あらすじ
カール・ゴッチ、ザ・デストロイヤー、アンドレ・ザ・ジャイアント、ビル・ロビンソン、ダイナマイト・キッド、テリー・ゴーディ、スティーブ・ウィリアムス、バンバン・ビガロ、ビッグバン・ベイダー、ロード・ウォリアー・ホーク――。昭和から平成の前半にかけて活躍し、今はもう永遠にリング上での姿を見ることが叶わない伝説の外国人レスラー10人。本書は今だから明かせるオフ・ザ・リングでの取材秘話を交え、彼らの黄金時代はもちろんのこと、知られざる晩年、最期までの「光と影」を綴る。
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Posted by ブクログ
まず初めにことわっておくと、私はプロレスないし格闘技には全く興味がなかったし、ちゃんと観たこともない。
強いて挙げれば『キン肉マン』は好きではあるが、それはプロレスが好きというのとは違うしプロレス的表現やエピソードには実はピンと来ていない。
ただ何となく、知らない事を読んでみようと思い手に取ったのが本書。
結論から言えばものすごく良かった。
おおよそ60〜80年代くらいまでに活躍をした、10名の外国人レスラーについて人柄・内面性をメインに、丁寧にさらっている人物伝集。
大抵の人物がパッと大きく華やかに開くが、やがて注目が離れては静かに散っていく生涯を送っており、また、えてしてその素顔というのが「レスラー」というイメージからは少し違った、豪放でありつつもどことなく素朴で繊細な、好もしい人達ばかりである。
職業の性質的には’アイドル’に近いのだろうか。
現代のようにSNSで私生活をオープンにしてきてはいないので、ミステリアスな部分や計り知れない部分が多々あり、その分、著者だけが知ることが出来た・過ごす事が出来た彼らの’素’の描写には血が通っている。息遣いのような、温もりを感じることができる。だからこそ、読んでいて心が揺さぶられるのだと思う。
この点、いまはSNSでリアルタイムに’今’を発信することは可能だが、そこに’生きている感’を見出すことは案外難しいのではなかろうか。
私は確かに、10名のレスラーの魂のバトンを受け取った。
使われている肖像写真も、良いものばかりだと思う。
個人的にはアンドレ・ザ・ジャイアントとバンバン・ビガロが好き。
1刷
2021.7.9
Posted by ブクログ
著者のプロレスエッセイは何作か読んだことがあるが久々に読んだのが今作。
誰をとっても日本のプロレスシーンから切っても切り離せないレスラーを取り上げてはいるが、著者の好みや距離感の近しいレスラーほど、無味乾燥な描写よりペーソス漂う著者独特の文章が増えていて読み応えがある。
鬼籍に入ったレスラーのみを取り上げているせいもあるだろうけれど、ここに挙げられたレスラー以外を見渡しても、現役を全うした後に余生を幸福に過ごしたレスラーのなんと少ないことか。
それだけ(精神的にも肉体的にも)過酷な職業だと言えるのかも知れない。
Posted by ブクログ
斎藤さんの文章は、自分が中学か高校時代のどっぷりプロレスにハマっていた時、週プロの記事を読んでて好きだった。なんか、おしゃれでアメリカの雰囲気が漂ってて、憧れていた。
読んでてあの頃のスーパースター達が皆、早死にしている事にショックを受けつつ、彼らのプライベートが知れて興味深かった!
Posted by ブクログ
斎藤文彦による日本でも活躍した外国人レスラーの一冊。
全て故人なので20世紀に活躍したレスラーが対象なのは当然ながら、自分はリアルタイムに見てた選手が多く、レスラーとして活躍してた時代と晩年とのギャップに、涙を誘われれた。