斎藤文彦のレビュー一覧
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まず初めにことわっておくと、私はプロレスないし格闘技には全く興味がなかったし、ちゃんと観たこともない。
強いて挙げれば『キン肉マン』は好きではあるが、それはプロレスが好きというのとは違うしプロレス的表現やエピソードには実はピンと来ていない。
ただ何となく、知らない事を読んでみようと思い手に取ったのが本書。
結論から言えばものすごく良かった。
おおよそ60〜80年代くらいまでに活躍をした、10名の外国人レスラーについて人柄・内面性をメインに、丁寧にさらっている人物伝集。
大抵の人物がパッと大きく華やかに開くが、やがて注目が離れては静かに散っていく生涯を送っており、また、えてしてその素顔 -
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超獣。
キング・コング。
インテリジェント・モンスター。
ブルーザー・ブロディ。
プエルトリコでの突然の死から30年。
昭和のリングを彩った大レスラー ブルーザー・ブロディの評伝が、平成が終わろうとする今、出版された。
「ハンセンにはプロレスラーの凄さを、ブロディにはプロレスの凄さを教えられた」と天龍源一郎はかつて語った。
カーリーヘヤーに長いあご髭。
毛皮つきのリングシューズ。
「移民の歌」をテーマに、チェーンを振り回し、雄叫びを上げながらの入場シーン。
試合が始まれば、クラシカルなレスリングもあり。
打点の高い強烈なドロップキックあり。
フィニッシュは、キングコング・ニードロッ -
Posted by ブクログ
第94回アカデミー賞での平手打ち事件についての現地アメリカと日本の受け止め方の違いが指摘されていますが、それは社会の判断基準の変化についてのエンターテイメント業界の敏感さの違いとも言われています。本書もプロレスを窓にして、社会の変化を「論評」する本です。非常にタイミングのいい出版。WWEのレッスルマニアではいよいよ女子がメインをとったという出来事からはジェンダーを、元々プロレスのストーリーラインで大きな位置を占めていた人種問題の消滅のスピードからはポリティカルコレクトネスを、はてまたコロナ禍の中での無観客試合からはエンタメの未来を語り合います。そのどれも、実は日本のプロレスの影響が紐付けられて
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Posted by ブクログ
どのジャンルもそうかもしれないが、特にプロレス界は記憶のジャンルだと思った。空前の80年代を経験したものにとってはなおさら。
ブッチャーの「ブロディはフレンド、ホセもフレンド、カルロスもフレンド、みんなフレンドなんだ」との言葉が忘れられない。不幸な事件について、特にその後、その始末記を端的に表すとすると、そういう言葉に収まるのだろう。
ただネット、YOUTUBEで語られつつある事件の背景として、88年当時のブロディのメンタリティ(全日ファーストをベースとしたプライド)への切り込みが少なかったので、この本だけではもやもやは残るようには思う。
とはいえ、構成・まとめ方、そしてちょっとしたエピ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『超獣』ことブルーザー・ブロディの没後30年を機会に
出版された本。著者はファンから絶大な信用を誇るプロ
レスジャーナリスト及びエッセイスト、フミ・サイトー
こと斎藤文彦。
いまから30年前の7月17日(日本時間)、プエルトリコ
・バイヤモンのフォアン・ラモン・ルブリエル球場で行
われていたWWC(ワールド・レスリング・カウンセル:
カルロス・コロン代表)の興行開始前、同会場のシャワ
ールームにて、プロレスラーのブルーザー・ブロディが
刺殺された。刺したのは同じくプロレスラーで同団体の
ブッカーも務めていたホセ・ゴンザレス。ブロディは病
院に搬送されたが、翌18日に死亡が確認された。享年42 -
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Posted by ブクログ
時代的には力道山がプロレス入りしてから、馬場・猪木が台頭するまで。
内容については既存のプロレス史をなぞってるだけで、特段新説・奇説が出てるわけではないので割愛。
以下、簡単ながら雑感を。
・昭和のプロレスライターの(田鶴浜弘、鈴木庄一、桜井康雄ら)の文章を元に、プロレス史を紐解いている。
今みたいにネットも動画もない時代の情報を精査するのは難しい中、丹念に取り扱っているのは素晴らしい。
・当然ながら今ほどプロレス界において報道の自由はないし、情報も限られた中、著者の立場や性格によって若干の違いがあるのが面白い。
逆に、その微妙な差異の面白さを感じ取れない人にとっては退屈かと。
プ -
Posted by ブクログ
共著になっているが、基本的にはフミサイトウのインタビュー。昔から彼の話は面白い。
とはいえ、プチ鹿島の十分な知識量と「聞き手と解説役になる」という姿勢が本書の魅力になっているのは明白。
プロレスはリベラルで、とても進んでいたジャンル(斎藤)420
定説では「力道山は日本領だった朝鮮で日本国籍として産まれ、戦前に長崎県で養子に入って戦後を迎えたので、産まれた時から死ぬまで日本国籍だ」だが実は怪しい。長崎県の戸籍も「謎の戸籍」で、これはアメリカ指導の文化政策で日本政府が力道山に超法規的措置の可能性がある(プロレス文化政策のため)。帰化もしていない416
「力道山が憎きアメリカ人を空手チョップ