漆原ミチのレビュー一覧
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今、読み終わって感じた事を素直に言葉とするなら、「すっげえ漫画、読んじまったなぁ」であろう
この『ありごけ』って漫画をストレートに表現するなら、剥き出し、だ
夫婦の仲、男と女の関係、親子の絆、どれもかれも、まとめてひっくるめて、見栄えの良い皮を力づくで剥いで、ありのままを読み手に見せつけてくる感じ
うん、他の読み手に伝わらないのは百も承知。けど、この震えは偽りようもない
二巻完結だからこそ、余計に、そんな感じがするのだと思う
さすがに、『オニマダラ』ほどではないのだけど、「まさか」の連続で、体力のない読み手だと途中で息切れしそうになるかも。ただ、最後まで、このペースに置いていかれなかったら、面 -
Posted by ブクログ
剥き出しだ
伝わる、伝わらない、は関係なく、それが私の『ありごけ』って作品に対して感じた、端的な印象
ありごけ(この単語も、私は初耳だった)のヒロインが記憶喪失って設定を背負っているからか、個人っつーよりかは、人間って生き物の本性が、読み手の許容量を考えないレベルで曝け出されているな、と感じた
肉体的や精神的にエグい描写が多い訳ではない・・・皆無でもないが
巧く言えないが、ヒロインと関わり合う依頼人らに近しいトコが胸の中にある読み手は、確実にハッとさせられ、思わず、本を閉じてしまうかも知れない
ある日から前の記憶をすっぱりと失い、思い出せない事が多くなり、自分って存在が自分で最も判らなくなるか -
Posted by ブクログ
「この世界にはこんなヒエラルキーがありますよ」という説明が手短で、実際のストーリーを読みすすめることで分かってくるのが面倒くさくなくて良い。
富裕層の住む「街」、雑多な人々の住む「畑」、人権すら希薄な底辺の人々が住む「森」。
この三つの社会に住む人々は、身分的な上下関係があり、隔たりがあるものの、互いに依存しあっている関係である。
ストーリーは、純粋で前向きな主人公の「キヨコ」と、子供のころに「街」に買われ、使い捨てられた青年「小辰」の関わりがメインだが、二人はこの先、さまざまな思惑に翻弄されるだろうことが予感される。
大きなテーマとしては、「食べるために殺す」ということの倫理であり、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ店頭で気になって気になって買ったら大当たりと言う幸運。
こう、小説やらでもよくあることだけれども、読み終わってから帯やカバーのあらすじを見て
「いやいやそうなんだけどそれだけじゃない話でしょう、だからってどう説明すればいいいかはわからんですが!」
ってなる漫画だった。
つくりこみすぎず簡単でもない、わかりやすいと同時にシビアで生き生きしててえげつなく、家族愛や善意や希望がしっかりあるから黒すぎる世界。
一見まともでどっかしら危うかったり、ひたすら異様で奇妙で人間くさかったり、登場人物がいちいち好みだった。
番先生と中田とかんさかんと、王様と、王子、このへんの存在感が大好きだ。
続きがとて -
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独特な世界観
独特な世界観に引き込まれてしまう。
他の作品で言うなら、「ドロヘドロ」の様な感じだろうか?
格差社会という基本設定自体はありがち(特にハリウッド映画などで)ではあるが、この描写は独特。
一方、ストーリーは2巻まで読んだ時点ではどうなっていくのかわからない。
ただ、「平凡な主人公と、チートな強さを持つ個性的な相手役」という組み合わせ自体は、他の作品でもよくある流れではある。
つまり、世界観の描写がキモであり、ストーリー自体は特別斬新ではないという事だろうか?
まだまだ導入部分で、今後の展開が読めないので評価はまだ微妙。
ただし、この世界観に合う人なら、強烈な印象を残す作 -
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Posted by ブクログ
壊れた少女と少年は止まることを知らず、狂い続ける世界に弄ばれる第4巻。
永遠と破滅。自分を自分として保たせてくれるものに依存し続けるキヨコ、代替する命を疑わない小辰、破滅させることで永遠の美しさを求める王子、刹那の感情の爆発にすべてを求める百。今回歯止め役とも言える中田の死によって、タガが外れてしまったこの4人が向かう先というのは絶望が浮かびます。キヨコのもう何も失いたくないという恐怖感が生み出す狂気の行動がなんとも恐ろしく今回は映ったので、何か救いを彼女にあげて欲しいですねぇ。永遠と破滅を求めるキャラの狂宴ももうそろそろ終局、果てさてどうなるのか。
キヨコさんハイパー無双モード突入