あらすじ
プロレスを語ることは今の時代を語ることである──。ベテランプロレス記者であり社会学講師の顔も併せ持つ斎藤文彦と、世相を独自の視点で斬る「時事芸人」であるプチ鹿島。COVID19の感染拡大により社会全体が混乱し新しいやり方を模索する中、この二人の最強タッグがプロレスを切り口にコロナ時代を読み解くヒントを語りつくす一冊。『KAMINOGE』の人気連載対談シリーズがついに待望の初書籍化!
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Posted by ブクログ
プロレスの奥深さがわかりやすく伝わりとても面白い。
有田哲平の「おまえ有田だろ」で知ったことをさらに深くしれた。
使ってはいけない言葉についてもよかった。
Posted by ブクログ
第94回アカデミー賞での平手打ち事件についての現地アメリカと日本の受け止め方の違いが指摘されていますが、それは社会の判断基準の変化についてのエンターテイメント業界の敏感さの違いとも言われています。本書もプロレスを窓にして、社会の変化を「論評」する本です。非常にタイミングのいい出版。WWEのレッスルマニアではいよいよ女子がメインをとったという出来事からはジェンダーを、元々プロレスのストーリーラインで大きな位置を占めていた人種問題の消滅のスピードからはポリティカルコレクトネスを、はてまたコロナ禍の中での無観客試合からはエンタメの未来を語り合います。そのどれも、実は日本のプロレスの影響が紐付けられて、めちゃくちゃそそる話です。日本のプロレスが進みすぎていたのか、そのあと全然進まなかったのか…論客がアメリカンプロレスのウィキペディア(命名:プチ鹿島)、フミ斎藤と時事芸人、プチ鹿島、そして実は一番効いているような気がするKAMINOGE編集者、堀江ガンツ。スイングしまくります。現代の話題だけではなく、NWAの権威のプロパガンダだったり、ロードウォリアーズというブランドの会社と個人のせめぎ合いだったり、よだれダラダラなテーマの連発です。トランプが大統領になった頃からリアルとファンタジーの逆目の溶解現象が起こっているような気がするのですが、それは現実社会のプロレス化が起こっているのかもしれません。実は直前の読書が北村紗衣「批評の教室」。その影響もあってプロレス入り口で、社会のことをあーでもないこーでもないと批評、論評する豊かさを感じました。最後の最後にプチ鹿島の言う「批評を止めるな!」「論評を止めるな!」賛成です!
Posted by ブクログ
社会学をプロレスに置き換えてみようという試み。
齋藤文彦の主にアメリカプロレス史の話はとても興味深く読めた。
反面、プチ鹿島の現代社会学への置き換えは面白いと思う反面、難しくも感じた。
Posted by ブクログ
プチ鹿島氏の「プロレスの話をしていたら世の中の動きや時事問題に結びついた」という言葉が全て。
逆に言うと、プロレスには現代社会の全てが詰まっているわけで、プロレスを客席から俯瞰することで社会生活に活かすことができる。
それを無意識にやれているからこそ、プロレスファンはずっとプロレスに魅了され続けているのだと改めて気づかされた。
三人の語り口がとにかく面白いし、またプロレス史について(取り分け力道山以前)詳しいので、勉強にもなる。
Posted by ブクログ
共著になっているが、基本的にはフミサイトウのインタビュー。昔から彼の話は面白い。
とはいえ、プチ鹿島の十分な知識量と「聞き手と解説役になる」という姿勢が本書の魅力になっているのは明白。
プロレスはリベラルで、とても進んでいたジャンル(斎藤)420
定説では「力道山は日本領だった朝鮮で日本国籍として産まれ、戦前に長崎県で養子に入って戦後を迎えたので、産まれた時から死ぬまで日本国籍だ」だが実は怪しい。長崎県の戸籍も「謎の戸籍」で、これはアメリカ指導の文化政策で日本政府が力道山に超法規的措置の可能性がある(プロレス文化政策のため)。帰化もしていない416
「力道山が憎きアメリカ人を空手チョップでなぎ倒し、敗戦国ではる日本人を高揚させた」は1980年代から言われ始めた作り話。実情は「先進国アメリカからやって来た流行の娯楽」の認証で、みんなニコニコ観てた412
プロレスファンは、様々な偽情報、フェイク、裏切り、半信半疑になれて鍛えられたので、メディアリテラシーがついている(鹿島)307
「木村政彦はなぜ力道山に殺されずに済んだか」194
アイアンシークはYouTubeで活躍して再ブレイク。アメリカの長州力177