雪代鞠絵のレビュー一覧
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萩尾望都に傾倒した私にはベタながら好きな作品でした。全寮制で、裕福な家庭のご子息しかいなくてーーそんな中に編入生がやってくる。最早ケータイ小説でもありふれた設定なのに、カトリック系の学校であることと、ご子息たちの集まりであることを生かしてまとめられていらっしゃるのですごい綺麗な作品になっています。
三作品あるうちのゴシックが一番好きなのですが、こういうシンデレラストーリーはやはり王子が王子らしくあることと、シンデレラボーイ側がいかに虐げられたかによって面白さが決まると思います。この作品の爪痕がその後の作品へと引き継がれるのは読んでいて本当に面白かったです -
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ネタバレ慕い続けた兄・羽倉穂高を追って、櫻林館学院に入学した桜井千聖。
3年ぶりに再会した穂高は、学院の特権階級であるソルトラムのメンバーへとなっていた。
挙句、千聖は「弟じゃない」と穂高からすげなく突き放される。
ルームメイトからはいじめに遭い、学院にもなじめずにいたが、大好きな兄の少しでも傍にいたいと思い、寂しさに耐え続けていた。
ところが、今年も伝統行事「子羊狩り」が始まる。
反対するソルトラムメンバー・春実の呼びかけも虚しく、今年の子羊に選ばれたのは、千聖。
それでも穂高は、子羊狩りを始めてしまうが……
という内容でした。
これを読んで、前作で香月が「止める」と言っていたことに怒ったのですが、なんとなくそれでも「止められなかった」んだなー……と思ってちょっと納得したんですが。
それでも、封書を出すのと出さないのとではわけが違うような気はします。
とりあえずシリーズ最後の話、ということで今までのメンバーの名前が少しずつ出てきて、とてもその後が気になる展開ではありました。
前作で、蓮に振られてしまった真琴のその後が出てきたのが、一番衝撃的で、この二人の今後が書かれていない上に、これでシリーズが終わってしまったのが、非常にもったいなく思ってしまいました。
そういえば、肝心の穂高と千聖の話ですが。
穂高には、どうしても言えない&千聖の想いに答えられないヒミツを知っていて、そのために千聖のことを拒んでいたんですが、本当は穂高も千聖のことを大切に思っていて……
もちろん、最後はハッピーエンドです。
いくらでも続きの物語はできると思うので、これで終わり、じゃなくてもう少しいろいろ読みたいなー……と思うと、残念です。 -
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ネタバレシリーズ2作目です。
ソルトラムと呼ばれる学院のエリート集団のメンバー・白伊香月は、尊敬する兄達に倣い、エリート中のエリートの証である学院の生徒会長になるのが目標の優等生であった。
そのため、香月は品行方正な真面目を絵に描いたような生活をしていた。
そんな香月の幼馴染み・奥園蓮は、香月とは正反対の奔放すぎる生活と振る舞いをしていて、香月を怒らせてばかりいた。
そんな蓮のことなんて放っておけばいいのに、どういうわけだか放っておくことができない。
そしていよいよ、生徒会長を決める時期にかかったある日、ついに生徒会長を決める方法が決定された。
それは『子羊狩り』という方法であった。
『子羊狩り』とは、今年入ってきた編入生の中から一人を選び出し、そのものと恋愛関係に落ちるか、無理やり犯すか、その他の方法で、入学時に一人ひとりに与えられるロザリオを手に入れる、というものであった。
今まで生真面目に育ってきた香月には当然、そんなこと受け入れられるはずもない。
けれど、代々生徒会長を務めてきた兄たちと同じようにどうやってでも生徒会長の座を手に入れたい。
そんな香月に、子羊のロザリオを手に入れた蓮がある取り引きを持ちかける。
それは、ロザリオの代わりに、香月の身体をよこせ、というもので……
という話でした。
これは、前作より一年前の話だったんですが、読んでて、前作との大きな矛盾に気づいてしまって呆然としてしまいました。
ここから先は本気のネタバレなので、聞きたくない人は回れ右ですが。
結局のところ、蓮と香月がハッピーエンドなのはいいんですが。
ハッピーエンドになった香月は「子羊狩りをやめる」って言ってるんですが、止めてたら一作目の話が成立しねえええええええええええええええええ!! となって、呆然としました。
止めてたら、春実はあんな怖い目におあわずにすんだんやん……。
いや、あれも結局、志貴の乱入でぐちゃぐちゃになってたから、結局止めになったも同然なのかもしれないし、止めるためにああいう方法を取ったのかもしれないけど、明らかにこの話の後半の蓮と香月の雰囲気と、前作の蓮と香月の雰囲気が違う!!
だからてっきりこの二作目は、春実と志貴がくっついた後まで引っ張って終わりを迎えるのかと思ったんですが、そんなことなくて……。
え?? なにこれ、パラレルワールド?? みたいな感じでした。
その辺りを作者さんが、何か言い訳じゃないけど、そういうことしてくれてないかどうか確認してみたんですが、そんなこともまったくなくて。
すっごく残念……。
なんか、一作目がなかったことにされちゃったみたいで、つらい……。
いや、書くのにタイムラグが生じているのは百も承知なので、そこまで一作目に忠実に!! なんていうつもりは微塵もないんですが、それでもここまでちぐはぐにされちゃうとかなりショックです。
それならなぜ、関係あるシーンにしたのか、とか。
続き物的なタイトルにしたのか、とか。
いろいろツッコミたくなってしまう……。
いっそ、まったく関係ない代の話にしてくれてもよかったのになぁー……と、とても残念です。
一作目がよかっただけに残念すぎて、ショックでした。
ただ、これだけ読んだら十分に面白いので、単に私が「続編」であるということに期待しすぎただけなので、一作ずつ読みきりのつもりで読んだら、十分に楽しめるかと思います。 -
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ネタバレ櫻林館学院に編入した村生春実は、礼拝堂で知り合った上級生・朝水志貴に突然触られ、驚いて突き飛ばし、ケガをさせてしまう。
真っ青になった春実だったが、志貴の命令により、罰として毎朝身支度の手伝いをすることになってしまう。
志貴はソルトラムと呼ばれるグループのメンバーで、下級生の憧れの的の存在で、そうとは知らずに関わり合いになってしまった春実は、目立ちたくなんてなかったのに、思い切り目立ってしまう。
そんな中、この学院の秘密の伝統行事『子羊狩り』が開始される。
今年の子羊に選ばれてしまった春実は、狙われ始めるが――。
という話でした。
実は、春実には叔父にいたずらをされていたという過去があり、それがばれて、半ば無理やり櫻林館学院に編入させられる。
そこで春実は息を潜めるように生活していた実家からようやく開放され、「友人」と呼ばれる存在を作ることができた。
そのきっかけをくれたのは志貴で、春実は少しずつ志貴に惹かれていくというのが、メインの話で、そんな中、子羊狩りが開始されて、春実が狙われ、そのことが原因で、トラウマとも言える過去の出来事を思い出していく……という話でした。
なんというか……隔絶された全寮制男子校という中で行われる、ちょっと陰惨なお遊び……なので、現実離れしていて、ファンタジーとしてとっても面白かったです。
なんだかちょっと背徳な感じのする話がお好きな方にはオススメです。 -
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ネタバレ千冬は、貧しい村で母親と二人きりで生活をしていた。
母親の元へ男が訪れ、その間、千冬は寒くても部屋に入れず、幼い千冬は意味も分からないまま、母が何事かをしているのが終わるのをじっと待っていた。
そんなある日、母親が殺され、家に火が放たれ、千冬は家も母も何もかもを失ってしまう。その時初めて、千冬は村の人の言葉から、母が何をしていたのか、また、千冬と母親がこんな生活を送るようになったのは元々母が下働きをしていた華族の屋敷から子どもを身ごもったことが原因で追い出されたからであること知る。
そして、追い討ちをかけるように、母が背負っていた借金の代わりに、千冬は売られてしまう。
そのまま船に乗せられ、花街に売られてしまった千冬だが、そこで更に、自分たちが生活していた村が、華族の別荘地を造るために廃村にされてしまったのだ、ということを知らされる。
絶望した千冬は、辱めを受けそうになったところを、北国の冷たい冬の海に身を投げる。
ところが、奇跡的に浜辺に流れ着き、玖珂伯爵家当主・玲人に助けられる。
ショックで声の出なくなった千冬に、癒えるまで屋敷に滞在していいと優しく声をかける玲人だが、千冬はすっかり華族が嫌いになってしまっていて……という話でした。
千冬は、玲人が「華族である」という理由から、なかなか玲人に心を開けずにいたけれど、玲人にも玲人の重い過去が有り、そのことを知った千尋は次第に、玲人に心を許すようになって……
まぁ、多分、いわゆるシンデレラストーリーですね。
実は二人には過去に接点があって。
そのことに先に千冬が気がついて。
玲人を喜ばせようとするためにやったことから逆にトラブルに巻き込まれて。
それを玲人に誤解されて、無理やり玲人にやられてしまう。
そこに花街からの追っ手が差し向けられて。
千冬は玲人に迷惑をかけたくない一心で、その男たちと一緒に帰ってしまうう。
そんな千冬を玲人が更に追いかけて、ハッピーエンド。
基本的に、玲人はものすごく誰にでも優しいんですが、する時だけ別人のように意地悪なのが大分萌えます。
なんというか空気ほのぼのやるとき意地悪攻めってとってもいいですよね! -
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ネタバレスランプに陥ったピアニストの晴人と、晴人を違う名前で呼ぶ少年・睦月のお話。
睦月は、晴人のことを一年前にいなくなった恋人・優貴と勘違いしているようで……というお話。
睦月は、晴人の「優貴じゃない」という言葉に一切、耳を貸さなくて、やれる限りの無茶をする。
家の扉を叩き続けたり、自分が凍えてしまうくらいまで、晴人を待ち続けたり……。
話が大分進んだ途中で、晴人もようやく、優貴の精神状態が普通じゃないってことをはっきりと自覚するんですが……。
まぁ、大体は、考えたような展開……つまり、ベタでした。
でも、ちょっと優貴を我に返らせる方法が、ちょっと思ってたのといい意味で違ったのかなー? と思います。
ただ、話としてはとっても綺麗な話だったように思います。
表現、ちょっと変だと思うんですが、睦月が自然に病んでて……というのか、他は一切普通なのに、そこだけおかしい、というのが上手に表現されてて、それが話が重くならずにすんでる理由なのかな? と、思いました。
シリアスかつ、綺麗な話が好きな人にはオススメできる話かな……と、思います。
ただ、晴人がどうして、あんなに怖いし、迷惑なことをされた睦月に最終的に惚れてしまったのか……? ということは疑問に思わないこともなかったですが……。
自分がやられたら怖いし、ひきますよね……。
でも、最後まで読んで。
結局本当は晴人は、スランプでむしゃくしゃしてたからアレだけど。
困ってる人を放っておけないたちで、純粋な裏表のない好意を見せられたら、弱いのかなー……と、思ったら、なんとか納得できなくもないような……(苦笑)
まぁ、無理やり納得するようなもんでもないですけどね。 -
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身体が弱くて鳥籠の中の小鳥みたいに大事に大事にに育てられてきた夏奈と自由で不思議な雰囲気の凛。
うーん……こういう設定は大好きなんだけど……なんか惜しいっていうかやりすぎっていうか携帯小説っぽい……
夏奈は徹底して病弱。凛は孤独。加えて愛人の子だの母親の死だの兄弟だの…結構複雑。
全体的になかなか超展開…波乱万丈な青春時代ですね夏奈も凛も…(^O^)
二人で静かに過ごした期間なんかは確かにすごく綺麗だし切ないしいいんだけど、先は読めちゃう…
懐かしのセカチューみたいな、病気定番ストーリーって感じかなあ。
女々しい少女漫画嫌いな人は嫌いかもしれない…絵柄も夏奈のキャラも、少女漫画って感じがすごくする気が……
あと絵は時々エッてなる箇所がちらほら…(^O^) ちょっと心許ない感じが……