梅棹忠夫のレビュー一覧
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情報をインプットし、アウトプットすることについて述べた本。キーワードは、京大型カード、整理、読書、タイプライター、文章など。
本書で扱っている範囲は、『考える技術・書く技術』 (板坂元/著)と同じだが、本書の方が、問題提起が多く、より啓蒙的である。
この本はハウツーものではない。問題に目を向けさせ、読者自身でその問題を解決するように促すのが目的だ。そのことは本書の「まえがき」に明確に書かれている。
よんでいただいたらわかることだが、この本は、いわゆるハウ・ツーものではない。この本をよんで、たちまち知的生産の技術がマスターできる、などとかんがえてもらっては、こまる。研究のしかたや、勉強のコツ -
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考察の対象をアジア、欧州、北アフリカに限定し、西欧と日本の東西両端を第一地域、それ以外を第二地域として世界史を説明した本です。
第二地域は、文明の発祥地だが、常に乾燥地帯の遊牧民からの侵攻を受けて発展が阻害されるが、第一地域は、優れた文明が伝播する程度に第二地域に隣接する一方で、遊牧民の侵攻から逃れられる程度に第二地域から離れているため、発展した。。大まかにまとめるとこんな感じの理論と理解しています。さらに、広大な第二世界をインド、中国、ロシア、イスラム•地中海、東南アジア、東欧に区分して、それぞれの特徴を論じています。
元々、この本を読む前に著者の「文明の生態史観」という考えを知り、それ -
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本を読んでいると、知識が定着していないことに気がついた。最近は、メモを取り定着しやすいように心がけていたがなかなか上手くいかない。本書は、同じような悩みをもつ人が問題点を認識するのに役立つだろう。
そもそも、私が無意識に求めていたことは、著者の言う、「追随的読書や批判的読書ではなく、創造的読書の方法」だと思った。本書には、知的生産の技術、その中でも整理についての技法がしっかりと書かれており、整理することの重要性を再認識した。
現在ではIT技術の発展により、Eメール等が普及しており、この本が書かれた当初の環境と大きく異なっている。それでも、著者の考え方が通用しない訳でなく、この考え方を基に、 -
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現代における反知性主義の起源をアメリカにおけるキリスト教の変遷を軸に読み解く書。
ニューイングランドにおけるピューリタニズムの運営上の変遷を基盤として起こったアメリカの独立戦争。
独立宣言にも代表されるように、そこから根付いていった「特権を認めない」という形でのラディカルな平等への熱狂が反知性主義へとつながると筆者は主張する。
本来の反知性主義とは既存体制に対して別軸を打ち立てることによる建設的で知性を要求する行為であるはずが、反知性主義が大衆化することで既存体制を破壊することだけが目的と化している事態を憂慮している点では私は筆者と考えを一にする。
本書は、オルテガ・イ・ガセットが「大衆 -
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学校は知識は教えるけれど、知識の獲得の方法はあまり教えない、という部分に共感。
学びの場において、学びの方法について教えることに関して、疑問を持つ先生は多いのかもしれない。
しかし、中学になったとき、高校になったとき、それぞれの教科担任が、習得方法を伝えることで、学びが定着しやすいと思う。成績の良い子は頭が良いだけではなく、学び方を知っている。
本書では、知的生産の技術をマスター出来ると思われては困る。刺激を受け、自分でいろいろ考えて、実行し、試行錯誤して、自分なりの知的生産の技術を編み出してもらいたい、という願いが書かれていた。
考え、実行し、改善し、オリジナルな技術を発見することが、知 -
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日本では知識は教えるが知識獲得の方法やましてや知的生産の技術は大学ですら教えないということで、筆者のその技術をエッセイ風に書き記したもの。
情報を記録、整理する方法、読書、日記、原稿の書き方などを解説。
ネットのない時代なので使っているツールについてはやや内容が古いが、
「情報×知的処理→知的生産」など、概念は今でも十分通用するし、
未だにできていない人がほとんどと思いました。
必ず読む必要があるわけではないが時間があればどうぞ。
それにしても京大型カードの存在に京大にいた時は全く気づきませんでした。
周囲の同級生も誰も使っていなかったと思います。 -
購入済み
時代を感じる
自分が子供の頃かそれ以前の時の話だなぁ、と読みはじめて思いました。なんだか受け入れられないなぁ、と途中で飛ばして上野千鶴子さんのあとがきを読んでみました。すると"なるほどー"と少し印象が変わってきて、著者は皮肉とユーモア好きではないかと勝手に想像しつつ、また読みはじめました。それは別にして、この頃にアフガニスタン等で仕事してすごい人だなと思いました。