近藤康太郎のレビュー一覧
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何故朝日新聞の記者だった著者が全くの未経験から猟師とコメ農家を始めたのか。
生きるということは、食うということ。他者の命をいただくということ。当たり前のことなのに、世間大多数の人は普段全く意識しないテーゼ。
スーパーやコンビニで既に用意された「モノ」ではなく、自らの手で直接「他者の命」を調達することで、そのテーゼに意識的になることに決めた。
そんな著者の思考の流れ、感情の動き、何を大事にするかなどがとても丁寧に記されている本作。
流石朝日新聞記者、筆がすごく上手い。描写が巧みで教養の高さが感じられる。好きなタイプの文章だった。
政治的なスタンスの濃さや若干の説法じみた物言いを感じなくもないが -
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ネタバレ朝日新聞名物記者による1冊。
「文章を書く」ことの難しさ、奥深さを素人ながらに学んだ。
ここまでストイックとは言わずとも、営業として時折見返しつつ会得していきたい。
以下、メモ。
天才の二つの要件
→第一に、努力を続けられる人
→第二に、努力を発見する人(人が努力しないことを努力する)
一流ほど、「自分が1番下手」として全てから謙虚に学ぼうとする
読書のいろは
→目指せ1000冊(手元には100冊台)
→全ての本を立て、背表紙が見える状態で保存せよ
→本棚のラインナップが、自分だけの関心事/知識のポートフォリオとなる(電子だとそれができない)(常に読んでは捨ててアップデートし続けよ)
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Posted by ブクログ
良書、わかりやすかった
ビジネス文書を書くにあたって不要と思われるものが多々あったが、いちばん印象に残ったのは、文章の熱量という話だ
説得力のある文章には、熱い熱量がこもっている
気になったのは、以下です。
■ 文章の基本
・最初の一文、長くても三行くらいでしょうか。そこで心を撃たないと、浮気な読者は逃げていきます
・仕事とは、結句、表現なんですよね
・自慢ではなく、一行目はのけぞらせろ
・読者はあなたに興味がない、読者にとって、あなたの書こうとするテーマはどうでもいい。冷厳な現実だ。しかし、この事実を認めるところからしか、始まらない
・うまいとはわかりやすいことである
・その原則は3つ -
Posted by ブクログ
半農半Xを地で生きている著者が、自身の狩猟や米づくりの経験をもとに、生きること、経済、戦争・平和などについて思索をしたものをまとめたエッセイ。実際の狩猟や精肉の描写やコメ作りの実際の体験談から、半農半X(ライター)、自然資源を活用した生き方、贈与経済による人間関係の形成、物質文明へのアンチテーゼの提示・人間の能力の維持、資本主義から半歩ズレた生活、オルタナティブな生計手段を複数持った生活の提示などなど、内容は多岐に渡る。著者は、正に私が実現したい生き方を実践している人だ。
他方で、この生活のアプローチだけでは、開発途上国の環境問題や社会問題、地球規模でのエネルギー問題、国家間の戦争・安全保障の -
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■古典のコトバ
A.「仕事が忙しくて、本を読んでいる暇はない」と豪語する間抜けさえいる。
本人は、自分の多忙を有能さと勘違いして自慢しているつもりなのだから、たちが悪い。
B.楽しいから、幸福だから笑うのではない。順番が逆だ。まずは笑ってみる。人生に運命なんかない。ただの偶然。さいころみたいな丁半ばくちだ。人生これ、ギャンブルなり。
C.わずかばかりの才能でいい。そのほんの少しの才能にしがみつき、かぶりつき、專一に磨く。そうしないのは、なんと怠惰で、傲慢で、そら恐ろしいことか。
D.仮に健康で、何十年も生きながえられるとしても、刻一刻と生まれ変わる自分の存在の可能性に目を向けない生き方