梅棹忠夫のレビュー一覧

  • 文明の生態史観 増補新版

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    比較文明学者(敢えてこう呼ぶ)の梅棹忠夫博士による表題作を含む十二の論考。彼の主張でユニークなのはユーラシア大陸を間の「乾燥地帯」で第一地域と第二地域に分け、封建主義から自己発展的という意味合いに置いて日本文明と西欧文明を同一視する「平行進化説」という考え方である。
    また、本書ではその思想の変遷や深化が彼自身のフィールドワークを通して高度化していくのが読み取れる点が興味深い。インドを西洋でもなく東洋でもなく「中洋」と称するに至る体験は随筆としても面白い。
    世界の文明を構造で捉える説はフランシス・フクヤマ氏やフランシス・フクヤマ氏など幾つかあり、現代となっては梅棹氏の説はややシンプル過ぎるきらい

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    2025年10月15日
  • 最終講義 挑戦の果て

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    戦前から戦後、現代に至るまで各分野の知の巨人らが述べた良書である。
    多様な著者の文学研究以外の物理学や法学、社会学など様々な研究で得られた知見と知のバトンを次世代に受け継ぐ本である。
    興味があれば、中学生からでも読み始めている人は多いだろう。研究者とは「研究しない自由はない」と本著で述べている通り、全ての学問に対する研究に責任があると説く。第一線で活躍していた研究者の言葉を聞き、現代の価値観や様式、世界規模での情勢をその時の生きた時代の研究者へバトンは渡され、人類は発見と修正を繰り返しながら前に進んでいく。世界は広い、本著でも紹介されきれない研究者は山ほどいるだろう。そして、今生きる現代の次世

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    2025年07月19日
  • 知的生産の技術

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    半世紀前の本なので、今のテクノロジーがあったら著者はなんというか聞いてみたかった。
    全体を通してイチオシは京大カードだな。

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    2025年06月05日
  • 知的生産の技術

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    1969年に書かれた、京大の大学教授が書いた、「知的生産」の技術の本。

    マメだな…というのが第一印象。
    自分の発見や考えを、規格化したカードに記載して、それを材料として整理、分類して論理としてまとめ上げる方法をとっている。
    よく、グループワークなどで用いられるKJ法を日頃からこなしているイメージ。
    ここまで几帳面なこと、できないよ…。

    そして、コンピュータが全く普及していない時代背景があるからこそ、面白い記載もある。
    「垂直式ファイリングシステム」が整理に一番適している、と書かれている。これは、キャビネットに耳のあるファイルを入れて、そこに書類を整理していくやり方だが、ペーパーレスが叫

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    2025年05月04日
  • ゴビ砂漠探検記

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    楼蘭や、さまよえる湖ロプノールの湖底を発見したスヴェン・ヘディンのゴビ砂漠横断記。ラクダに乗ってズンズン進むと思いきや、色々なところで足止めを食うような時間のかかる探検だったのだなと思ったのです。

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    2024年11月08日
  • 知的生産の技術

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    まえがきに1969年とあり、今とマッチしない知的生産術も多い。しかし後半の「手紙」「日記と記録」「文章」の生産術については、いかに自身の生活でのつれづれなる考えをまとめ発信するか苦心しているので、とても参考になった。

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    2024年09月11日
  • 最終講義 挑戦の果て

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    本書に掲載された最終講義について一言ずつ。

    桑原武夫…仏文学者以上に隲蔵さんの子息、というイメージが強い。垣根を越えた研究という事では共同研究も論語の著作も同じなのかも知れない。

    貝塚茂樹…大学者一族の一角、湯川秀樹は弟。東洋史学者の模範的な最終講義だと思う。

    清水幾太郎…60年安保前後で言論が大きく変わった、という印象の人だが、コントに興味を持つ面白い講義だった。

    遠山啓…存じ上げない方だったが、数学論がほんのちょっと分かった気がした。

    芦原義信…ゲシュタルト心理学から都市空間を観るのは面白い。

    家永三郎…教科書検定裁判の人、として子供の頃から名前は知っていた。大人になってから読

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    2024年07月17日
  • 知的生産の技術

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    現代にも通ずる内容と、時代が古いのもあり、若干アナログである面を感じる。
    読む章の取捨選択をしても良いかも。

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    2024年05月21日
  • 知的生産の技術

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    ネタバレ

    中野明氏の『IT全史』を過去に読んだ際、梅棹忠夫氏の『文明の生体史観』を参考書籍として挙げており、梅棹氏を多大にリスペクトしていたことから、いつか梅棹氏の著作を読んでみたいと思い、代表作のひとつと言われる本書をまず購入。

    本書は、知的生産(=人間の知的活動が、新しい情報の生産に向けられること)の考え方から方法論に至るまでのエッセイである。
    1960年代に書かれたことから、現代の書評の多くに書かれているように、具体的な方法論、とりわけ紙のカードやファイリング、タイプライタなどの活用法に関する内容自体は、デジタル全盛の現代においてはあまり役には立たないだろう。
    しかしながら、著者自身も冒頭でハウ

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    2024年05月04日
  • 文明の生態史観 増補新版

    購入済み

    「アジア」なる西洋目線の地域区分があまり腑に落ちなかった私には世界をユーラシア大陸中心部の破壊的勢力の影響をモロに受ける地域とその周辺に位置してあまり受けない地域に分けて考える発想は新鮮だが、腑に落ちる感じがした。著者も述べてるようにこれはアウトラインを描いてるので細かなところで同意できない部分もあるが、大枠では正しいような気もする。
    21世紀の現在から見ると第一地域は広がり(EUの東方拡大や台湾韓国の民主化・先進国化)第二地域(ロシアや中国)との対立が深まっているし、文明の生態史観で梅棹が述べたアウトラインはむしろ説得力を増しているような気がする。

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    2024年08月17日
  • 夜はまだあけぬか

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     「知の巨人」と称された梅棹忠雄氏は多数の著作を執筆されたが、その多くは目が不自由になった後に書かれたものだということを本書で知った。知的生産と学術活動に没頭されていた梅棹氏にとって、目が見えなくなったことは筆舌に尽くしがたい辛さだったに違いない。しかし、梅棹氏の文才はその辛ささえも超越し、薄明の世界で何を感じ、何を考えたかを健常者に伝えてくれる。身内に目が不自由な方がいれば、是非本書を読んでみてほしい。
     また、最終章の「本づくり」は目が不自由な中での執筆活動をテーマにしたエッセイであるが、梅棹氏の著作体系の開設でもある。新たに興味をもった著作がいくつもあったので、さっそく読んでみたい。
     

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    2024年01月22日
  • 知的生産の技術

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    学校ではあまり教えてくれないが知的生産に必要なこと~メモの取り方、カードの作成の仕方と活用法、読書法、日記と記録、文章の書き方など~について、梅棹忠夫先生がまとめた本。
    まだワープロも一般に普及する前の1969年発行だが、"京大型カード"の利用法や、将来"情報科"のような科目が必要だということなど、著者の先見の明に驚くばかり。

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    2023年11月06日
  • 知的生産の技術

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    50年以上前の本だが、今でも参考になることがたくさん書いてある。そしてそれはどれもすぐに実践しやすいもの。そして、自分自身が新しいことを学んでいる、いま、このタイミングで読んで良かった。子どもにも読んでもらいたい一冊。

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    2023年07月21日
  • 女と文明

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    最初に出てくる昭和の主婦、完全に父方のおばあちゃん
    梅棹先生はみんぱくの元館長で、ミュージアム論みたいなことも論じているけど、根本的にモノやヒトの機能や役割を考える姿勢は一貫しているんだなあとおもう。

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    2022年10月29日
  • 女と文明

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    私は料理するけれど、揚げ物は絶対家でやらない。家事について合理化をしようとしても、家族の女陣営が阻んでくるから推し進めにくい。いらないものは捨てたらええのに~❣️

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    2022年08月24日
  • 知的生産の技術

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    おもしろかった。
    昨今のハウツー本のご先祖さまみたいな本。1969年刊。

    1ページ目から「ひらがな多いな!」と思ったけれど、ひらがなタイプライターが日本にやっと3台だけある時代らしい。

    手書きからタイプライターに移行できた喜びが伝わってくる。

    学校に「情報科」という科目を置くようになるのでは、と予見されている。


    京大カードの使い方が知りたかったんだけれど、もっとずいぶん広い範囲における話だった。

    とりあえず
    ・日付と見出しをつけよ
    ・一項目一枚
    ・書いて終わりではない、並べよ
    というのは分かった。

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    2022年03月01日
  • 女と文明

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    誰にでもおすすめしたい、というか、酒場に持っていってこの話題で2時間飲めるんじゃないか。

    家事、結婚、育児は比較的誰でも参加しやすく物申しやすいトピックだからこそ「燃えやすい」。当時は投書欄が「燃えた」らしいが(時代を感じる)たしかに専業主婦がスタンダードの時代にあって、この内容は「自分の仕事を否定された」と読者が感じたのも頷ける。

    家事だって仕事のように効率化して仕事を減らせ、などの話は、令和の兼業主婦にとっては当然のことだし、読んでいてなんら変には思わなかった。

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    2020年11月20日
  • 知的生産の技術

    購入済み

    若い頃自分もやっていた。

    若い頃、この場合は中学校時代と高校・大学生の頃、それぞれ形式や内容は違うが、自分もやっていたじゃないか、という思いがまず出てきました。中学校時代に使っていた用紙は、B4版の茶色く色づいた質の悪いわら半紙だった。碑文谷図書館(目黒区)でノートやメモ代わりに買って使っていた。。値段は覚えていない。何でも書きなぐったことは覚えている。授業中は、黒板の授業内容をノートに書き写すことよりも、先生が話した授業内容を一言ことも漏らさず(ここで・・・と冗談を言う)などということや、生徒たちの反応、周りの雰囲気など、克明に速記し勉強していた?
     
     高校・大学生の頃は、日常のこまごましたことを大学ノート(萬

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    2020年06月23日
  • 梅棹忠夫著作集12 人生と学問

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    本書は梅棹忠夫による人生・学問論である。その多くはエッセイや講演録として収録されている。これらの基底にあるものは「目的体系からの離脱」(p.5)という。こうした発言を、今日の大学の研究者は何人できるだろうか。研究には、とかく社会に対する目的・効果が求められ中で、著者の論は時代背景の違いを特に感じさせる。ただのノスタルジアとして処理するのではなく、本来的な指摘として捉える必要があると思った。また、崇高なもの、聖なるものには「実利的目的がない」(p.40)という言説に救われる読者も多いだろう。科学は神聖な領域に属しているといっているからだ。

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    2015年08月01日
  • 京都の精神

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    京都人の筆者ならではの京都論が展開されており、切り口が面白い。また筆者の語り掛ける口調が丁寧すぎる?点も京都人らしさをうかがわせる。
    京都人ではない私からすると、些か理解に苦しむこともあるが、それも全部含めて京都らしさだといえるだろう。いずれにしても、京都が日本文化を支えているのは事実だ。本書を通して、観光都市の在り方そのものについても考えさせられた。
    しばらく京都に行っていないので、また足を運んでみようと思う。

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    2014年11月06日