藤崎慎吾のレビュー一覧
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ネタバレあちこち話題飛びますが、長沼さん、ほんと面白い。
深海展のショップで見つけて思わず買いましたが、買って正解。
地下のほうが地上よりも生物量が多いとか、強力な放射線下でも耐えられる生物とか、ほんと知らない世界がこの1冊に詰まってました。
「非常に少ない例から大局的な考え方をつくっているけれど、多分、例をもっとたくさん集めれば違ったモデルができてくるはず。今はあまりにも例を知らなすぎる。」
制度設計、組織設計にも、言えるかもしれない。設計者があまりに例を知らなすぎる(勉強不足)だと、、、こういうとすぐに他社の事例なんて、真似したってという人がいるけど、真似するわけでもなく、よりよい適合する -
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この前読んだ『サウスバウンド』が西表島を舞台としていたので、同じ八重山諸島繋がりで与那国島が舞台となる本書を読む。大学院で海洋・河口部環境学を専攻した著者の作品だけに、あの『日本沈没』を凌ぐハード海洋SFを期待して読み始めたのだが、なんかオカルトと言うか、スピリチュアルな出だしに戸惑う。ハズレかな?と思いながら読み続けると、なんと木星の衛星エウロパに話が飛ぶ。名作『2010年宇宙の旅』の世界だ。こちらの話は正に望み通りのガチ・ハードな内容。最後に出ました!与那国が世界に誇る謎の海底遺跡(地形?)。〈続く〉
西表島を舞台にした奥田英朗の『サウスバウンド』が思いの外良かったので、今度は同じ八重 -
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遠野ではなく、遠乃に迷い込んだ主人公である台湾帰りの人類学者・伊能嘉矩と佐々木君という、幽霊や妖が見える青年。遠乃から脱出する為、いろいろな手をつくしますが、さまざまな事件が起き、遠乃というマヨイガからなかなか脱出出来ません。遠乃では、いろいろな事が隠されている。主人公達が向かう先々で、遠野に伝わるむかしっこ(昔話)と似た悲しい事件が起こる。隠されているからといって、起こらないわけではない。遠乃は現代の大和民族の思いが固まって出来たマヨイガなのだそう。今日の続きの明日があり、明後日があり、来年があるとぼんやり過ごしていける毎日。そう。今の私たちの生活そのまま。でもぼんやり過ごす私たちの生活も、
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ネタバレ宇宙の成り立ちを知るためには、地球からなるべく遠く離れたところを観測するのが効果的だ。光が有限速なので、離れれば離れるほど、そこで観測されるデータは過去のものとなる。今見える100億光年離れた天体の姿は、つまり、100億年前の姿なのだ。
生命起源の話もこれに近い。生命の起源を探るには、今の地上とかけはなれた環境に生息している生命を観察するのがいい。高温、低温、強酸、あるいは強い宇宙線にさらされているなど。
この本はそうした環境下の生物について、その環境に近い場所(あるいは施設)で科学ライターと科学者とが語るというユニークなもの。そしてこの科学者の語りが学識が裏打ちした床の上を見事に飛び、 -
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ネタバレノスタルジック調のジュブナイルSF。70年代くらいに朝日ソノラマか集英社コバルト文庫にあったような連作短編集。
主人公は小さいころにかかった感染症の後遺症で足に障害をもった少年、久延丕彦。人見知りで友達は少なくいつも一人遊びをしているような彼がある日海辺で病院の看護婦(時代!)を見かけたことから不思議な物語が始まる…。
ノスタルジー+不思議噺、というと日本ではもう朱川湊人が第一人者だと思うのだが、一連の朱川作品よりはSF寄りで、ホラーっぽさは少ない。天狗も小鬼も光学迷彩を施してたりとか。そこが好みの分かれるところかな。
良くも悪くも大きなドラマはなく、感情の波がざわつくところは少ない。そ -
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「生命」と呼ばれうるものを実際の生命の要素を用いずに化学的に合成することを目論む合成生物学の分野の概要を説明する啓蒙書です。言ってしまえばその分野の入門書に近いような本であると言ってもよい気がします。
本書は非専門家の著者が複数の合成生物学の専門家とのコミュニケーションを通じて学んだ情報を整理して提示するという体裁で書かれています。そのため、複数の専門家の誰に肩入れするでもなく第三者の視点から意見を紹介していたり、専門用語の説明が非常に丁寧だったり、初心者にも非常に読みやすい本になっていると感じました。おおむね中学理科+αくらいの知識がある人が読めば十分に理解できる内容だと思います。
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