民族學の泰斗、梅棹忠夫による京都案内。
文庫化されたのは2004年9月だが、角川撰書として發刊されたのは1987年。
折にふれて書かれた京都に關するエッセイなどを集めたものであるが、書かれたのはかなり古く、1951年から1965年にかけて書かれたものである。
大學生活の5年間を京都で過ごした私に
...続きを読むとつてはいづれも興味深い内容であつたが、なかでも第4章の「京ことば」は面白く讀めた。
私は學生時代、關西の丁寧語表現「はる」について自分で氣づいた法則がある。
すなはち、同じ關西弁でも、京都では「書かはる」と未然形接續で、大阪では「書きはる」と連用形に接續する、といふことである。
關東出身の私としてはこのやうに認識してゐたのだが、正しい認識であるといふ自信がなかつた。
ところが、この本を讀んだら梅棹忠夫さんが同じ解説をしてゐたので、ああ自分の認識は間違つてゐなかつた、と嬉しくなつた次第である。
2004年10月11日、シカゴ行の機内にて讀了