あらすじ
世界の古典は人類の叡智の集積――何百年に一人の大天才が、ときには一生を費やして書いたもの、「これを書かなければ死ねない」と心で叫んで残した命の精髄だ。よってそこには、人生の意味の深遠なる解釈や、この世を生き抜くために必須の処世術がぎっしり詰まっている。自分が自由でいるために、他人を圧迫しないために、生きにくい今の世界を、それでも生きていくために、古典の「あらすじ」を知り、哲学者になるのだ!
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Posted by ブクログ
■古典のコトバ
A.「仕事が忙しくて、本を読んでいる暇はない」と豪語する間抜けさえいる。
本人は、自分の多忙を有能さと勘違いして自慢しているつもりなのだから、たちが悪い。
B.楽しいから、幸福だから笑うのではない。順番が逆だ。まずは笑ってみる。人生に運命なんかない。ただの偶然。さいころみたいな丁半ばくちだ。人生これ、ギャンブルなり。
C.わずかばかりの才能でいい。そのほんの少しの才能にしがみつき、かぶりつき、專一に磨く。そうしないのは、なんと怠惰で、傲慢で、そら恐ろしいことか。
D.仮に健康で、何十年も生きながえられるとしても、刻一刻と生まれ変わる自分の存在の可能性に目を向けない生き方ならば、それは死んでいるのとさして変わりはない。
E.人間のあらゆる努力とは、自由を増やそうとする努力にほかならない。
F.インスパイアしてくれるのは好奇心。自分の知らない世界、知らない文化を知ろうとする。それが創造力につながる。
G.人間は、憎しみを糧に生きていけない。忘れなければ、生きていく資格がない。
H.許すのは、敵のためではない。他人のためではない。自分のために許す。憎しみという否定的な感情から自分を救い出し、自分を肯定するために、ほかならない。
I.人の行く、裏に道あり、花の山。
Posted by ブクログ
人生のさまざまな悩みに対して、古典にヒントや答えがあるということを、著者自身の経験を追体験しながら学べる、お得な古典紹介。
「あなたの中にスタヴローギンはいないだろうか。」
誰もが闇とは無縁でいられない。
大好きな山月記も紹介されていたのが嬉しかった。臆病な自尊心と尊大な羞恥心は、自分も同じく持っている。
あとがきの、馬鹿のための古典読書術にとても共感できたのもよかった。
同時並行で読むこと、メモを取り読み返すこと、自分だけの箴言集を作ること、本に恩返ししたいと考えていること。これからもしていきたいと思う。
「抑えきれない遊び心じたいが、貴重な才能なのだ」と思うから。
Posted by ブクログ
古典推奨の本。確かに忙しさを理由にいつの間にか古典というのを読まなくなっているということを気付かされたが、考えたら今でも読まれ、『生きて』いるのは、まさに理由のあることなのであるから、まさに今日の混沌とした時代にこそ読むべきなのだろう。
抑えているところは
チェーホフ、決闘
ラブレー、ガルガンチュワとパンタグリュエル物語
中島敦、山月記
トルストイ、戦争と平和
ドストエフスキー、悪霊
プーシキン、大尉の娘
森鴎外、舞姫
夏目漱石、吾輩は猫である
エミリブロンテ、嵐が丘
シェイクスピア、マクベス
ゲーテ、ファウスト
ヘーゲル、精神現象学
マルクス、資本論
と元新聞記者というだけあって幅広く、深さを感じる。
また最後には古典読書術を紹介しているが、例えば『本は10冊同時に読む』などは確か成毛眞さんとかもおっしゃってたことで、なにも古典に限らず、読書という一般的なことにも通じる。
Posted by ブクログ
「彼(彼女)にとって、自分とは何なのか」
古典を通して語られる著者の生き方、考え方。
どの章も同じような流れで書かれている。
ただ、日頃から本を読まない人は、まずは軽いものから読むのが良いと感じた。
Posted by ブクログ
著者本を遡って読んでいる。
古典は学生のとき、割と読んだがすっかり忘れている。
ということは、あの年代では心に響かなかったのか、いや理解できなかったのだろう。
ということで、当面は日本の古典を中心に、もう一度読んでみることとする。