【感想・ネタバレ】アメリカ黒人史 ――奴隷制からBLMまでのレビュー

あらすじ

奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。400年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。

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Posted by ブクログ

奴隷制の下でどんなことが行われていたのか、詳しく記載されていた。人種差別の問題がこんなにも根深く、現代にいたるまで続いていること、その複雑さを理解できて大変勉強になった。

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2024年09月05日

Posted by ブクログ

残酷かつ理不尽な形で新大陸につれてこられた人々が、人間としての権利を主張することにこれだけの困難がともなって、今なお達成されていないのだなとあらためて思い知らされた。前進があればそれに倍するほどの反動があり、特に南北戦争後、奴隷解放宣言による一瞬の希望のあと、「南部再建期」にそのほとんどが無に帰したあたりは胸がいたくなる。公民権運動と、それに対する恐ろしいまでの暴力やテロ、暗殺もまたしかり。

それでも、多くの犠牲を払いながら前進をつづけてきて、今日のブラックライブズマターまでつながっているのだということがわかる。

一度読んだくらいでは人に説明できるほど身につきはしないけど、最後のほうにジョン・ルイスも登場したので、また『MARCH』三部作を読み返そうかなと思った。

あ、ちなみに読みおわってからはじめて「あ、翻訳だったのか!」と気がついた。かっちりした硬めの文章ではあるけど、不自然なところは一切なく、学者さんが一から書き起こしたのだと思って読んでいました。

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。四〇〇年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。
この本の目次
第1章 アフリカの自由民からアメリカの奴隷へ
第2章 奴隷としての生活
第3章 南北戦争と再建―一八六一〜一八七七
第4章 「ジム・クロウ」とその時代―一八七七〜一九四〇
第5章 第二の「大移動」から公民権運動まで―一九四〇〜一九六八
第6章 公民権運動後からオバマ政権まで―一九六八〜二〇一七
第7章 アメリカ黒人の現在と未来

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2021年07月14日

Posted by ブクログ

アメリカにおける黒人差別の歴史がまとめられています。
扱う内容が広範な分、一つ一つの内容が薄くなりがちで、ちょっと分かりづらいかなと感じる部分もありましたが、黒人差別を扱った本の中では比較的新しいこともあり、最新の情報に触れることが出来ます。

【こんな人におすすめ】
黒人差別の歴史に興味がある

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

アメリカ黒人の通史が良くまとまっています。現代に近づくにつれやや情緒的になることはやむを得ないでしょうか。

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2021年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「ブラック・ライブズ・マター」、その歴史を学ぼうと手に取った。
 1863年のリンカーン大統領による奴隷解放宣言から1世紀が経過し、1964年の公民権法、1965年の投票権法、メディケアという高齢者医療制度など、徐々にではあるが制度が整備されている。しかし、一方で黒人をはじめとする非白人が持つ根深い構造格差(教育、就職、所得、資産管理等)や白人からの偏見が重くのしかかっている。
 黒人初のオバマ大統領の誕生は米国の懐の広さを感じたものだが、そのオバマ氏もねじれ上・下院や人々の偏見で思ったような政策を進めることができなかった。白人至上主義者や白人の生活力が低い人々からの強い抵抗もあったことだろう。
 2000年代のはじめには黒人の若年層の12%が刑務所に入っているという驚きのデータもあるという。四世紀にもおよぶ人種差別の根深さを感じる。今後、非白人の人口が白人に迫ってきたとき、この国に何が起きるのだろう。

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2021年02月21日

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