寺田寅彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ちくま日本文学全集035。
寺田寅彦。
夏目漱石の弟子で、物理学者ということだけは知っていました。
理知的で啓発的な作品を書く人、面白くないだろうなあという先入観があったんですが、冒頭の「団栗」というエッセイを読んでイメージがかわりました。ああ、こういう哀切なことを書ける人なんだ。
一番面白いのは「自画像」という、油絵を描き始め、自画像に取り組んだときのことを綴った作品。
吹き出しそうになるところもあります
それにしても、どの作品も端正な文章です。
学校の教科書にふさわしいぐらい模範的といったら悪口になるのかな。
やはり、頭の良い真面目な人だったんだろうと思う。
寺田寅彦は明治11年