梅棹忠夫のレビュー一覧
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突然の梅棹忠夫マイブームで。カラコラムや東南アジア、モンゴル探検を通して「文明の生態史観序説」というダイナミックな文明論を展開した著者が海外と同じように国内を歩いて考えた論考集。 「なんにもしらないことはよいことだ。自分の足であるき、自分の目でみて、その経験から、自由にかんがえを発展させることができるからだ。知識はあるきながらえられる。歩きながら本をよみ、よみながらかんがえ、かんがえながらあるく。これは、いちばんよい勉強の方法だと、わたしはかんがえている」この宣言がかっこいい!1964年のオリンピック前に変わりゆく日本を現場から感じています。自分としてはバックツトゥーザフューチャーみたいに現在の日本になる前の日本を探検するように梅棹忠夫の探検を追体験する二重の旅としての読書でした。探検場所のチョイスもセンスいいです!「建設の論理、存在の論理」みたいな提示の仕方にも物ごとを見つめる視野の大きさと視点の高さと視座のユニークさを感じます。もっとも2017年現在の日本は存在の論理の再構築が求められているような気がしますが…これから「文明の生態史観」に戻ってみます!
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Posted by ブクログ
★4:学びや復習ができた。
情報の「整理」と「やりとりの技術」についての本。
後半は、時代の違いで今は効率的と思えない部分もあるが、
前半の基本的な情報の「整理」の仕方は今も使えると思う。
自分がやってきた「情報整理」の方法を見直す良い機会になった。
■今も使えると思った点
・「整頓」ではなくて「整理」
・本を読んだ後、著者が伝えたいことよりも、自分が興味を持った部分を記録する。
■今は古く、現在だったら…
・1項目を1カードで記録 → 情報整理アプリでできそう
・手紙のやりとり → SNSやメールに変わっており、テンプレも変化していると思う
・原稿用紙の話も、もはや……
・文章の項目で、『会話や仕事の働きは素晴らしいのに、その内容を文章にするのが下手な人たち』という点。これは今なら、動画やボイスで伝える方法があるので解決できそうな気がする。 -
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カード記録法について詳細を残してくれていてありがたい。ノートの情報の散逸に困っているので読むタイミングはベストだったと思う。採用するか否かは別として。
しかしなかなかよさそうな方法だと感じる。
梅棹先生も情報の扱いに苦労していたのか。
とにかく規格化を重視していたのだなと、とても共感できる内容が綴られている。
カード法だけでなく、ファイルだとか、手紙の書き方まで規格化しているのには驚いた。そこまではやらなくてもいいだろうと思うけれども、とにかく整理されていることが重要なことは納得できる
カタカナやひらがなだけのタイプライターで手紙をやり取りしたり、原稿用紙に特別のこだわりがあったり、とても先進的な人だったのだなと感じる点が多々ある。ひらがなタイプライターの普及への情熱まではさすがに理解しがたいが。絶対に感じがある方が日本語は読みやすいし美しいと思う。
読書法についての言及があるのもうれしい。やはり線を引いて読むのか、とても抵抗があるがやってみようか。小説にはやらないまでも、新書や教科書的なものには書き込んでもいい気はしてきた。
川喜田二郎とも交流があったのか。「発想法」という書籍があるようなので今度出会いがあれば読んでみよう。
宮地伝三郎は梅棹先生にとっては京大時代の動物生態学の師匠らしい。最近読む本はかなり登場人物が繋がっていてうれしい。 -
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知的生産のハウツーのきっかけ、問題提起を狙った本とのことだったが、読書の仕方など取り入れたい方法がいくつもあり参考になった。1969年の本ということで、パソコンのない(普及してない?)時代で、書く手段についての問題は今はほとんど考えなくてよいかもしれない。
全体的にとてもひらがなが多い文章だなと思っていたら、タイプライターの話からローマ字運動や新字論など知らなかった流れが影響していたようで興味深かった。また、カタカナの用語をひらがなで書くのには「かなりの心臓を必要とする」といったように、ところどころにユーモアを感じて楽しめたのも良かった。
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比較文明学者(敢えてこう呼ぶ)の梅棹忠夫博士による表題作を含む十二の論考。彼の主張でユニークなのはユーラシア大陸を間の「乾燥地帯」で第一地域と第二地域に分け、封建主義から自己発展的という意味合いに置いて日本文明と西欧文明を同一視する「平行進化説」という考え方である。
また、本書ではその思想の変遷や深化が彼自身のフィールドワークを通して高度化していくのが読み取れる点が興味深い。インドを西洋でもなく東洋でもなく「中洋」と称するに至る体験は随筆としても面白い。
世界の文明を構造で捉える説はフランシス・フクヤマ氏やフランシス・フクヤマ氏など幾つかあり、現代となっては梅棹氏の説はややシンプル過ぎるきらいはあるが、日本初の小論として切り口の鋭い分析として教養になる一冊。 -
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戦前から戦後、現代に至るまで各分野の知の巨人らが述べた良書である。
多様な著者の文学研究以外の物理学や法学、社会学など様々な研究で得られた知見と知のバトンを次世代に受け継ぐ本である。
興味があれば、中学生からでも読み始めている人は多いだろう。研究者とは「研究しない自由はない」と本著で述べている通り、全ての学問に対する研究に責任があると説く。第一線で活躍していた研究者の言葉を聞き、現代の価値観や様式、世界規模での情勢をその時の生きた時代の研究者へバトンは渡され、人類は発見と修正を繰り返しながら前に進んでいく。世界は広い、本著でも紹介されきれない研究者は山ほどいるだろう。そして、今生きる現代の次世代の優れた研究者も生まれ始めているだろう。この連鎖は昔も今も未来も変わらない。
研究ということを人類が放棄しない限り、未来永劫続くだろう。
本著は主に今研究している人とこれから研究者になろうとしている次世代への期待を込めた良書であり、知的発見と好奇心をくすぐられる内容となっている。研究という中だけでは留まらず社会貢献をしてその研究が生活に浸透したとき、誰かの心に知的好奇心に響いたとき、研究という知の結晶のバトンは繋がれていくのだ。 -
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1969年に書かれた、京大の大学教授が書いた、「知的生産」の技術の本。
マメだな…というのが第一印象。
自分の発見や考えを、規格化したカードに記載して、それを材料として整理、分類して論理としてまとめ上げる方法をとっている。
よく、グループワークなどで用いられるKJ法を日頃からこなしているイメージ。
ここまで几帳面なこと、できないよ…。
そして、コンピュータが全く普及していない時代背景があるからこそ、面白い記載もある。
「垂直式ファイリングシステム」が整理に一番適している、と書かれている。これは、キャビネットに耳のあるファイルを入れて、そこに書類を整理していくやり方だが、ペーパーレスが叫ばれるいま、こんなことをやったら卒倒ものだろう。また、「できることなら、いまの漢字かなまじり文を、そのままタイプすることができれば、それにこしたことはないのである。それができないから苦労するのである。」と書かれている。当時はタイプライターすら貴重品で、手書きが主流だった。なんと、書き言葉をローマ字やひらがなだけに統一しようとする人すらいたのだから驚きである。
しかし同時に、技術の発展に自分たちがいかに毒されているかも思い知った。こうした情報整理術ができることも、当時の知識人を知識人たらしめていた理由だったのだと思う。しかし、Windowsのエクスプローラーがあれば、ファイル整理なんてなんのそのだし、outlookやら teamsさえあればスケジュール管理やタスク管理なんて楽勝。officeさえあれば文書の規格化だって簡単。ましてやタイプで漢字ひらがな混じり文を打つのなんて当たり前。こうした「情報整理」が簡単にできるようになったからこそ、逆に自分たちの情報一つ一つに向き合う姿勢が蔑ろになっているのかもしれない。もしかしたら、我々がPC上でやっているのは、整理ではなく、単なる整頓なのかもしれない。だからと言って、昔のように手書きに戻ることなんてさらさらないが。
読書は線を引いて二度読む、参考になります。 -
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本書に掲載された最終講義について一言ずつ。
桑原武夫…仏文学者以上に隲蔵さんの子息、というイメージが強い。垣根を越えた研究という事では共同研究も論語の著作も同じなのかも知れない。
貝塚茂樹…大学者一族の一角、湯川秀樹は弟。東洋史学者の模範的な最終講義だと思う。
清水幾太郎…60年安保前後で言論が大きく変わった、という印象の人だが、コントに興味を持つ面白い講義だった。
遠山啓…存じ上げない方だったが、数学論がほんのちょっと分かった気がした。
芦原義信…ゲシュタルト心理学から都市空間を観るのは面白い。
家永三郎…教科書検定裁判の人、として子供の頃から名前は知っていた。大人になってから読んだ戦争責任は興味深かった。
猪木正道…独裁とは、その独裁を必要としないような状態を作る為の非常手段である、か。
梅棹忠夫…民博の父。関西のアカデミズムを代表する1人。
江頭淳…慶応と奥さんが大好きな人だったんだな、と思う。奥さんを亡くして生きる糧を見失ったのか。
木田元…ハイデガーがほんのちょっと分かった気がした。メルロ=ポンティという響きが何か好き。
加藤周一…在校生だったのに何故この最終講義の存在を知らなかったんだろう…
中嶋峰雄…この方も存じ上げなかった。文明の衝突論を批判しているが、ここに来て又衝突論の有用性が唱えられている。難しい。
日野原重明…おじいちゃんアイドル、というイメージが強すぎたが、後生に残る医学者なんだよな。
ジュンク堂書店大阪本店にて購入。 -
購入済み
「アジア」なる西洋目線の地域区分があまり腑に落ちなかった私には世界をユーラシア大陸中心部の破壊的勢力の影響をモロに受ける地域とその周辺に位置してあまり受けない地域に分けて考える発想は新鮮だが、腑に落ちる感じがした。著者も述べてるようにこれはアウトラインを描いてるので細かなところで同意できない部分もあるが、大枠では正しいような気もする。
21世紀の現在から見ると第一地域は広がり(EUの東方拡大や台湾韓国の民主化・先進国化)第二地域(ロシアや中国)との対立が深まっているし、文明の生態史観で梅棹が述べたアウトラインはむしろ説得力を増しているような気がする。 -
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「知の巨人」と称された梅棹忠雄氏は多数の著作を執筆されたが、その多くは目が不自由になった後に書かれたものだということを本書で知った。知的生産と学術活動に没頭されていた梅棹氏にとって、目が見えなくなったことは筆舌に尽くしがたい辛さだったに違いない。しかし、梅棹氏の文才はその辛ささえも超越し、薄明の世界で何を感じ、何を考えたかを健常者に伝えてくれる。身内に目が不自由な方がいれば、是非本書を読んでみてほしい。
また、最終章の「本づくり」は目が不自由な中での執筆活動をテーマにしたエッセイであるが、梅棹氏の著作体系の開設でもある。新たに興味をもった著作がいくつもあったので、さっそく読んでみたい。