あらすじ
たとえばあなたが実際に美術館に出かけて目にした、これまで見たことのない中世の西洋絵画を即座に読み解くにはどうすればいいだろうか。本書は、絵画に描かれた代表的な「モチーフ」を手掛かりに美術を読み解く、画期的な名画鑑賞の入門書である。西洋絵画だけでなく、日本を含む東洋の美術や現代美術にも言及している。人気の新聞連載に加筆し、カラー図版150点を収録した文庫オリジナル。
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Posted by ブクログ
美術品にはもともと興味があり、宗教や歴史を少しずつかじってみたものの頭になかなか入らず…。
でもこの本は実際の美術品を例に挙げながらモチーフごとに解説してくれているため、楽しみながら自然に自分の知識になって行くのが感じられました。何度も繰り返し読みたい一冊です。
続編が出るといいなぁ。
Posted by ブクログ
◆面白かった!絵画の中で象徴的に用いられる66モチーフの意味や用例を示した参考書。カラー図版もふんだんに挿し込まれた贅沢な1冊。西洋絵画だけでなく、東洋のものについても触れられている。さらなる参考文献が紹介されているのもうれしい。できれは、高価でも、文庫でなくもう少し大きめの冊子で読めたら申し分ないんだけど。◆「蝶」「魚」「種」「手紙」「書物」「ヴァニタス」「梯子」が興味深かった。特にオランダ絵画における「手紙」と絵の中の絵「海をゆく船」との関係には物語を感じてうっとり。これは、知らなきゃ損してしまうな。◆後書きを読むと、執筆時、著者がプライベートで大変キツイ想いをしていたことを知る。最後に置かれた、本書の内容を踏まえた俳句が胸を打つ。
Posted by ブクログ
絵に込められた寓意を知らなければ、きれいな絵だねで終わってしまい味気ないものですが、やはり知ることは人生をおもしろくしてくれます。本書では、西洋と日本との比較もされていて、橋より梯子、骨より血の違いに感心しました。
偶然にも行くことを予定していた開催中の展覧会で牧谿の猿や孔雀明王が見れると知り、本当に楽しいなぁと思わせてくれた1冊でした。
Posted by ブクログ
モチーフの解説に2ページ、カラーの2ページでそのモチーフを使った絵画の紹介で構成された、西洋の宗教画をより深く楽しめるよう解説してくれた本。バチカン美術館やヴェルサイユ宮殿の宗教画はほぼ素通りしてた男ですが(笑)、この本を読んだおかげでもう一度じっくり観てみたいと思える一冊でした☆
840円+税と非常にリーズナブルな本なので、美術史に興味のある方にはかなりおススメ♪
Posted by ブクログ
みんな大好き宮下先生の美術史学
勉強にはなるけど、やはりライブで講演を聞くのが一番かも。
ところで教科書によく出てくるザビエルの肖像画って神戸市立博物館で見れるんですね。
Posted by ブクログ
絵画に描かれた様々なモチーフの意味を細かく解説した本.西洋と東洋では同じモチーフが全く違った意味を持つ事例も数多く有り、絵画の見方の勉強になる.
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絵画によく描かれる動物や食べ物などが何を表しているのかを解説するという、ありそうでなかった入門書。
西洋の絵画がいかに象徴に満ちているかがわかり、絵画の見方が大きく変わる。
Posted by ブクログ
豚、鳩、魚、虹等の66の絵画のモチーフに関するエッセイが見開き2ページ、エッセイで触れられた絵画のカラー図版が次の見開き2ページに載っている。130ページのカラー図版がついた、明快な解説によるモチーフで読む絵画入門書は、大変お得な一冊でもある。
Posted by ブクログ
絵画におけるモチーフの由来を取り上げた本。絵画における知識が全くなくてもわかりやすく読めるのが良い。軽めの入門書の中ではなかなかの内容ではないだろうか。
西洋絵画とキリスト教は切っても切れない関係だが、それも時代によって変わってくる。十字架が5世紀ごろまで忌み嫌われるものとして宗教画に用いられなかったと言うのは、理由としては当然の帰結であるが言われるまで全く気づかなかった。
孔雀が七つの大罪の「傲慢」のモチーフなど、知識欲を刺激する豆知識が多いのも嬉しいところだ。
Posted by ブクログ
読書録「モチーフで読む美術史」3
著者 宮下規久郎
出版 筑摩書房
p114より引用
“ このチーズは豆腐のように見えるが、イ
タリアのリコッタチーズは豆腐のように淡白
な味である。そもそも豆腐自体、中国人が唐
時代に北方民族のチーズを模倣して大豆で作っ
たものであり、味も食感も似ているのは当然
である。”
目次より抜粋引用
“犬
猫
羊
向日葵
分かれ道”
美術史家である著者による、絵画に描かれ
た動物などのモチーフを基に、名画の楽しみ
方を記した一冊。新聞連載「神は細部に宿るーー
モチーフで読み解く美術」の、加筆文庫オリ
ジナル。
身近な動植物からはっきりしない概念まで、
元となった作品の写真と共に解説されていま
す。
上記の引用は、チーズについての一節。
精進料理でよく使われている豆腐のもどき料
理の、一番元の豆腐自体がもどき食材という
のは面白いものですね。
絵だけをパッと一目見てもわからなくても、
こういう楽しみ方を教えてくれる著作がある
事で、一つ楽しいことが増えるのはありがた
いものです。
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Posted by ブクログ
非常に勉強になる。絵画の見方だけではなく、特に西洋文化全般を知る上でも重要な知識満載。
にしてもあとがきが泣ける。娘を持つ父としては胸が締め付けられる。