宮下規久朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレカラヴァッジョや刺青などの研究で有名な著者。本書は新聞用エッセーをまとめたものなので、それらの専門書に比べると非常にライトでキャッチーなものに仕上がっている。
最近色々な名画の解説本が出ているが、宮下氏の本は少し視点が異なり、アンダーグラウンド感が漂っている。そこが毎回手にとってしまう理由なのだろう。
今回もそうやって手に取ったが、新聞向けということもあり、著者のアンダーグラウンド感が薄かった。「欲望」というタイトルが突出し過ぎている気がする。
著者の本当の魅力を知りたいのなら、刺青とヌードの美術史(NHKブックス)がおすすめ。本書よりもっと濃厚な「欲望」を感じるだろう。