あらすじ
美術作品も、人と同じく一期一会で、出会う時期というものがあるにちがいない。私が病気の娘を案じているときに出会ったシャルダンも、娘を供養すべく東北に見に行った供養絵額も、娘の死後の絶望の中で見入った中国の山水画も、みな出会うべきときに出会ったのだと思っている。それらは、二度と同じ心境では見ることができないものだ。(エピローグより)美の原点に触れる、一期一会の物語。【図版125点収録】
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Posted by ブクログ
新聞のコラムとして掲載されていたものをまとめたものなので幅広く読みやすい
美術とは少し離れるが、作者の娘さんが22歳で癌で亡くなられたことと白い蝶の話に涙…
Posted by ブクログ
美術は、目で見たときの感覚だけではなく、背景や作者、絵に描かれた真の意味に対する知的好奇心を喚起することにより我々を誘惑すると著者はいう。
本書はその「美術に対する知的好奇心」を満たしてくれる一冊であり、一枚の絵画がその作品のみで理解するよりも、時代、国、主題、精神性など時空を超えた広大なコンテクストの中で理解していくことにより、より多面的に味わ合うことができることが実感できる。
Posted by ブクログ
美術館に行って
なんとなく ぼやーっ と
観るのも大好きです
絵描きさんの エッセイも
その独特の視点が顕著なものが
結構好きです
「絵」が好きな人が語る
「絵」にまつわる話を読むのも
大好きです
自分のペースで
自分の思うように
「絵」を楽しむことが
大好きです
それにしても
最近の新書の印刷術は本当に
進化していますね
〈オールカラー版〉と銘打つだけのことはあります
Posted by ブクログ
美術は、単に優雅な趣味の対象ではなく、社会や文化全般に強く関係する。政治経済と深く関わり、生老病死を彩り、人の欲望や理想を反映する―。西洋でも東洋でも、美術は歴史の局面で重要な役割を果たしてきた。そんな美術の誘惑についての、一期一会の物語、図版125点収録。(袖)
Posted by ブクログ
何の気なしに読み始めさらっと読み終わった。美術になじみのない日本人に少しでも接点を、というコンセプトだろうか。かなり偏ったテーマ設定と、東西を横断した作品選びは自由で結構楽しかった。
しかしパラパラと読み終わって明白なのは、著者のメッセージの力点が、亡くなられた娘さんに対しての思いに還元されているということだ。あとがきは著者の<告白>そのもの。でもそれでいいと思う。結論としてちょっと寂しいところがあっても、安い言葉で申し訳ないが、それも人生ではないかと思う。
17.5.7