梅棹忠夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は梅棹忠夫による人生・学問論である。その多くはエッセイや講演録として収録されている。これらの基底にあるものは「目的体系からの離脱」(p.5)という。こうした発言を、今日の大学の研究者は何人できるだろうか。研究には、とかく社会に対する目的・効果が求められ中で、著者の論は時代背景の違いを特に感じさせる。ただのノスタルジアとして処理するのではなく、本来的な指摘として捉える必要があると思った。また、崇高なもの、聖なるものには「実利的目的がない」(p.40)という言説に救われる読者も多いだろう。科学は神聖な領域に属しているといっているからだ。
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Posted by ブクログ
溜まった書類や写真、資料の整理の仕方について重点的に書かれた本である。
後半に本の読み方や文字の書き残し方についても書かれているが、こちらは補足程度と考えていいと思う。今のようにPCやスマホといった電子機器がなかった時代の話なので現代には通用しない。
そんな感じで、書かれた時期が古いため今の技術や状況からすると適切ではない部分もあるが「溜め込んだ情報を死蔵させないためにどうすればいいか」は、ツールが変わっても共通する問題である。その点さえ理解していれば、現代でも十分に応用が可能だと思う。
事務的書類と資料は分けておくこと、後々情報を組み合わせやすいように細々と分類しないこと、整理と整頓は別 -
Posted by ブクログ
情報をインプットし、アウトプットすることについて述べた本。キーワードは、京大型カード、整理、読書、タイプライター、文章など。
本書で扱っている範囲は、『考える技術・書く技術』 (板坂元/著)と同じだが、本書の方が、問題提起が多く、より啓蒙的である。
この本はハウツーものではない。問題に目を向けさせ、読者自身でその問題を解決するように促すのが目的だ。そのことは本書の「まえがき」に明確に書かれている。
よんでいただいたらわかることだが、この本は、いわゆるハウ・ツーものではない。この本をよんで、たちまち知的生産の技術がマスターできる、などとかんがえてもらっては、こまる。研究のしかたや、勉強のコツ -
Posted by ブクログ
考察の対象をアジア、欧州、北アフリカに限定し、西欧と日本の東西両端を第一地域、それ以外を第二地域として世界史を説明した本です。
第二地域は、文明の発祥地だが、常に乾燥地帯の遊牧民からの侵攻を受けて発展が阻害されるが、第一地域は、優れた文明が伝播する程度に第二地域に隣接する一方で、遊牧民の侵攻から逃れられる程度に第二地域から離れているため、発展した。。大まかにまとめるとこんな感じの理論と理解しています。さらに、広大な第二世界をインド、中国、ロシア、イスラム•地中海、東南アジア、東欧に区分して、それぞれの特徴を論じています。
元々、この本を読む前に著者の「文明の生態史観」という考えを知り、それ -