あらすじ
京都には隅々まで張り巡らされた暗黙のルールがある。生粋の京都人にして民族学の第一人者が、その美意識や本音を、京ことば、観光都市とあらゆる角度から鋭い視点で解説。辛口でユーモアたっぷりなエッセイ。
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Posted by ブクログ
中華思想的(著者自身が巻頭でそう言っている)京都ガイド。「観光客が京都の文化に合わせるべきで、観光課なんてものは必要ない」というくだりには賛成。観光客におもねりすぎると、どんな街でも下品になってしまう。
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京都に住んでいるからこその面白さ。
梅棹先生然り京都人のすごいところは、こうして自分達の生活文化を言語化して、洗練された世界観を作り上げてきたところにある。
それが京都の文化レベルの高さに結びついてきたのだと思う。
いま京都はどこに向かっているのか。
オペラを誘致し歩く都市にしたからといって、文化は発展するだろうか。
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書かれたのが古く今更の内容も多い。京都がやっぱり一番どす的トーンにも微笑。しかし爺がバスガイド風に市内を南から北へ順ぐりに案内してくれるくだりには、結構知らないことも多かった。外人を京都案内する機会があれば読み返す。爆弾が落ちたから御池通は広いとか。
Posted by ブクログ
民族學の泰斗、梅棹忠夫による京都案内。
文庫化されたのは2004年9月だが、角川撰書として發刊されたのは1987年。
折にふれて書かれた京都に關するエッセイなどを集めたものであるが、書かれたのはかなり古く、1951年から1965年にかけて書かれたものである。
大學生活の5年間を京都で過ごした私にとつてはいづれも興味深い内容であつたが、なかでも第4章の「京ことば」は面白く讀めた。
私は學生時代、關西の丁寧語表現「はる」について自分で氣づいた法則がある。
すなはち、同じ關西弁でも、京都では「書かはる」と未然形接續で、大阪では「書きはる」と連用形に接續する、といふことである。
關東出身の私としてはこのやうに認識してゐたのだが、正しい認識であるといふ自信がなかつた。
ところが、この本を讀んだら梅棹忠夫さんが同じ解説をしてゐたので、ああ自分の認識は間違つてゐなかつた、と嬉しくなつた次第である。
2004年10月11日、シカゴ行の機内にて讀了