寺田寅彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久々に寺田寅彦に触れた気がする。
読んでいると、小学生の頃に感じていたような、季節の匂いや、人の家のよそよそしさ、祭の時の変な賑わいと一体感なんかが蘇ったのだった。
この一冊を読んでいると、色んな人が現れる。
いや、まあ、そんなことは当たり前なのだけど、腕のない人、足のない人、病んだ人、商いをする人。
それぞれにどこか、不整合な感じのする人たちが現れることに、逆説的な生を感じる。
また、家の中が見えて、声が聞こえてくる。
どんな暮らしを営み、表情をし、道端で物を売る声が響いているかが、よく分かる。
今の日本は、誰も彼も同じなのだ。
サラリーマンなんて言葉がいけないのかもしれないが、誰と誰 -
Posted by ブクログ
ちくま日本文学全集035。
寺田寅彦。
夏目漱石の弟子で、物理学者ということだけは知っていました。
理知的で啓発的な作品を書く人、面白くないだろうなあという先入観があったんですが、冒頭の「団栗」というエッセイを読んでイメージがかわりました。ああ、こういう哀切なことを書ける人なんだ。
一番面白いのは「自画像」という、油絵を描き始め、自画像に取り組んだときのことを綴った作品。
吹き出しそうになるところもあります
それにしても、どの作品も端正な文章です。
学校の教科書にふさわしいぐらい模範的といったら悪口になるのかな。
やはり、頭の良い真面目な人だったんだろうと思う。
寺田寅彦は明治11年