藤崎慎吾のレビュー一覧
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最終章では佐々木氏を交えて、地球外生物や生物の本質を語っている。骨格となる原子が炭素から珪素に変わっていくとか、酸化・還元反応で用いられる水素と酸素の比が今は1000倍くらいだが、酸素が増えてくれば生物が繁栄するとかいった考え方がおもしろかった。
・最後の共通祖先(LUCA)は、ミトコンドリアの祖先であるαプロテオバクテリアに近い。
・地下は深さ1kmごとに20〜30℃温度が上がる。生物が耐えられるのは110〜120度くらいなので、深さ5kmくらいまでは生物が存在すると考えられる。地下の生物量は数兆トンに達する可能性があり、地上の植物量1〜2兆トンと匹敵する。
・マントルを構成するカンラン石は水と接触すると酸素を奪って水素を発生する。その水素をメタン生成菌が利用してメタンを作り、メタンを硫酸還元菌が利用するという流れが予想できる。
・地殻現象は地下水の影響を受けていると考えられる。ダムを作って貯水池ができると地震が起きる例がいくつかある。
・生物が放射線を受けると水がイオン化して酸化しやすくなり、DNAの二重らせんを切ってしまう。
・直径5kmの岩の真中なら、宇宙空間でも放射線からまもられる。
・火星の極域ではちょっと掘れば氷がある。低緯度にも含水鉱物が見つかっている。10kmくらいの谷底では、液体の水が安定する大気圧が得られる。
・木星の第2衛星エウロパの地下には液体があるのは間違いない。
・ガニメデには磁場があるため、中心に溶けている金属のコアがあると考えられる。表面の氷の下には海があり、その下で火山活動がある可能性がある。
・土星の衛星タイタンには、メタンの雨が降って川が流れ、地球や火星と同じ地形ができている。メタンは非極性分子なので、膜がない生物が存在する可能性がある。
・エンケラドゥスは直径500kmくらいで、地形が複雑な地域と衝突クレーターに覆われた古い地域にはっきり分かれている。氷を噴いているのは、潮汐熱源が偏った働き方をしているためと考えられる。
・2億年前に二酸化珪素を使い始めた珪藻が生まれた。 -
Posted by ブクログ
筆者の書くように、同じパイロットでも旅客機や宇宙飛行士の認知度と、深海調査船のパイロットの認知度には大きな隔たりがある。
もちろん、その分母の違いもあるのだろうが、もっと大きな違いは、メディア受けするコンテンツかどうかということに尽きる気がする。
大空は見上げれば、その彼方まで思いをはせることができるが、深海は海面を見ても、その深淵を思い描くことは難しいだろう。
そんなコンテンツに挑んだのが本書だ。
全3部構成からなり、藤崎というライターが深海という概要にスポットを当て、後にパイロットの説明が2部続く。
文章は平易でつまらない。正直、パイロットの文章は面白くないから、飛ばし読みした。
でも、なんか「読んでおきたい」という気持ちになるのである。
それは、自分が深海というコンテンツに、一般メディア以上の興味を持っているからに他ならない。
ただそれだけのことなのだが、逆に、ただそれだけのことで、読書ができるというのは、新たな発見であった。 -
Posted by ブクログ
体長50メートルを超える鯨の王(ダイマッコウ)を軸に、頑固で偏屈な日本人鯨類学者、民間コンソーシアム海底基地、社会貢献に意欲的な医療メーカー、米海軍研究者、攻撃型原潜、テロリスト等々が入り乱れる深海四千メートル。文字量も情報量も多いが、直球の海洋冒険譚でサクサク読める。イルカとサメの脳組織を組み込んだAIを搭載する小型潜水艇とパイロット・ホノカのやり取り、特殊な肺機能エアーサックへの推考、そして、人間を正確にターゲットした後、ピンポイントで放たれるダイマッコウの超音波攻撃の恐怖と迫力が物語をさらに盛り上げる。ダイマッコウ強ええ! とはいいつつ、文脈から思いっきり外れてる感のあるテロリストは邪魔だったな。もっと絞り込めたお話だと思う。