ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』をうけて、「遊び」の定義をより広く、より細かくとるべきと指摘した一冊。
アゴン(競争)、アレア(賭け)、ミミクリ(模擬)、イリンクス(眩暈)の四分類と遊び手の姿勢を表すルドゥスとパイディアの二分類。
本書では主に前者の四分類に焦点を当て、遊びの分類を示した後は、文明の
...続きを読む発展とそれら四分類の結びつきを論じている。
ミミクリとイリンクス、すなわち宗教的な儀式やそれに伴うある種のトランス状態が社会を動かす前近代、そこに理性が加わることで自らの手による能力や地位によって社会的な地位を得るアゴンと生まれつきの身分差や能力の差を左右するアレア(運)的な要因が近代的な社会において重要視されている、と論を展開。
遊び論というよりは遊びを用いた社会学といった印象。
訳が読みづらい。
訳者解説は未読。