藤崎慎吾のレビュー一覧
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最終章では佐々木氏を交えて、地球外生物や生物の本質を語っている。骨格となる原子が炭素から珪素に変わっていくとか、酸化・還元反応で用いられる水素と酸素の比が今は1000倍くらいだが、酸素が増えてくれば生物が繁栄するとかいった考え方がおもしろかった。
・最後の共通祖先(LUCA)は、ミトコンドリアの祖先であるαプロテオバクテリアに近い。
・地下は深さ1kmごとに20〜30℃温度が上がる。生物が耐えられるのは110〜120度くらいなので、深さ5kmくらいまでは生物が存在すると考えられる。地下の生物量は数兆トンに達する可能性があり、地上の植物量1〜2兆トンと匹敵する。
・マントルを構成するカンラン石 -
Posted by ブクログ
筆者の書くように、同じパイロットでも旅客機や宇宙飛行士の認知度と、深海調査船のパイロットの認知度には大きな隔たりがある。
もちろん、その分母の違いもあるのだろうが、もっと大きな違いは、メディア受けするコンテンツかどうかということに尽きる気がする。
大空は見上げれば、その彼方まで思いをはせることができるが、深海は海面を見ても、その深淵を思い描くことは難しいだろう。
そんなコンテンツに挑んだのが本書だ。
全3部構成からなり、藤崎というライターが深海という概要にスポットを当て、後にパイロットの説明が2部続く。
文章は平易でつまらない。正直、パイロットの文章は面白くないから、飛ばし読みした。
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Posted by ブクログ
体長50メートルを超える鯨の王(ダイマッコウ)を軸に、頑固で偏屈な日本人鯨類学者、民間コンソーシアム海底基地、社会貢献に意欲的な医療メーカー、米海軍研究者、攻撃型原潜、テロリスト等々が入り乱れる深海四千メートル。文字量も情報量も多いが、直球の海洋冒険譚でサクサク読める。イルカとサメの脳組織を組み込んだAIを搭載する小型潜水艇とパイロット・ホノカのやり取り、特殊な肺機能エアーサックへの推考、そして、人間を正確にターゲットした後、ピンポイントで放たれるダイマッコウの超音波攻撃の恐怖と迫力が物語をさらに盛り上げる。ダイマッコウ強ええ! とはいいつつ、文脈から思いっきり外れてる感のあるテロリストは邪魔