藤崎慎吾のレビュー一覧

  • 深海のパイロット~六五〇〇mの海底に何を見たか~

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    海の底に捨てられた買い物袋が分解されずに漂っている様子には、考えさせられる。
    米・仏に負けない誇りと技術を持つJAMSTECの"しんかい"チームの皆様にプロ意識を感じた。

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    2018年09月11日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    この生物学者の長沼さんという方は知らなかったのだが、
    全方位的な知識とすごい行動力で、とにかく愉快で面白かった。

    深海、地中、宇宙といった辺境(彼らからすると僕らが辺境なのだが)に棲む生物の面白さ。

    おおよそ常識的な生物観の枠外にある仕様。

    メタンを分解して生きる奴や、超高温で生きる奴や、カーボンベースのボディでない奴など、
    地球がどんな環境になろうが、必ず生き残る生物はいると確信できる。

    約400ページの分厚い本だが、面白いのでどんどん読んでしまう。
    生き物好きにはおすすめです。

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    2013年04月18日
  • 遠乃物語

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    遠野と似た「遠乃」に囚われた佐々木喜善と伊能嘉矩。そこは未生の黙されて語られぬ物語が現に立ち上がる場所であった。
    閉じこめられた二人はそれに立ち会いながら、脱出を試みる。期限は一年。

    柳田国男『遠野物語』の成立に関与した実在の二人を主人公に、『遠野物語』的世界を再構築した伝奇小説の傑作。
    民話や妖怪、伝承好きな人にお勧めです。

    私は大好きなので、この評価になりました。

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    2012年08月24日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    極限環境と呼ばれるような環境下に生息する生物について、対話形式で解説された一冊。専門、専門外関わらず、そういった生物に対する興味を引き出してくれる。地下生命などのとても代謝の遅い生物や、シングルセルバイオロジーについて、この本で初めて知った。

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    2012年08月14日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    著者たちの狙い通り,ワクワクさせられることしきりだった.この分野,あまりに知らないことが多すぎて,新書にしては分厚いが読むのが苦にはならない.

    ・岩石内生物.
    ・ハロモナス:寒いところも乾燥も塩分もオッケー.
    ・ハロモナスは硫黄酸化して独立栄養する.
    ・ウランとか鉱物資源が鉱床をつくるのに微生物が関わっている可能性が高い.
    ・スローバイオロジー.100年に1回分裂する生物など
    ・我々は地球の磁場と太陽の磁場に守られている.
    ・植物が環境を守るなんて嘘っぽい.
    ・生物が地球側に作用したのは,たぶん,酸素の発生ぐらい.あとは生物側が全部受け身.

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    2012年07月10日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    ふか~い海の底から宇宙の果てまで、極限で生息する微生物のお話がメインの
    対談集である。

    対談って妙に専門的だったり、上滑りだったりするのだが本書はリード役の藤崎氏の
    話の引き出し方が絶妙だ。世界の極地で研究を続ける長沼氏の知識を巧みにコント
    ロールしている。

    南極や北極の寒冷地、砂漠のような乾燥地帯、高熱である火山の噴火口付近、
    暗い地底。そこどこにも微生物は存在する。人間であればとても耐えることが
    出来ない環境であっても。

    話の行きつく先は宇宙となるのだが、地球以外の惑星にも生物の痕跡があり、
    地球の生命の誕生は他の惑星からかも…なんて仮説は楽しい。

    対談場所は予算の関係(?)で日本

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    2017年08月16日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    極地、砂漠、海底、地中、果ては宇宙まで、あらゆる過酷な環境下での生命の限界を探る。軽妙な語り口で語られるその内容は科学の最先端であり、生命の謎を探る知的冒険である。好奇心が刺激され続け、読み終わるのが勿体ない。読んだことを人に話したくなる。そんな数少ない一冊。

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    2011年06月10日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    [ 内容 ]
    南極や北極などの極地、深海底、火山、砂漠、地底、宇宙空間…低温、高温、高圧、乾燥、無酸素、高放射能など、どんな過酷な環境にも生命は存在する!?辺境生物学者で、「科学界のインディ・ジョーンズ」の異名を持つ長沼毅と、『クリスタルサイレンス』『ハイドゥナン』などの小説で辺境を描いてきた藤崎慎吾が、地球の“極限環境”に生きる奇想天外な生物たちを訪ね、生命の謎や本質について語り合った。
    生物学の最前線がわかり、科学の面白さが堪能できる一冊。

    [ 目次 ]
    プロローグ 辺境の生物を訪ねる旅へ
    第1幕 南極は“しょっぱい大陸”
    第2幕 深海で出会った生物の「大群」
    第3幕 原始地球は温泉三昧

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    2011年04月12日
  • 深海のパイロット~六五〇〇mの海底に何を見たか~

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    [ 内容 ]
    日本の深海探査技術は世界のトップレベルになったと言われるが、その陰で毎日のように未知の深海に黙々と潜り続けるパイロットたちがいることはほとんど知られていない。
    そんな深海探査船のパイロットたちにスポットを当てる。

    [ 目次 ]
    第1部 深海には面白いエピソードがいっぱい(どうやって海底を調べたらいいの?-潜水調査技術が確立するまでの苦労話、裏話 海底探検へのライセンス申請はこちら-潜水調査船パイロットが一人前になるまで 潜水調査船の上手な動かしかた教えます-マニュアルには書かれていないテクニック ほか)
    第2部 パイロットが語る「しんかい六五〇〇」の世界(日本と世界の深海潜水

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    2011年04月09日
  • ハイドゥナン1

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    ネタバレ

    本作にはいろんなテーマが含まれているが、SFと言うよりも神話的なファンタジーと見る向きもあるかもしれない。タ イトルの響きで何となく沖縄方面をイメージした方は鋭い。本作の舞台は目の前がもう台湾と言う最果ての与那国島。

    小松左京先生の日本沈没とダブる イメージもあるが、そこは最新の深海探査テクノロジーによってきっちり描かれている。藤崎作品でおなじみの南方教授も登場。。物語は静かに始まりやがてクライマックスに向かってまっしぐらに怒濤の進行を見せる。ISEIC理論については賛否両論あろうがストーリーにはきちんとなじんでると思う。

    むろんハードSFを狙った作品ではないのは作者も計算通りであろうし、

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    2011年03月19日
  • 深海のパイロット~六五〇〇mの海底に何を見たか~

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    世界最高峰の深海探査船「しんかい2000」と「しんかい6500」のパイロットが書いた本。実際の探査船がどのようになっているのか、操船方法や潜水の実態のみならず、深海探査の抱える問題なども書かれていて、今後の深海探査の行方まで考えさせられる本。
    3人の著者による合同本ですが、藤崎氏はジャーナリストで外側からのアプローチ、田代氏と藤岡氏はベテランパイロットで現場からのアプローチで書かれている。どれも読み応えがあって興味は尽きない。現在手に入りにくいのが難点。

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    2009年10月04日
  • 深海のパイロット~六五〇〇mの海底に何を見たか~

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    深海は,宇宙とは別に未知とロマンが詰まった未開拓領域と考えられる.しかし,常に大きく脚光を浴びる宇宙関連と比べると,深海への挑戦・冒険については,それほど広く関心をもたれて知られているわけではなさそうだ.本書では,そういった状況に風穴を開けてくれることを期待したくなるような,数多くの興味深い話が語られている.深海調査船の元パイロットや深海調査で活躍した科学者らの実体験談にはすごい臨場感がある.日本海溝の底で「スーパーのビニール袋」がたくさん見つかったという話には,人間活動が影響を及ぼしている範囲の広漠さに,慄然とさせられた.また,わが国の深海研究・開発史も楽しめる.ぜひ,広く読まれて欲しい一冊

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    2009年10月04日
  • 我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの

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    生命とは何か、これを問うやり方の一つとして、人工的に作り出してみるというアプローチを紹介することを入り口に始まる本書ですが、細胞の中はどう出来ていて、どの様に動いているのか、基礎的な解説をしっかりカバーしつつ、一般人の感じる生死観や法学的な誕生や死に関する解釈、果てはアニミズムやアートとの関係性に触れ、今暮らしている私たちを取り巻く生命観を俯瞰。

    生命が惑星上に出来てくる過程を遡り、生命以前のアミノ酸などがどうやって生命的なものになっていくか、さらには、どうして地球上の生命を構成するアミノ酸は左側の鏡像異性体ばかりを使う偏りがあるのかという謎から、宇宙空間での紫外線などの円偏光が理由ではない

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    2024年01月16日
  • 我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの

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    教科書的、ザ・科学的な内容なのかと思いきや、さすがSF作家。読み物として面白く、素人でもするする読み進められた。
    ありがたいのは、論理構成がきっちりしていて、丁寧すぎるほどに丁寧で、私たち読者を迷子にすることなく、道案内してくれること。そして、先端技術の紹介をしつつも、セントラルドグマ、膜構造、エネルギー通貨ATP、シグナル配列など、気づけば分子生物学の基礎項目が結構カバーされている(当たり前?)。

    本書は分野的には「合成生物学」であり、一から生命を作り出そうとする人たちを紹介している。彼らの目的は、生命を理解すること。これは、観察や解剖だけからわかることには限界がある。一からつくりだすこと

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    2022年08月14日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    ここのところずっと、途中で小説を間に挟んだりすることもあるが継続的に読んでいるテーマが「生命の起源」。
    長沼氏の本はとても面白い。もっと読みたい。

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    2022年05月24日
  • 我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの

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    生命とは何か、死とは何か、そんなことすら分かっていない人間が、あらゆる方向から生命に近づこうとする試み。
    突き詰めて考えてれば、生物学が化学にそして宇宙物理学、量子力学まで巻き込んだ壮大な世界に展開していく。

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    2022年02月22日
  • ハイドゥナン4

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    #日本SF読者クラブ 新型コロナ・ウイルス流行→復活の日→小松左京→日本沈没→ハイドゥナン。21世紀の「日本沈没」ともいわれる本書だが、文庫本4分冊のボリュームもあって、ちょっと敬遠していた。しかし、読み始めたらページをめくるスピードがどんどん上がっていった。
     自称マッドサインティスト達。最新の地球科学の知見。オカルト的とも言える科学。木星の衛星エウロパ。そして与那国島。与那国島のさらに南にあるとされた伝説の南与那国島ハイドゥナン。琉球を地殻変動によるカタストロフィから救えるのか?
     エピローグの悲しいお話が物語の最後に繋がってるのだが、ここは繋がなくても良かったのでは。あとエウロパの話は、

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    2020年12月25日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    ネタバレ

    大ボリュームの作品。
    様々な生き物が出てくるのですが
    その生き物がいる要因に人為的なもの、というのも
    見え隠れするものがあります。(極地に生える苔がそう)

    そして興味深かったのは最後に出てくる
    生き物がいる自体が破壊、という部分。
    むっと思うかもしれませんが、地球が抱える問題を見れば
    まあ間違いのないことでしょう。

    カラー写真もあるのが何気にすごいです。

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    2020年08月21日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    まぁ、生物っていっても微生物なんやけど、それはそれでおもしろかった。岐阜県瑞浪市に超深地層研究所なんて施設があるとは知らなんだ。
    科学っておもろいなぁ。海底から地底、南極と北極の違いとか、火山とか月、火星、金星、木星の衛星とか、興味深い話満載。対話形式で読みやすいってのもあるけど、おもしろかった。

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    2014年09月08日
  • 辺境生物探訪記~生命の本質を求めて~

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    南極、深海、砂漠、地底、地球外といった辺境やそこに存在する生き物を通して、生物の不可思議さをめぐる旅を味わう本書。科学界のインディージョーンズこと長沼毅氏の辺境探索話を中心に、実際に、日本国内の各所を旅しながら、対談が進められるため、辺境の紀行文としても楽しむことができる。酸素とケイ素が多く、炭素が少ない地球で、我々人間を含む、炭素ベースの生物が多数の中、ケイ素をベースにした珪藻が2億年前に生まれ、現在地球で大繁栄している。生物の次のステージはケイ素ベースになることも考えられるとのこと。そういえば、最近身体にシリコンいれる人増えたよなあと変な関心をした 笑

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    2014年03月06日