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「朝日新聞」名物・名文記者の文章技巧25発を紹介。つかみ(冒頭)の三行、起承転結、常套句が害悪な理由、一人称、文体、リズム、といった技術を網羅するが、方法論にはとどまらない。なぜそうするのかを、自己や他者の心のありようにフォーカスしながら考える。
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Posted by ブクログ
今まで読んだことのある文章術の本の中で、いちばん楽しくタメになる本。これからの人生であと10回は読み返したい。
書くことは格闘だと思った。書く対象の魅力にどこまで迫ることができるか、伝えることができるか。技術の格闘。書くことは書き手を写し出す。書き手の弱さや葛藤、強さや信念が文章に投影される。自分との格闘。読み終えた今、書き始めたい。
人生のおもしろさに、気付く手がかりにできる。 いい文章を書けるライターになるために、取り組むことや心構えを、場面を想像しやすい内容で書かれています。 また、ライターだけでなく、沢山の生業に通じると思います。その仕事で生きるための心得として、どんな人でも、読めば得するいい本です。
ニューヨークは数年前から漢字ブーム。この夏も安っぽい生地に漢字をあしらったシャツが大人気である。 もっとも漢字はめちゃめちゃ。「斬」「殺」「帝」など意味なく並べるだけだ。 昔、日本の大手化粧品会社の広告に「For Beautiful Human Life」というキャッチコピーがあった。英米人から...続きを読む「文法的に間違っている」と新聞の投稿欄を賑わした。和製英語は意味不明と英米人の嘲笑のたねだ。 タイムズスクエアで忘れがたい漢字シャツを着た男とすれ違った。思わず後を追いかけた。胸の漢字は、「二角形」。 なんなんだそれは?
三行で撃ち抜かれてしまった。 私は本を書くことを生業にするつもりは無いが、感想や物申したいという場合に参考になる心構えだった。 文章のプロというだけあって実用書なのに退屈することがなかった。
文章を書くという実用書なのに、この濃密さとエネルギたるや!一度読んだだけではとてもうけとめられなかったです。再読します。
良書、わかりやすかった ビジネス文書を書くにあたって不要と思われるものが多々あったが、いちばん印象に残ったのは、文章の熱量という話だ 説得力のある文章には、熱い熱量がこもっている 気になったのは、以下です。 ■ 文章の基本 ・最初の一文、長くても三行くらいでしょうか。そこで心を撃たないと、浮気な...続きを読む読者は逃げていきます ・仕事とは、結句、表現なんですよね ・自慢ではなく、一行目はのけぞらせろ ・読者はあなたに興味がない、読者にとって、あなたの書こうとするテーマはどうでもいい。冷厳な現実だ。しかし、この事実を認めるところからしか、始まらない ・うまいとはわかりやすいことである ・その原則は3つだけ。 1 文章は短くする 2 形容詞と被形容詞はなるべく近づける 3 1つの文に、主語と述語はひとつづつ 短く、近く、シンプルに、― すぐ「うまく」なる三原則 ・わざわざ難しい言葉は使わない。短い文章でたたみかける ・読者は書き手の言いたいことなんてわかっていない。 ・うまい文章を書く人は、人に対して、世界に対して謙虚です。 ・めざすのは、ストレスなく読める文章 ・など、いろんな、さまざまな は逃げ、つかわない ・押し売りの感情は響かない ・響く文章はエピソードで語る ・エピソードを書くために大切なたった一つのこと ― 五感を使う、五感で世界を切り取る、見て、そして、正確に書く ■ ライターの心得 ・基礎トレーニング 1つめは、感性の力を高める 2つめは、質問する力を磨く 同じことを聞くのでも、質問の表現を変える 質問しろ、同意を求めるな、疑問形で聞け―日本語の質問の多くは、疑問形になっていない ・うまいといわれる日本語を書くことは至難の業だ。そして、とびきり難しいからこそ、書ける人は有利です ・どの世界でもトップにいる人は、きわめて文章操縦力の高い人です ・うまいメールの書ける人こそ、出世する人です ・手紙でも、メールでも3手で相手玉を積まさなければならない ①自分はあなたをしっている ②自分はこういう者である ③したがって、自分にはあなたが必要だ―あなたにも、自分は有用だ ・メールもそうですが、初発の熱量がすべてなんです ・仕事を頼む相手は、つねに、世界で一番忙しい人だと思え ・最初からカネを話をするのは、無粋でもなんでもなく、必須事項、むしろ礼儀だ ・最後に人を甘くみるな ・一回限りの関係を求めて近づく人間になってはいけない。一生付き合いという覚悟をもって、仕事は申し込むべきだ ・だれも理解してくれなくても、だれに求められなくても、自分のために、世界のために書く。そういう文章は、熱量が途方もなく高ければ、どこかに読者は現れる ■ 書くための4つの道具 ・習慣は、第二の天性。凡才は習慣で、天性を作り上げてしまう ①語彙 語彙の豊かな人が、文章のうまい人 本を読み、辞書を引く 抜き書きこそが、語彙を増やす王道だ ②文体 文体、流儀、くせ、ルーティン、約束、品格 つまり、生き方 4つの主をかえる 1)主語を変える 2)主題を変える 3)主義を変える 4)主体を変える(=キャラを変える) 場所を移す。他者からの影響を恐れない。まねる。自分の頭で考え、咀嚼し、消化し、吸収する。それが誤読でも構わない ③企画 企画とは、wたしは、何を書くべきか 言い換えれば、わたしには、なにが、書けるのか だれでもできるということは、あなたでなくてもいい なにが、わたしにしか、書けないか それは、感情です。エモーションです この世で信用できるのは、熱だけだ、何人の人間が真剣になって本気をつくっているのか 汝、自身を知れ:自分自身を知ることがもっとも難しい ④ナラティブ なにに感動したのか、なにがやばかったのか、そのなにを具体的に、飽きさせないナラティブで惹きつけ語る ストーリー(物語)は有限だが、ナラティブ(語り口)は無限だ ■読ませるための3感 ①スピード感 2文に分けられるものは、すべて2文にする、原則として、そう考える 短文がずっと続く文章は単調で、むしろスピード感をそぐ。短文と長文を出し入れする 日本語も、主語をわざわざ書かなくてもわかるから、省略しているだけ 適度に主語を省略するのは、文章にスピード感を出すためだけでなく、わかりやすくするために必須の文章術である ②リズム感 話し言葉を、書き言葉に移植する 間をつくる3つの方法 1)句読点 2)かっこ類 3)改行、一行空き 猫も杓子も五七調 ③グルーヴ感 とにかく簡潔で、事実だけを正確に書け、だから形容詞はつかうな、そのかわり、事実を書くんです グルーヴ感とはなにか、Goove 溝のことです ■自己管理の技術 文章を書くとは、品格のある人間になることです 自分は世界で一番文章が下手、そう思っていなければなりません 各時間と書く場所を、きちんときめていなければならないんです 読むと書くはセット 本は安い買い物である 紙の本、気に入った箇所にとにかく線を引きまくる、鉛筆でも、3色ボールペンでも何でも構わない、線を引きまくる、徹底的に汚す 抜き書き帳、もっとも重要な道具 ■生まれたからにはいきてみる 勉強はすべてだ、そして勉強とは、言葉を鍛えること、表現を鍛えること、そして、感性を鍛えることである。 おもしろきことを発見する力、それは結局、感性の鋭さなのだ テクストとは、書いた瞬間は、情報量のすくない、やせ細ったものだ、それが、時が経つにつれ、太くなっていく 文章は、見えなかったものを見えるようにすること 文章は、見えていたものを見えなくすること 目次 はじめに 第1章 文章の基本 ■第1発:三行で撃つ――書き出しを外すと、次はない。 ■第2発:うまい文章――うまくなりたいというけれど。 ■第3発:すべる文章――読みやすさはきめ細やかさ。 第2章 禁じ手を知る ■第4発:常套句・「としたもんだ表現」――親のかたきでござります。 ■第5発:擬音語・擬態語・流行語――エモいも、ほっこりも、マジ、やばい。 ■第6発:起承転結――転を味方につければサバイブできる。 ■第7発:共感させる技術――響く文章は、説明しない。 第3章 ライターの心得 ■第8発:ライターになる――誰にでもなれるが、なれないのはなぜか。 ■第9発:説得する技術――メール上手は幸せな人生を送る。 ■第10発:一人称・読者の設定――だれが書くか。だれに書くか。 第4章 書くための四つの道具 ■第11発:ライターの道具箱――メンテナンスし、持ち歩く。 ■第12発:語彙【道具箱・一段目】――増やすには逆に制限する。 ■第13発:文体【道具箱・二段目】――スタイルのない人間は、みじめだ。 ■第14発:企画【道具箱・三段目】――なにが、わたしにしか、書けないか。 ■第15発:ナラティブ【道具箱・四段目】――有限の物語を無限化する最強の武器。 第5章 読ませるための3感 ■第16発:スピード感【3感・其の一】――主語と語尾で走り出す。 ■第17発:リズム感【3感・其の二】――静かな文章でも話芸から盗める。 ■第18発:グルーヴ感【3感・其の三】――推敲でサウンドチェックする。 第6章 自己管理の技術 ■第19発:意見や助言――人の話は、聞いて、聞くな。 ■第20発:時間管理・執筆環境――いつ書くか、どこで書くか。 ■第21発:書棚整理術――抜き書き帳で脳内を可視化する。 第7章 生まれたからには生きてみる ■第22発:文章、とは――良く生きる、善く生きる、好く生きる。 ■第23発:言葉、とは――言葉は道具ではない。 ■第24発:書く、とは――わたしは、書かなければならない。 ■第25発:痕跡――わたしは書き残す。あなたが読み解く。 おわりに 出典一覧/参考文献・ウェブ ISBN:9784484202297 。出版社:CCCメディアハウス 。判型:4-6 。ページ数:320ページ 。定価:1500円(本体) 。発行年月日:2020年12月 。発売日:2020年12月14日
ライティングの1つのバイブルとなり得る一冊ですかね。特に、誰かを惹きつける文章を書きたい人、それを生業にしたい人は、ぜひ一読をおすすめします。
本質的な事やなるほど、と思う事が書かれていました。 以下、一部ご紹介。 文は人なり。 知れた常套句を使うという事は、他人の頭で感じているだけ。 仕事は結局表現。 1行目はのけぞらせ、全て読んだ後で1行目の意味が明示されていなければならない。 起、のげぞらせる 承、起の説明 転、揺さぶりをかけ...続きを読むる 結、結論はおのずと出てくる。書く前から分かっておら ず書け連ねてその時に思い感じた事が結論になる。 など、色んな、さまざま、は見苦しい言い訳。 自分というものは他者の思考の集積。 五感を磨き抜く事。 良い田は何度も深く耕され実りは豊かになる。 使い勝手の良い言葉は言葉に逃げているだけで、 自分で考えようとしていない。 スタイルを豊穣にするなら、主義でも何でも一旦変えてみる。また戻れば良い。真似て自分の頭で考え咀嚼し吸収する。
私はライターを目指してから、分かりやすい文章、個性がない文章を目指してきた。筆者の熱量に圧倒されつつも、職人ぽいライターを指向したくなった。ギリシャ時代のスパルタ国のような課題を読者にアドバイスしてくる。ちょっとずつやっていく。インプットとアウトプット。読書と書くこと。これをやることにする。
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