椎崎夕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ在宅勤務のSE・槙原俊は、飲まず食わず寝ずで行った仕事明け、玄関を出るなりその場で倒れてしまう。
気がつくと、アパートの隣人・渡辺研一とその息子・孝太の家で介抱されていた。
俊は、研一に感謝するが、研一の態度は冷たく、その印象は最悪だった。
しかしなぜか孝太は俊に懐いてしまう。
俊が倒れたのはどうやら、風邪だったようで、それから三日間寝付いてしまった俊の下へ、孝太は毎日「お見舞い」と称して、自分のおやつだと思われるお菓子を持ってくる。
やがて、すっかり風邪もよくなった俊だったが、相変わらず孝太は俊に懐いたまま。
公園やアパートの庭などで俊を見かけるたびに、駆け寄って纏わりついてくる。
最初はそれを鬱陶しく思っていた俊だったが、次第にそんな孝太を憎からず思うようになる。
そんなある日、公園で孝太の叫び声を聞いた俊が駆けつけてみると、そこでは俊の「母親」と名乗る人物が孝太を連れ去ろうとしていた。
咄嗟に孝太を守ろうとした俊だったが、そのことから怪我をしてしまう。
そして、それがきっかけで研一と孝太の過去を知ることになってしまう。
それは、研一の元妻が、浮気の際に、孝太を車に置き去りにして孝太が死にかけたという大変なもので、そのことにより孝太は、知らない人間のことを基本的には受け入れられなくなってしまっているのだという。
おまけに、そのタイミングで、孝太が一番懐いているベビーシッターが、長期に療養することになってしまい、その際にしばらく孝太を預かってほしいと頼まれる。
最初はためらった俊だったが、状況を聞き、研一の気持ちが変わらないのだと知ると、孝太を預かることにする。
すると、必然的に研一との仲も縮まっていって……
という話でした。
実は、俊にはこれ以外にも、頻繁に住居を変えないといけない理由が他にあって。
それは、昔付き合って、今も別れてくれない恋人の束縛ってやつで。
俊は何度か別れようとして、その度に転居もするのだけれど、結局別れきれなくて元鞘というのを繰り返していて、でも今度という今度は。
その恋人が、別の女と結婚するけど、これからも関係を継続しようと言ってくるから、本気で別れようとしていて。
でも、元恋人の罠は巧妙で、また元通りになるのかなー……となりそうだったところ、研一の存在に何とか思いとどまらされるという感じで……。
それでようやく本当の自分の気持ちに気がついた俊は、けれど、自分の気持ちが絶望的なものであることを、これまでの経験で勝手に決め付けていて。
また、ほどよいところで、研一の前から姿を消してしまう……。
まぁ、最後は当然ハッピーエンドですけど。
なんというか、意外と重たいものを二人ともが背負っていて。
また、子どもを間に挟んだやり取りがかわいくて、かわいくて。
素敵な話だと思いました。
前もこの作者さんの話素敵だと思った記憶があるので、この作者さんはきっと素敵な話を書く人なんでしょうね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ美容師の瑞原想は、同棲中の恋人に、「結婚するから明日には家を出て行け」と意味のわからないことを言われた店で、たまたまいい男がワインをかけられるところを目撃してしまう。
呆然とする想だったが、店を出たところでそのワインをかけられた男とすれ違いかけ、おせっかいを承知で、ハンカチを差し出してしまう。
そこに、ワインをかけた女が再び戻ってき、ちぐはぐな言い合いの末、その女性は想を突き飛ばし走り去ってしまう。
突き飛ばされた想は、その拍子に腕を骨折してしまう。
ところが、美容師の想は、それを職場の共同経営者兼店長でもある元恋人に告げると、今度は仕事もクビになってしまう。
帰る場所も仕事も失った想は、仕方なくワインをかけられた男・梶山の「何かあれば連絡をしてほしい」という言葉を頼りに、彼の家を訪ねる。
すると「怪我をさせた責任を取る」という梶山の言葉に甘え、彼と同居することになった想。
当初、生活感のない梶山の家で、息を潜めるように生活をしていたが、ある日、お金を節約するために十分に食べていなかった想は、倒れてしまう。
そんな想が働けず、お金もないのは自分のせいだから、と、今度は梶山は想と食事をするようになる。
想は、それを何もしていないのにsてもらうのは悪い、と言い、代わりに家事を一手に引き受けところが、ることになる。
ところが、生活を共に過ごすうちに、恋人を失った過去に縛られたままの梶山に想は少しずつ惹かれはじめる。
そんな時、梶山の職場を訪れた想は、過去の恋人と再会する――。
そんな感じの話でした。
少しずつ梶山と想が、距離を近づけていくところがとてもしっとりと書かれていて、かなり面白かったです。
想は、ダメな男ばかりを引き寄せてしまい、今までちっともいいめにはあってこなかったのに、それでも相手を恨むことなく、前向きに生きていて。
今度も、梶山のことを思って一旦は、引くけれども、梶山がそうのところを訪れて、二人はハッピーエンドなんですが。
そうやっても、自分が我慢することで、梶山に迷惑がかからないようにしようとする想は、とっても優しくて、でも悲しくて。
そんな想を、自分の気持ちを認めた梶山が、そっと包み込んでいるのがとても優しい。
いろいろあったけれども、二人がとっても優しいのでとっても優しい話になっていて、すごくよかったです。
途中、想が、過去の恋人にいいようにされてしまうところもあって、そこだけかなり痛いような気もするので、そういう痛いのが苦手な人は避けた方がいいかもしれません。
個人的には、そういうひどい描写がなくてもちゃんといい話に仕上がったんじゃないかと思うので、そこだけマイナスでした。 -
Posted by ブクログ
ノベルズ版読んだことあるのに、全く内容覚えてなかった(汗)でも初読み気分で楽しめました♪面白かった〜!やっぱり私は椎崎さんの書かれるこういうタイプの受けがツボ!ネガティブ&不幸な子w自虐受け?(笑)笠原さんに出会えて大事にしてもらえて本当良かった〜;;しかし、ここに至るまでの誤解やらすれ違いっぷりが半端ない(苦笑)二人とも言葉が足りなさすぎる;でも誤解するのも無理はないな、っていう書かれ方だからまんまとやられた〜(笑)せっかく書き下ろしがあるなら、笠原さん視点のお話読んでみたかったな。馨の元カレの石井さんが、「ずるい男〜」の石井さんだったというのがびっくりっ!リンクしてたとは…。ずるい男〜読み返したくなった!
挿絵がノベルズ版の印象強くてちょっとイメージが(苦笑)可愛すぎたかな。