところはある。しかしそれ以上に、変わらない日本人の意識・価値観、それを鋭く切り取る寺田先生に恐れ入る。震災で始めて判ったかのように言われる「過去からの伝承の重要さ」とか、「震災後におけるデマの信用の無さ」とか、100年前の人がとっくに言っていて、何も変わらない事実に少し落胆する。

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    2025年12月28日
  • 天災と国防

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    名大の福和先生が著書で何度も引用していたけれど、そこまでの濃密さがある訳ではない。
    むしろ、雑記的な性格の強い本と思った。

    そんな中でも、
    「人が絡んでいるからこそ完全な対策は無理」
    「優先学的災害論(防災できる人が生き残る)」
    「災害とメディア(大げさに切り取る?)」
    といった点は印象的。
    また、ラストの「厄年とetc.」は、40前後にして惑っているような哲学的内容。

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    2018年09月15日
  • 神話と地球物理学

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    神話と地球物理学

    これまでに、何回か教えられた説で目新しさに欠けている。

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    2018年01月14日
  • ちくま日本文学全集寺田寅彦

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    ちくま日本文学全集035。

    寺田寅彦。
    夏目漱石の弟子で、物理学者ということだけは知っていました。

    理知的で啓発的な作品を書く人、面白くないだろうなあという先入観があったんですが、冒頭の「団栗」というエッセイを読んでイメージがかわりました。ああ、こういう哀切なことを書ける人なんだ。

    一番面白いのは「自画像」という、油絵を描き始め、自画像に取り組んだときのことを綴った作品。
    吹き出しそうになるところもあります

    それにしても、どの作品も端正な文章です。
    学校の教科書にふさわしいぐらい模範的といったら悪口になるのかな。
    やはり、頭の良い真面目な人だったんだろうと思う。

    寺田寅彦は明治11年

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    2017年11月09日
  • 柿の種

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    寺田寅彦随筆集に比べ、より短く手軽に読めるエッセイを集めた一冊だと思われる。

    忙しい現代の人向け、なのかもしれないが、寺田寅彦の一番カッコいいところも薄まってしまっているので、もし人に最初に勧めるならこれではなく随筆集の方にしようと思う。

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    2017年01月01日
  • 寺田寅彦 科学者とあたま

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    岡潔もすごいが、寺田寅彦の随筆も本当にすごいと思っていつも読んでいて感動する。

    賢さが研究にとっては必ずしもプラスではないこと。スイスイ先に進めることが結果に繋がるわけではなく、小さなことに躓けるかどうか。発見とは、そこから始まるのだと言う。

    この人はそれを正に体現しているからすごい。

    『西洋の学者の堀り散らした跡へ遥々後ればせに鉱石の欠けらを捜しに行くもいいが、われわれの脚元に埋もれている宝をも忘れてはならないと思う。しかしそれを掘り出すには人から笑われ狂人扱いにされる事を覚悟するだけの勇気が入用である。』

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    2015年12月21日
  • ちくま日本文学全集寺田寅彦

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    人魂の一つの場合
    俳句の精神
    化物の進化
    団栗
    地図を眺めて
    天災と国防
    怪異考
    日常身辺の物理的諸問題
    日本楽器の名称
    映画と連句
    映画時代
    比較言語学における統計的
    物売りの声
    物理学圏外の物理的現象
    病院の夜明けの物音
    研究法の可能性について
    神話と地球物理学
    竜舌蘭
    簑虫と蜘蛛
    糸車
    自然界の縞模様
    自画像
    芝刈
    蓄音機
    西鶴と科学
    連句の独自性
    銀座アルプス
    電車の混雑について
    鳶と油揚

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    2015年06月21日
  • 天災と国防

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    関東大震災の頃に書かれたとは思えないくらい今の状況にぴったりと当てはまる意見が多かった。人間は学ばないいきものなのね。

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    2012年12月03日
  • 宇宙の始まり

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    タダなら

    タダならかなりいい線では

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    2012年06月19日