マイケル・ルイスのレビュー一覧
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野球選手のエッセイが面白かったので、野球系の本を読みたくて手に取る。
映画は視聴済み。
セイバーメトリクスを取り入れたオークランドアスレチックスの物語。
旧泰然とした世界では評価されなかった選手たちにスポットライトを当てて、勝利していく。
野球の新たな発見について書かれた本でありつつ、革新的な取り組みを行うとどのようなハレーションが起きるのかについて描写された作品。
ノンフィクションとして面白くありつつ、ビジネス書としても読めると思う。
また、昨今の野球界は完全にデータ重視、フロント主導になり、若手は攻撃力よりも守備力を重視されるようになった。
アスレチックスは本拠地を離れ、新天地に移る。
プロスポーツにとって成功とは何か?考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
リーマンショックの頃、私は小学生だったので言葉は聞いたあるし、様々な株のチャートが凹んでいるのは見たことがあるが深く理解できたのはこの本が初めてだった。
人類が生み出した資本や株式市場などの虚構の世界で正気とは思えない錬金術を考え、さらに多くの人は疑うこと・考えることを諦めた。
いつになるか分からないが必ずまた市場がパニックになる時が来ると考える。それはリーマンショックよりも前から起きている負の連鎖として。
人間の過ちは、大きな軌道修正をしないとまた同じ軌道に戻ってしまうのが、常であると思う。2026年の中東情勢も振り返れば9.11や湾岸戦争、イラン・イラク戦争が背景にあり反省をしてこなかった代償である。 -
Posted by ブクログ
資金力の乏しいメジャーリーグ球団であるアスレチックスのチーム作りを扱ったノンフィクション。
結局はアービトラージを狙う手法なので、ここに書かれてしまうとその効力はなくなってしまうだろうが、それまでの伝統的な手法、誰もが当たり前と疑わない勘と経験の世界に新しい科学的な方法を持ち込むことで成功を得ることができるというのは示唆に富む話だった。
そういう話も面白かったが、データ自体に意味があるものかどうかという視点は目から鱗だった。中でも、守備のデータは信頼性がない、つまり、エラーという人の判断が入るデータは、最初から諦めてしまえばエラーにならずヒットとなるし、役に立たないという話はなるほど、と唸らされた。
野球好きだけでなく、データ分析に興味がある人は読むべき。 -
Posted by ブクログ
マイケル・ルイスの本、はじめて手に取りましたが、予想をはるかに超えて面白かったです。2008年に引き起こされる世界金融危機の発端となるサブプライム・モーゲージ債。これが貸し手の金融機関と借り手(所得の低い米国人)の間だけでしたらここまで被害は大きくならなかったのでしょうか、いわゆる投資銀行と呼ばれる連中が、錬金術をはじめるわけです。しかもタチが悪いのが、錬金術をはじめた投資銀行のトップが、事態を全く理解しておらず、S&Pなどの格付け機関もその金融商品(CDSやCDO)について理解していないのです。
本書では、この錬金術に気づいた極めて少数派の人々が、その人物像も含めて丁寧に描かれており、とても興味深く読みました。また複雑な金融商品についても、素人にもわかりやすい説明がされているので、すらすら読めました。本書にも書かれていますが、金融機関の人々は、あえてわかりづらいネーミングをします。ですから金融商品の名前は額面通りに受け取るのではなく、自分で名称をつけてしまう方が賢いやりかたでしょう。米国の投資銀行、そして格付け機関も共犯者と言っていいと思いますが、世界経済を破綻寸前においやった人々の実話と、それに立ち向かった(逆張りした)少数の人々(本書の主人公)の物語は、これからも語り継がれていくべきだと思いました。 -
購入済み
錬金術に気づいた極めて少数派の人々が、その人物像も含めて丁寧に描かれており、とても興味深く読みました。また複雑な金融商品についても、素人にもわかりやすい説明がされているので、すらすら読めました。
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Posted by ブクログ
野球の見方だけでなく、慣習やしきたり、固定観念に対する意識が変わる一冊でした。
主人公のビリーは、それまでの野球界の常識とは異なる客観的な数字による尺度を用いて選手を評価し、乏しい資金の中で常勝チームを作り上げます。
球界だけではありません。
我々の身の回りにも慣習や、「伝統」という名の固定観念が溢れています。
最適解を求めようとしているのに、その判断基準はとても曖昧で、「慣習」からはみ出さないことを大切にして、いつの間にか最適から大きく外れたところに着地している。
慣習や伝統を見つめ直し、新たな常識を受け入れるのはとても難しいことです。
でも、変化の激しい昨今、その勇気が必要なのだとはたと気付かされました。
この本は、野球の本ではなく、ビジネス書として捉えても有益な一冊ではないかと思います。 -
Posted by ブクログ
モーゲージ債: ローンをかき集めて証券化したもの.リスクとリターンを階層別に切り分ける
サブプライム:劣位
誰かの人間の資産は誰かの人間の負債→モーゲージ債はこの負債をこねくり回して証券化 流動性が高まり効率性が生まれ負債を抱える側も低金利でローンを借りられるようになるという一見するといい話
→経済の発展って「貸し借りの発展」なんだな
主人公のアイズマンは裏表がなく,ある意味”空気が読めない”ところがあるけど
他人に流されず,自分で考える力を持っているとも言える
金を貸す銀行側が正常な判断ができなくなることはある 少し前だったらスルガ銀行がいい例.返済能力が行き詰まる融資を見つけたらそれはいずれ弾けるバブルなんだなあ.歴史は繰り返す
ブラックスワンにかけることは,痛みを伴う.
モーゲージ債の保険(CDS)の保険料,プットオプションのロング
”欲に訴える手がダメなら,次は不安を煽る”
なぜ格付け期間は爆弾見たいな債権に最高評価をつけてしまったのか
・格付けがザルであることを格付けさせる側(投資銀行)が見抜いてそそのかした
・消費者の信用度評価に用いるスコアがザルだった.
車の運転経験がゼロの人に,「この人は事故を起こしたことがない」とゴールド免許を発行する 見たいなスコアリング
具体的には出稼ぎのために移住してきた人(ローンを借りたことがないから当然ローンを焦げ付かせたこともない)に高い信用度をつけた.
意思決定で大事なことって「未知をなくす」ことだなあ
こういうブラックスワンでチャンスを掴むには
・世の中は案外合理的ではないという認識(外見はまともでも中身が杜撰で付け入る隙があるものが存在する)
・人の話を鵜呑みにしない懐疑心
・自ら真実に到達しようとする好奇心,執念,頭脳
・その日が来るまでメンタル・フィジカル(資産)がダメージを受けることになろうともブラックスワンが来るまで耐え忍ぶ忍耐力と余力
が必要,それを行動に反映する大前提として「自分は無知である」という謙虚さが必要.傲慢になったらそこで終わり
タレブみたいなひとがいっぱいでてくるし、みんな自分の行いが報われるまで物凄く「何か見落としているんじゃないか」と葛藤している。
ブラックスワンにかけるというのはその日が来るまでは報われない苦しみを避けられないらしい。
鶏小屋の鶏1000羽が「明日も餌をもらえる」と思っている中、自分だけ「明日は七面鳥にされる、今夜にでも逃げ出そう」と考えているように。
サブプライムの崩壊にかけていた人も終盤「金融そのものの崩壊」というリスクには振り回されたっぽい
いくら保険を買ってもその保険を支払う能力が相手になければその契約は意味ないもんな
”投資銀行の経営陣が,自行には十分な流動性があるという時,それは例外なく,流動性がないことを意味する”
→外見を取り繕うシグナリング 言葉だけじゃなくて行動でも
稀な事象ほど,発生確率が低く影響も小さいと誤解されがち.
ー>誰も見向きもしなかったプットオプションが暴落を機にとんでもない価値を持つようになる.
筆者は最後に,買っても負けても莫大な報酬が支払われるウォール街のシステムを避難している
今回のシステムの崩壊にかけた人はもちろん,今回のシステムの崩壊に加担する側の人間も雇われ先から数千万ドルの報酬を得ている
多分その仕組みは今も変わってなくて,タレブのいうSkin in the gameではない,ということだろう.
頑張っても報われない世界もあれば頑張らなくても(成果が比例しなくても)勝手にお金が入ってくる世界もある
そういう意味で世の中は公平に作られていないということをもっと早く知っておきたかった. -
Posted by ブクログ
・不遇な選手を偏見から解き放って、真の実力を示す機会を与えた
・人間社会における理性の可能性-と限界-を如実に表す縮図
・神々は、破滅させたい人間をまず「前途有望」と名づける。
・力まかせの剛速球ではなく、打者をあざむくテクニックにある。
・スカウトはつい、必要以上に自己経験と照らし合わせて考えようとする。
・自分の体験こそ典型的な体験だと思いがちだが、実際はそうでもない。
・心の奥深くにあるカジノで、賭け金を減らし始めた。
・いままで起こっていないことは、今後も起こらない。うまく対応できなかった事柄があるなら、そもそも対応能力がなかったのだ
・結果につながらない才能なんて、才能とは呼べない。
・うやむやになっている問題点に光を当てて、新しい明かりをともす。
・主役は解釈なのだ。地球上の出来事をほんの少しでも把握可能にするような解釈。
・従来の固定観念を打ち壊せば、いままでよりはるかに効率よく物事を進められる、と。
・異端とはチャンスを意味する。
・結果じゃなくて、過程を見ているんです
・世間では、過程より結果によって判断を下す人が多いみたいですけどね
・そういう意味じゃありません。うちの選手がどう対処しようとしているかを見ているわけです。
・教え込むことも可能だが、おしめをはかせてやらないといけない
変わる勇気がなければ状況は改善しない、ビリービーンの考え方は、大いに参考になることが多かった。私にとって珠玉の言葉がたくさんありました。映画、見たくなる一冊でした。面白かったです。