天災と国防

天災と国防

ビジネス・実用
1,078円 (税込)

5pt

標題作「天災と国防」ほか、自らの関東大震災経験を綴った「震災日記より」、デマに対する考察「流言蜚語」など、地震・津波・火災・噴火などについての論考やエッセイ全十二編を収録。平時における備えと災害教育の必要性など、物理学者にして名随筆家ならではの議論はいまだに有効である。天災について再考するための必読書。(講談社学術文庫)

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

天災と国防 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    今でも十分通用する 寺田寅彦の災害についての随筆を集めた本。
    防災や防災教育について多くの提案がされている。

    「日本はその地理的の位置が極めて特殊であるために国際的にも特殊な関係が生じ、いろいろな仮想敵国に対する特殊な防備の必要を生じると同様に、気象学的地球物理学的にもまた極めて特殊な環境の支配を受けているために、その結果として特殊な天変地異に絶えず脅かされなければならない運命の元に置かれていることを1日も忘れてはならないはずである。」(天災と国防)

     「神話と地球物理学」では、記紀の様々な記述は古代の天変地異を表現しているのではないかという記述がとても面白かった。

    また、畑村洋太郎氏の解説も読みごたえがあった。

    0
    2026年01月18日

    Posted by ブクログ

    今に通じる内容。
    陸海空軍以外に、第4ジャンルとして新たな天災対策軍を作った方が良いのでは、というのには納得させられた。今ではそういうのもあるんだろうけど。
    あと、旧来からの建物がなぜ壊れないかと言う論で「自然淘汰」の話が出てきたのが興味深かった。天災に逆らおうというのは現実的ではない。だからその天災から安全地帯に逃げた結果、被害が少なくて済む場所に自然に集落ができた、と。
    今回の大震災の津波被害も、沿岸部から山に集落が移動するきっかけになるんだろうか。どこが安全だなんて言い切れないのが現実だが。

    0
    2013年09月26日

    Posted by ブクログ

    地球物理学者にして、夏目漱石の文学上の弟子でもあった寺田寅彦のエッセイ。

    特に、昭和八年に東北を襲った大津波に関するエッセイ『津浪と人間』は、そのまま今回の東日本大震災に用いることができるものだ。三陸大津波、昭和八年の大津波での教訓を、後世のわれわれに伝える内容である。

    逆に言えば、われわれは何も進歩していないということか。

    0
    2012年03月24日

    Posted by ブクログ

     本書は大正~昭和初期にかけて発生した天災等を題材にして、物理学者・寺田寅彦氏が科学的視点から考察・分析した随筆・論評の短編が12編収められています。
     
     取上げられている題材は80~100年前であるにもかかわらず、その切り口、分析、問題点の指摘等は現代でも色褪せる事無く同意できる部分大であることには驚きます。さらに、その天災・災害の根本を問う姿勢は人間の拭い難い特質や神話・民族・宇宙・進化論様々に思い巡らして思慮に思慮を重ねており、文脈の端々から当時最先端であった量子論を意識したと思われる洞察や、果てはまだその存在すら科学的立場からは意識されていないはずの”複雑系”を匂わせるような見識も持ち合わせているように見受けられます。もっとも”複雑系”に関する感覚は科学的見地とは無関係に東洋的伝統から発したものかもしれませんが。

     また、本書の特徴の一つに、科学者独特の感性で、(不謹慎承知でストレートに表現すれば)天災をある意味楽しんでいる(悪い意味ではない)表現が散見され、本音ベースで(なんてやつだ!)(ううむ、気持ちはわかる。。けどそれ言うと顰蹙かいそう!)(やっぱり、そう思うよね!)等々見解がわかれそうな表現があります。


     本書で取上げられている主な天災・事故は以下の通り。寺田博士は、これらに関して自身の体験や現地に赴いての調査等の十分な裏づけの元に論評されています。
     
     関東大震災(1923年9月1日)
     静岡地震(1935年7月11日)
     白木屋火災(1932年発生、文脈から判断して、東京都心の劇場か博物館か何かのビル火災)
     航空機事故(日本航空輸送会社の旅客飛行機白鳩号というのが九州の上空で悪天候の為に進路を失して山中に迷い込み、どうしたわけか、機体が空中で分解してばらばらになって林中に墜落した事件)
     浅間山噴火(1935年8月4日)
     函館大火(1934年3月21日)
     三陸地震(1933年3月3日)

     また、本書巻末の解説も40ページ近くあり、かなりのボリュームがあります。この解説を読んでさらに「そうだよ。それだよ」と腑に落ちると思われる分析があります。やや長くなりますが、一部引用します。

     必須の6つの視点
      寺田の随筆の面白さは、正確なものの見方に起因しているものと思われた。寺田は身近な現象を科学的に考察することを意識して行っていたようだが、それがいつもきちんと正確に行われているから、そこから導き出される考えも非常に豊かなものになっているのだろう。この点は大いに参考になる。
      どんな事柄や現象を見るときも同じだが、対象の正しいモデルを自分の中につくるときに欠かせない必須の視点というものがある。大まかにいうとそれは、「構成要素」「マイクロメカニズム」「マクロメカニズム」「全体像」「定量化」「時間軸」という六つの視点である。
      これらのうちの一つでも欠けていると、その見方なり考えは抜けのある不完全なものになる。裏を返せば、寺田のものの見方にはこの視点がすべて入っているから、古い時代に書かれた随筆でも非常に豊かな考えを含んでいると感じられるのだろう。



     一般のジャーナリストや文人からは発し得ないような解析力・表現・捉え方。また一般の技術系理学系専門家からは表現しえない文章力、その二つを備えた稀有な文章です。これを堪能したい方、また昨今記憶に新しい大震災と重ね合わせながら天災に関する随筆を読んでみたい方にはお勧めです。
     

    0
    2011年10月06日

    Posted by ブクログ

    今読んでも古典たるにふさわしい名文だ。科学的態度を身につけるとはどのようなことかを考えさせる。中の一節、「科学の効果が滑稽なる程度にまで買いかぶられているかと思うと、一方ではまた了解のできないほどに科学の能力が見くびられている。」現在の状況を喝破したような文章である。

    0
    2011年08月07日

    Posted by ブクログ

    各社から寺田虎彦の同類のエッセイ類を集めた本がいくつか出版されているが、畑村先生の解説と併せて読めるといった点で、本書が一番ではないか。
    東日本大震災のことを後世にいかに伝えていくかということを考えた時、収録されている「津波と人間」をテキストとして子どもたちに伝え考えさせるということをしてはどうだろうか。
    畑村先生の『未曽有と想定外』(講談社現代新書)と併せて、是非読んでほしい一冊である。

    0
    2011年07月29日

    Posted by ブクログ

    天災にあうと人はなぜ、と理不尽な思いをするが、天災は一定のスパンで一定の確率で必ず起こるものだし、それを防ぐための科学的思考が大事なのだと思う。本書の刊行は2011年なので東日本大震災を機に改めて脚光を浴びたものと思うが、それ自体我々の忘れやすさを表しているようにも思うが、少なくとも科学的思考をもって意識することはできるのだと、そう前向きにとらえたい。

    0
    2022年02月24日

    Posted by ブクログ

    いかにも科学者的で冷静な文調で、妙にいきりたっていないところに好感。寺田寅彦だったら、今の原発事故について、どう分析するのだろう。畑村洋太郎さんの解説文も読みごたえアリ。へたな原発本より読後にすっきりできた。

    0
    2018年10月09日

    Posted by ブクログ

    東日本大震災から2年を過ぎ、あのときのこわい思いを少しずつ忘れている。こわい思いを忘れることは、前を向いて歩いていくためにはよいことでもあるけれど、やはり忘れてはいけないこともある。
    この本は大正~昭和に書かれたものであるのに、今なお、私たちに教訓を伝えてくれる。地震や津波だけではなく、火事についても示唆に富んでいる。マスコミのあり方も、当時も今も全く変わっていないようである。もともとは物理科学者だけあって、とても冷静で分析的な文章で、説得力に富む。個人的には、関東大震災について、当日から数日間の様子が書かれた「震災日記」が大変参考になった。やはり経験しなければ書くことができない内容だと思う。
    一方で、解説については、もっと解説に徹するべきだと思った・・・解説を担当した畑村洋太郎氏の自説の量が多く、これでは解説にならないのでは?と思ってしまった。もちろん、畑村氏の自説は大変参考になるのだが、それならば畑村氏の本として読みたいわけで、あくまでも解説を担当しているわけだから、もっと解説に徹するべきなのではと感じてしまった。

    0
    2013年10月10日

    Posted by ブクログ

    寺田寅彦の災害に関する随筆集。文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈な度を増すこと、平生からそれに対する防御策を講じなければならないことを再認識できた。

    0
    2012年07月01日

天災と国防 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社学術文庫 の最新刊

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

寺田寅彦 のこれもおすすめ

雑記1

小説・文芸

雑記1

無料あり
  • 試し読み

雑記帳より1

小説・文芸

雑記帳より1

無料あり
  • 試し読み

断片1

小説・文芸

断片1

無料あり
  • 試し読み

アインシュタイン

小説・文芸

アインシュタイン

無料あり
  • 試し読み

秋の歌

小説・文芸

秋の歌

無料あり
  • 試し読み

浅草紙

小説・文芸

浅草紙

無料あり
  • 試し読み

浅間山麓より

小説・文芸

浅間山麓より

無料あり
  • 試し読み

あひると猿

小説・文芸

あひると猿

無料あり
  • 試し読み

同じジャンルの本を探す