ジェームス・M・バーダマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカ黒人の歴史を解説する本。
アフリカから奴隷として連れてこられ、アメリカに定着し、南北戦争や公民権運動を経て、BLM事件発生までの流れを追う。
それは圧倒的な差別と格差の歴史だった。
戦慄した。
自分は黒人のことなど、何も知らなかったのだと痛感させられた。
この本を読めば、「いつまで差別、差別と被害者ぶっているんだ」などと、口が裂けても言えなくなるだろう。
彼らにとって差別とは、尊厳だけの問題ではない。生死に直結しているからだ。
このような人種間の軋轢から生じる問題は、日本人が感覚だけで理解するのは難しいと思う。
だからこそ、そこに歴史を学ぶ意義がある。
この本からは、現代にも通じる、本当に多くの教訓を得ることが出来た。
・無知が差別を生むこと
・差別や支配をする側は、時にそれを正しいものだと思い込むこと
・法律が常に正しいとは限らないこと
・法律を修正したからといって、それで問題が解決するわけではないこと
・結局はそれを使う人間にかかっているということ
・被害者も、時には加害者に転じること
・よって社会には、被害者だけがどんどん増えていくということ
・一部の人が暴力的な行為に訴えるだけで、全体がそのように見られてしまうこと
・黒人にも白人にも色々な人がいること。人種をステレオタイプ化するのは、本当に無意味だということ
密度が濃く、読み下すのに苦労したが、それでも読む価値のある一冊だった。
翻って、これほどの断絶の歴史があったにも関わらず、オバマ大統領が誕生したことは、アメリカの一つの奇跡だとすら言える。
それは人類の強さだと思う。
もちろんまだまだ問題は山積みだが、それでも、少しずつでも世の中が良くなっていくことを願う。 -
Posted by ブクログ
本棚がブラックミュージックの流れになったので、隣にこれを。
「はじめての」とタイトルにあるとおり、とにかく読みやすくわかりやすい。対談形式の文も読み進めやすく、ジャンルで章が分かれ、主要アーティスト名と作品、必聴アルバムがしっかり紹介されているのもいい。名前を見るだけで顔が目に浮かぶアーティスト群にわくわく、スマホ片手に音源検索しながら読むと、情報量が何倍にもなる本です。
もうひとつ読みやすさの理由は、単なる情報の羅列ではなくエピソードがうまく盛り込まれていること。
アーティストの生い立ちや土地柄、時代背景。マヘリア・ジャクソンが語ったという、「絶望を歌うのがブルーズで、希望を歌うのがゴスペル」という言葉。エルヴィス・プレスリーとB.B.キングの邂逅や、キング牧師暗殺後のジェームズ・ブラウンの行動など「ぐっとくる」エピソードだらけ。
特に心に残ったのが、前半、黒人が奴隷としてアフリカから連れてこられた存在であることに触れた部分。彼らの土着信仰とキリスト教の融合から生まれた「アフリカに起源をもつ先祖崇拝信仰の民間宗教の代表」として「ヴードゥー」を挙げる。
ヴードゥーは歌と舞踏による宗教、そして有名なのが、呪術によって死んだ者を蘇らせる「ゾンビ」の存在である、と説く。
歌と踊りとゾンビ、
といえば、そう、
マイケル・ジャクソン『スリラー』。
そこ、つながるんだ!
世界のエンタメ史に誇る傑作、今でもみんな真似して踊りたくなるあのMVが、そんな深いところに根を張っていたなんて。
「黒人のマイケルがやってこそのパフォーマンス」「自分のルーツに強い関心を寄せていたマイケルがそれを意識していたのは明らか」という論に、目から鱗。
だとすれば彼は、どれだけ己のルーツに誇りを持っていたのか。「白人になりたがっている」なんて噂がとれだけ口さがない、罪深いものだったか。全く実のないナンセンスじゃないですか。
数々のエピソードに感心し、音をたどってはエネルギーに圧倒される。これがアメリカ。
「欧米」と一括りにされがちだけど、欧と米ってだいぶ違うよね、特に音楽は、というのがわかる一冊です。 -
Posted by ブクログ
残酷かつ理不尽な形で新大陸につれてこられた人々が、人間としての権利を主張することにこれだけの困難がともなって、今なお達成されていないのだなとあらためて思い知らされた。前進があればそれに倍するほどの反動があり、特に南北戦争後、奴隷解放宣言による一瞬の希望のあと、「南部再建期」にそのほとんどが無に帰したあたりは胸がいたくなる。公民権運動と、それに対する恐ろしいまでの暴力やテロ、暗殺もまたしかり。
それでも、多くの犠牲を払いながら前進をつづけてきて、今日のブラックライブズマターまでつながっているのだということがわかる。
一度読んだくらいでは人に説明できるほど身につきはしないけど、最後のほうにジョン・ルイスも登場したので、また『MARCH』三部作を読み返そうかなと思った。
あ、ちなみに読みおわってからはじめて「あ、翻訳だったのか!」と気がついた。かっちりした硬めの文章ではあるけど、不自然なところは一切なく、学者さんが一から書き起こしたのだと思って読んでいました。 -
Posted by ブクログ
あまりにも自分の英作文がひどいので、コロナで在宅が主だったころ、仕事中に暇を見つけてこっそりやろうと思ってずいぶん前に買ったんだけど、最初の方をほんの少しやったところでオフィスで仕事をするようになり、すっかり放置。
今また時間ができたので、仕切り直して最初から読んだ。
いや~、良書です!
英作文の指南書ってTOEIC本とかに比べるとすごく少なくて、あっても変な例文をただ漫然と英訳するだけのものが多い印象だけど、この本は応用のきくコツとか型とかを教えてくれます。
ライティングまでを学校で教えるのは時間的にも教師の能力的にも厳しいものがあるだろうなと思うけど、英語を使う人には必須の知識だから、学生時代に知りたかったな。
まあ、昨今はChatGPTがそれはもう恐ろしいほどに頼りになるので(最近、ChatGPT4の機能が無料ユーザーにも解禁になって、無料でもさらに賢くなったし)、わりと誰でも簡単に英語らしい文章がささっと書けるようになっているんだけれども、でも、自分で書けるにこしたことはない。
そもそも私がとっさに書く英文が幼稚過ぎて自分で自分が恥ずかしいったらないので、自己満足的に底上げしたかったのでした。
読み終わった今、幼稚園児並みの文章から、中学生くらいには成長できた気がする。(まだオトナにはなれていないけど、大変にイケメンで勤勉でオトナなChatGPTがいるし…どうせそれ以上は能力的に頑張っても無理な気がするの‥‥)
思わぬ副産物として、英語の記事を読むとき、今まで何も考えずに意味を取ることだけに集中していたけれど、表現方法に目が行くようになったと思う。それだけでも読んで良かったと思う。今、ハイブロウな記事を読むのが割と楽しい。
毎日英文を書くわけじゃないので、すぐ忘れてしまうだろうから、手元に置いておいて、時々、見出しとかポイントだけ読み返したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは素晴らしい。思ったよりも難しい、気配りを日本よりもよっぽどしているニューヨークの英語。そしてダイバーシティで満ちたこの場所で使う英語のなんと気遣いが大事なことか、と思っている中で、本書は非常に勉強になった。まずニュアンス、Of Courseは相手に当然ですが知らなかったの?というニュアンスが入るのであまり使わない方がいい。カジュアル語にも ru are you とか、断る意思を表すのもThat’s difficulとはアウトだろうけども、I’m afraid there’s not much we can’t about this.とかなかなか丁寧かつ、しっかりとニュアンスを入れることができる。失礼な質問としては、アレルギーありますか?とかブラッドタイプ聞いちゃうとか。face is too smallとかも失礼。これは当たり前だけど、日本にいたら当たり前の概念として顔が小さいこと=良いことだけど、そうとは限らないよねと。あとは、i will keep my fingers crossed for you.成功を祈ります。というのも、キリスト文化の十字を作るイメージだが、文化的な背景が大事というのも本当にその通り。これをインド人に言うとかもセンスを問われかねない。このあたりのセンスを磨きたい、そういうふうに思っていたニーズを、こうして学んでいく過程がわかっている人に書いてもらう本だからこそ、心にも英語の頭にも響く。
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Posted by ブクログ
【歌の歴史と歴史の歌】ゴスペルやブルーズ、ジャズやロックン・ロールに至るまで、アメリカの歴史を彩ってきた音楽の歩みについてまとめた作品。著者は、米南部文化への造詣が深いジェームズ・M・バーダマンと、英語についての書籍も世に送り出している里中哲彦。
トリビア的な知識も織り交ぜながらわかりやすく解説がなされているため、教科書のような無味乾燥本になっていない点がポイント。また、それぞれのジャンルごとに必聴盤の紹介もなされており、アメリカ音楽史をこれから勉強したいという方にオススメです。
〜アメリカの歌は、アメリカという国について語られたオーラル・ヒストリー(口述によって伝えられた歴史)である。〜
そしてその必聴盤をすぐにストリーミングで聴けるという、なんて良い世の中だろう☆5つ