マイケル・ルイスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
※私が読んだのはランダムハウス講談社から出版されたものです。
野球好きの上司から、マネジメント的な要素もあるよ、とお借りした一冊。
映画を見たかったのに見逃しており、興味があったので読んでみました。
野球が好きなら、試合のシーンは情景が目に浮かぶのでそれだけでも楽しめると思います。
また、メジャーリーグのトレードを目の前で覗き見してるかのような、スピード間のある描写も楽しめました。
個人的にカタカナの名前を覚えるのが苦手で読み終えるまでに時間が必要でしたが読んで満足の一冊。映画も是非見てみたいです。
終盤にあった
「どの数字を金庫の中にしまい、どの数字をクズカゴに捨てるか。大切なのは数字を万物の神として奉ることではなく、数字に意味を持たせることだ。理論武装することだ。数字の奥にひそむ真実を読み解き、時には行間にまで思索のメスを入れる。それが賢者の振る舞いだ。」
のくだりは、野球チームのマネジメントだけでなく
普通のビジネスにも通ずるものがあると思い、勉強になりました。
野球界を描いたエンターテイメント作品と
ビジネス書としての要素を兼ね備えた一冊です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を見てから原作を見たが、リーマンショックの引き金を起こしたサブプライムローンの仕組みを非常に分かりやすく解説すると同時にそこで実際に何が行われていたか生々しくつづっている。崩壊に賭けた人は決して運よく勝てたわけではなく、きちんとしたロジックに基づいて崩壊に賭けているのが興味深い。周りに流されずに自分の頭で考え続けることが成功に繋がっている。あとは金融ってモラルが求められるはずなのに、実は人のお金で商売するので、最終的には無責任になるんだなーと思った。本当の崩壊というのは数十年に一回の単位で発生するので、前例主義が当てはまらないこともよくわかった。
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Posted by ブクログ
世界中の景気に冷や水を浴びせかけたリーマンショック。それはアメリカの不動産を担保にしたサブプライムローンの破綻が発端でした。そのバブルがはじけるまで、サブプライムローンを売りまくっていた金融市場において、その破綻を予期した人たちが存在し、その人達がどのように考えて行動していたのかを詳しく追ったノンフィクションです。
実は私自身も金融商品の仕組み、取引の仕組みがよく分からず、サブプライムローンと言われてもその仕組みもよくわからず、その辺の知識を得られることも期待して読んでみました。読後の印象としては、読んでも分からない部分も結構残りました。もう少し金融商品の知識を得てからこの本を読んだらもっとスリルや緊迫感を感じることが出来たのではないかと思います。
ただ本書から当時の金融市場の大きな流れは掴めますし、取り上げられている人物の描写も丁寧で、読んでいて辛くなることはないと思います。文庫本ですからお値段以上の内容と言えるのでは。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大谷翔平を宣伝に使ったり、あっという間に巨大会社になり、あっという間に破綻していったFTX。暗号通貨業界には全く明るくないので何が起こっているのかよくわからなかったのだけど、そういう人が読むにはちょうどよいかも
FTXの創設者サム・バンクマンフリード(すごくユダヤ系っぽい名前だ、、、)もその周りと固めていた若者も、数学の才能が非常にあり、高学歴で、ジェーンストリートなどのHFT業者出身者が多い。日本のIT長者のように、たまたま一発当てた、という感じではない。ただ、功利主義的で共感性が欠如しており、発達障害だなぁと思わせる風貌やエピソードには事欠かないというのが特徴か
やっていたことは取引所を営業してさやを抜く(HFT出身なのでお手の物だったようだ)とか企業買収、新規トークン発行などで、それだけでも年間数億ドルの利益があったのに個人資産運用会社とFTXの口座が同一視されており、暗号通貨の暴落とともに破綻してしまった。おそらく、著者のマイケル・ルイスも暗号通貨の取材のつもりでコンタクトを取り、実際にサムらにあった直後に破綻に遭遇してびっくりしたのではないだろうか。裁判の結果など、また決まってないことも多いようだがこの毀誉褒貶の激しさは評伝として書かれる価値があるものだと思う -
Posted by ブクログ
投資の世界を小説で勉強しようと思い読んだ。でもサブプライムのCDOのCDSという特殊分野で一般的な勉強にはならず。1回目は流れを追うだけだったが、すぐ2回目読んだら結構コンパクトでわかりやすかったことに気付いた。描き方も巧みで「もう一度言ってもらえますか」(p252)や「ゼロ!」(p272)など劇的で良い。東江一紀の翻訳が自然でさすがというのもある。普通に良くできた小説。
でもこれが作り話でなく2007年に実際に起きたことというのは笑えない。著者は金融危機の源を1981年にソロモン・ブラザーズが合資会社からウォール街初の上場企業に転じ財務上のリスクを株主に転嫁したこと、つまり投資銀行側の問題としている。しかし一般庶民の強欲や無責任が集まって投資銀行を動かしていたと考えれば、源は一般庶民ひとりひとりではないか。
・一軒めを買ったあと、その家が値上がりし、貸し手がやってきて、二十五万ドルの新規貸し付けを提案したからだ。姉妹はその資金で二軒めの家を買った。すると、その家も値上がりしたので、同じ試みが繰り返された。「五軒めを買い終えたころから、市場が下落を始めて、ローンの返済がまったくできなくなったらしい」(p180)
他におもしろかったのは以下。
・『そこをもっと詳しく、標準語で説明してもらえます?』とか。そう突っ込んでおくと、いくつかためになることが聞き出せるんです。まず相手が自分のしゃべっていることをわかっているかどうか、はっきりしますね。(p59)
・ジョン・マックが、ハーウィー・ハブラーの冒していたリスクの内容を知る者が、行内にはほかにひとりもいなかったという事実を明言することなく言おうとしていたのは、ハーウィー・ハブラーの冒していたリスクの内容を知る者が、行内にはほかにひとりもおらず、ハーウィー・ハブラー本人も知らなかったということだった。(p375)
・みずほ証券は、いまだにみずほにしかわからない理由で、アメリカのサブプライム債権を扱う賢いトレーダーという体裁を身にまとい、モルガン・スタンレーの手から、サブプライムに裏付けされたCDOを十億ドルぶん受け取った。(p370) -
Posted by ブクログ
面白かった。(特に後半)
行動経済学が生まれるきっかけとなった心理学と意思決定の研究者、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーの研究生活と友情の物語。
二人の研究の成果については、カーネマン著『ファスト&スロー』に詳しいので、この研究が生まれるまでの物語として読んだ。
序盤・中盤は彼らの生い立ちと初期研究の話で、あまり興味が持てずに、しばらく読むのを止めていた。しかし、後半を読み出すと、見知った行動経済学の話や、カーネマンの苦悩と二人の別れなど、話がドラマチックになり、一気に読んでしまった。名声を得たが故の二人の別れは、人間心理の難しさを感じると共に、「成果は一人では出せないが、評価されるのはただ一人」という残酷な現実を認識させられる。